虐襲4

2011

『虐襲4』は2011年にWIN用として、Animから発売されました。

シリーズ第4弾にして、更なる飛躍を遂げた作品でしたね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
ここではない世界のとある大陸・・・
100年近くにも及ぶ権勢を誇った『ギラン帝国』が滅亡し、時代は群雄割拠へと突入した。
数々の強国の中で、『ゴルガ王』率いる北の大国グレイブロは、もっとも覇に近い存在であった。
その王子である『グレン・グレイブロ』は次代の王として相応しい活躍をし、父の覇業を支えていた。
だが、大陸公路の要所であるガリュス国へ侵攻した事が破滅の始まりであった・・・

<感想>

Animの代表作でもある虐襲シリーズ。
前作キャラがちょこっと顔を出すという点では、前作を知っていると、にやりとできる場面もあります。
もっとも、直接の続編ではないので、前作までを全く知らなくても何ら問題なくプレイできます。

つまり物語の続きというのではなく、コンセプトを同じにした作品というわけですね。
1つは触手に特化した作品ということであり、もう1つは強くて気高い女騎士を屈服させるということです。
※2点目に関しては2作目は異なるのですが、初代・3作目・本作と、3作品に共通します。
そういうわけで『虐襲4』も、王女で女騎士でもあるメインヒロインを筆頭に、その母や妹など気位の高い王族の女性を、触手で犯し堕としていくのが基本的な流れとなります。

とはいうものの、作品の雰囲気はこれまでと異なっています。
昨今の陵辱規制が影響したのか、それとも同じことを繰り返しても進歩がないと判断したのか、いずれにしても変えてきたということは英断だったと思います。
具体的には、これまでは密室に監禁し、そこで陵辱を加えていくのが基本路線でした。
しかし『虐襲4』では屋内だけでなく、外に繰り出すことになります。

主人公は王子という立場であり、他方でヒロインは敵国の王女兼騎士という立場であることから、戦場であいまみえるライバルという関係にあります。
本作は国家と国家の争いということで、戦記モノとしての一面も有するのですが、面白い戦記モノって必ず宿敵たる良いライバルがいますよね。
むしろ魅力的な敵が出てこないと面白い戦記モノにならないわけで、絶対に負けたくない倒すべき相手がいるからこそ、作品も盛り上がるってものです。
ところで、もし絶対の自信を持っていた主人公が、戦場でこいつには敵わないと思えるほどの猛者に出会ったら、そしてそれが女性であったとしたら、その場では負けても、またいつか会いたい、そして自分のものにしたいと思うのも分かるでしょう。
その辺の一連の流れがとても丁寧に描かれていたわけで、主人公が何故ヒロインにこだわるのかをきっちり示したことは、作品として非常に大きかったと思います。

そして主人公にも、魅力的なヒロインに釣り合うだけの格好良さがあり、それが作品をしまったものにしていたのでしょう。
強い精神力と執念を抱く野性味と共に、トップに立つ者としての冷静な理性も宿しており、ヘタレ主人公が苦手な私にはとても好印象でした。

触手陵辱ゲー、つまり実用系のゲームを始めたはずなのに、気付いたらストーリーの先が気になってしまう、本作はそんな作品なんですね。
陵辱ゲーで陵辱前のストーリーも面白いのは、本当に久しぶりです。

主人公は序盤でヒロインに敗れた後、底辺までおちます。
そこから復讐を決意し這い上がっていく過程、その際に触手を身に宿し触手ゲーたる必要性を示した点、この辺りもぬかりがなかったですね。
序盤の土台がしっかりしていたからこそ、全体を落ち着いて楽しめたのだと思います。

序盤が終わると復讐劇として、敵国の王族女性を陵辱し堕としていくのですが、メインヒロインは平凡な陵辱ゲーのように簡単には堕ちません。
結構ボリュームのある作品であり、その最後の最後まで抵抗しますからね。
堕ちずに抵抗し続ける強いヒロインがツボな人ならば、楽しめる確率は大幅に上昇するでしょう。

