『火焔祭 (ほむらのまつり)』は1998年にWIN用として、ソルシエールから発売されました。
日焼けした元気娘のスク水の焼けあとは最高でした。
<概要>
ゲームジャンルはコマンド選択式ADVになります。
あらすじとしては、フリーライターの主人公が、秘湯の取材のために人里離れた山村を訪れたものの、財布をなくし仲間ともはぐれて途方に暮れてしまいます。
そんな主人公を助けてくれたのが、温泉旅館を切り盛りする4人の姉妹でした。
主人公はそこにやっかいになりながら取材を始めることにし、やがて村にまつわる秘密にかかわっていくという、サスペンス風の伝奇モノになります。
<感想>
ソルシエールは、主にPC98時代末期に活躍したブランドであり、小粒だけれど、どこかしら変わった作品も多く、個人的には結構好きなブランドでした。
ブランド前作にあたる『TAXI幻夢譚』は、一つのシチュエーションから様々に分岐し、今でも印象に残るくらい好きな作品でした。
『TAXI幻夢譚』まではPC98用だったのですが、本作からはWIN用となりますので、本作がWIN用としてはブランド初のオリジナル作品になります。
さて、本作はマルチエンドのコマンド選択式になります。
もっとも、最初は強制BADであり、2周目・3周目と重ねるごとに選択肢が増え、それに応じてENDも増えていく形でしたので、実質的なプレイ感覚としては1本道となります。
人気だった某伝奇ノベルの形を取り入れたのかもしれませんが、個人的には失敗だったと思います。
しっかりとしたストーリーを構成できるのであれば、実質的な1本道でも大丈夫なのでしょう。
しかしこの作品に、ヒロインごとの各シナリオを連結させた一本のまとまったストーリーはありませんでした。
きちんとまとまりきれていなかったですし、全体のボリュームも少なかったのです。
マルチエンドのようでいて、それらが一つに収束するというのは、その後のエロゲでも増えており、名作と呼ばれる作品の多くも採用しているように、大作感にもつながる有用な手法の一つではあるのでしょう。
しかし、全てのブランドに向いているわけではありません。
そもそもこのブランドの良さって、小奇麗に纏め上げるところにあるのではないと思うのですよ。
『TAXI幻夢譚』のように、幾つものシナリオが用意され、次はどうなるのだろうというワクワク感を与える方向の方が、このブランドには向いていたと思うんですよね。
何か、荒れ球のストレート一本で勝負していた投手が、中途半端にコントロールを気にし出して失敗したみたいな、そんな印象を受けました。
そのため、内容としては酷評する人がいても何ら不思議ではないのですが、1点だけ、それもその1点で全てが許されるくらいの、強烈なインパクトがありまして。
それが、三女のスク水の焼けあとなのです。
本作には4人の姉妹が登場し、どのキャラも可愛いです。
その中で、三女は、褐色の肌をしています。
これは元気少女のため、日に焼けたからであり、脱ぐとスク水部分だけが、見事に白い肌になっています。
この黒と白の対比が、非常に素晴らしかったのです。
この作品は、この場面だけのためにあると言っても、決して過言ではないのでしょう。
<評価>
作品としては、総合評価としては、結構厳しいことを書かざるをえない。
でも、個人的には結構好きなんだよなと、そういう人が多そうな類の作品ですね。
確かに作品全体の出来からすると、D-以下の評価となってしまうと思います。
ただ、スク水の焼けあとがね、とにかく印象的でして。
それだけでも、ある程度満足できてしまったのであり、主観的には何だかんだで好きな作品でもありました。
ランク:D(凡作)
Last Updated on 2024-12-30 by katan
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