もっとも、中々堕ちない女性が堕ちるという快感は最高なものの、それだけだと途中でだれてしまう可能性もあります。
そこでサブヒロインが活きてくるわけですね。
ヒロインの母たる女王(熟女担当)に、妹の王女(ロリ担当)、メインヒロインとは異なる路線の筋肉系の戦士と、異なるタイプのヒロインがおり、彼女らは順番に主人公に攻略されることになります。
中々堕ちないメインヒロインがいる一方で、途中で堕ちて奴隷化するヒロインもいるから、作品内にメリハリも生まれますし、飽きずに楽しめるわけですね。
最近は低価格路線に陵辱モノが多いですが、低価格のボリュームの少ない作品ではこれはできないわけで、フルプライスとしての陵辱系の在り方を、しっかり示した作品だったように思います。

以上のように良い点も多いのですが、、改善点や評価の分かれる点もないわけではありません。
1つ目は上記のキャラですね。
本作はどのヒロインも属性が全く被りませんので、雑食性の何でもいける私は大いに楽しめました。
多様性を求める人ほど、ここはプラスになりえるでしょう。
しかし熟女やロリなどヒロインの年齢は極端に分れますし、熟女が合わないとか筋肉系はちょっとって感じで、守備範囲が狭い人だと楽しめる範囲は狭くなるかもしれません。
まぁ、どのキャラもその属性的には魅力的に描かれているので、これで未開発の属性を開拓するのも良いと思いますけどね。

2つ目は、前作ほどよりマニアックなシチュは減ったということです。
私は特にマニアックなこだわりはないので、その点での不満はありませんでした。
しかし前作にあったマニアックさが好きだった人には、やや物足りなさは残るかもしれません。
もっともこれはあくまで比較の話であり、決してシーン自体がぬるくなったわけではありません。
触手特化ゲーとしての面目は十分に果たしているのであり、あまり免疫のない人がプレイしたら、
やっぱりきついと感じると思います。
きつさはそのままに、個々のシチュがやや万人向けに向いたということですね。
従来からのファンにはかなり濃い方もおられるでしょうが、一般的にはむしろプラスに捉える人の方が多い気もします。

3つ目は、ラストがややあっさりめということです。
前作は普通にプレイしていたら、最後に良い意味でギャリコにもっていかれたって印象でした。
それに比べると本作は、途中までは凄く面白かったものの、ラストのキレは若干足りなかったように思います。
ただ、ここはラストも良ければ、更に加点だったのにというレベルの話ですね。
例えば物語の中には途中はやや意味不明ながらに伏線を張っていき、それを最後に回収するってものもあります。
そういう作品は途中が駄目でも、ラストの仕掛け次第で非常に高く評価されることもあります。
でも逆に、ラストで失敗すれば何も残らなくなります。
本作のような作品は、それとは違うんですよね。
堕ちないヒロインをじわじわと調教していくわけで、その堕ちていく過程や変遷こそが大事なのです。
こういうのはいくら最後が良くてもその過程が雑だと楽しめません。
本作はその過程や変遷部分は秀逸だったのですから、それで十分に満足できるわけです。
というか、ラストだけの作品よりもよっぽど面白いです。
その上で、ラストまで盛り上がったら尚最高だったのにねっていう、言わば贅沢な注文ってことですね。

4つ目は、システム面になります。
細かいシステム周りであるとか、動作のレスポンスであるとか、その辺の快適さがやや物足りなかったんですね。
ここは改善の余地はあると思います。
もっとも、本作にはフローチャートがあり、任意の点に飛んでプレイすることができます。
この機能を駆使すれば並のゲーム以上に楽にプレイできるのであり、全体では決してマイナスにはならないとは思いますけれど。
逆にこの機能を上手く扱えない人には、やや物足りなさが残るかもしれません。

<評価>

総じて、非常に良質かつ、アダルトゲームらしいアダルトゲームでした。
上記の改善点次第では傑作もありえたのでしょうが、それでも十分に名作と言えるでしょう。
陵辱系作品でこのレベルで満足できたのは、本当に久しぶりな気がします。
(下手したら、EXTRAVAGANZA以来か。。。)
触手メインということで決して万人受けはしないのでしょうが、ブランド的にもライター的にも、これは代表作と呼べる作品だと思いますね。

ランク:A(名作)


虐襲4 + EXTRA SCENARIO
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虐襲4

Last Updated on 2024-12-16 by katan

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