ガンダムタクティクス MOBILITY FLEET0079

1996

『GUNDAM TACTICS MOBILITY FLEET0079(ガンダムタクティクス モビリティーフリート ダブルオーセブンティーナイン)』は、1996年にWIN用としてバンダイから発売されました。

地味ながらも堅実で良質なSLGでしたね。

<概要>

私はWIN用を買ったのですが、同時期にPIPIN@.用も発売されていまして。
WIN用は後に再販もされていますが、PIPIN@.用の方はレアでしょうね。
まぁ本体を持っている人自体が少なそうですけれど。

ゲームジャンルはリアルタイム戦術SLGになります。
タイトルにあるようにガンダムの、その中でも一年戦争を題材にしています。

<ゲームデザイン>

一年戦争が題材ということで、プレイヤーはまず連邦かジオンかを選びます。
出てくるMSの関係で、難易度の点からはジオンの方が易しいでしょうか。

プレイヤーは艦長となり、艦隊を指揮します。
ガンダムというとMSに注目が行きがちですが、本作は珍しく艦船を主に据えた作品となっています。

歴史が変わらないので勝敗云々というのではなく、その戦闘の中での自艦の成績が問題となり、結果に応じ任務が変わったりMSが増えていったりします。

ガンダムゲームの中では難易度が高く、それでいて地味でもあるため、純粋にSLGが好きである人向けでもあるかもしれません。

<感想>

上記のように堅実で歯応えのある作りですし、ゲームとしては良質な作品だと思います。
プレイした人は多くないようだけれど、やった人は褒めている人が多いですし。

ただ、それを人に説明するのは難しい作品でもありました。
例えば、ガンダムと言えば絶対に欠かせないのがMSの存在でしょう。
面白いガンダムのゲームがあるよって言っても、多くの場合、まずどんなMSが登場するのかを聞かれますし。

しかし、本作に登場するMSの数は少なく、各軍ともに7種類しか登場しません。
しかもその内訳がさらに厄介でして。
本作における連邦の主力は「ザニー」で、エース機は「ガンダムGダッシュ」です。
他方で、ジオンのエース機は「ビグロマイヤー」でした。
でも、ガンダムやジオングは登場しません。
キャラもアニメの主要キャラは登場しません。
・・・ってガンダムファンの友人にそのまま話したら、何そのパチモンみたいなゲームって笑われてしまいました。

確か、ザニー、ガンダムGダッシュ、ビグロマイヤーは、この作品が初出だったはず。
MSデザインは大河原邦男さんで、どれも格好良いですし、後の作品にも本作の設定は活かされています。
今なら初出となった作品にも触れてみようって気になる人もいると思いますが、出た当初は、やっぱパチモンみたいに思われかねないですよね。
ガンダム好きの中でも、全てのガンダム作品に触れたいってくらいの、熱狂的なマニアなら喜んで食いつくかもしれませんけれど。
私は当時発売されたガンダム関係のゲームの中で、これが最も歯応えがありそうだったから購入したのですが、そういう人も少ないでしょうしね。
普通のガンダムファンが好みそうな要素が少ないだけに、どうしてもマニアックにならざるをえないのでしょう。
ボールが一線で活躍できる貴重なゲームなのですけどね・・・

また、ナレーションは永井一郎さんが担当していますし、グラフィックも3Dのムービーが良かったですね。
特にOPはとても良かったです。

まぁ、今みたらショボイって思われてしまうでしょうが、96年の作品ですから。
ゲーム機で言えば『FF7』の前ですし、SFCで遊んでる人もまだ多かった時期です。
だから本作の3Dムービーには、とても感動したものです。

<評価>

とにかく地味な作品だったので個人的には良作止まりなのですが、私の場合はADVとかRPGが好きで派手さとかも求めてしまうということもあります。
したがって、緻密さを重視する生粋のSLG好きなら、もっと楽しめるのではないでしょうか。
良い作品なだけに、知名度が低いのが勿体無かったですね。

知名度という観点で言えば、本作は96年発売の一般PCゲーなわけです。
多くのシェアを占めていたPC98が実質的にアダルトゲームだらけだったこともあり、一般PCゲーで遊ぼうって人は減っていたんですよね。
そもそも、ファルコムとか光栄とかの特定有力メーカーのファン以外は、ほとんど残っていなかったでしょう。
ましてや本作はWIN用であり、この年にwindowsで一般PCゲーを遊ぶ人口は少なかったわけで。
どれだけ面白くとも、どうしてもマイナーになりがちでした。
ピピン@の方は、もっとマイナーでしょうし。。。
私のように本作を96年にプレイした酔狂者は、本当に少なかったと思います。
本当は、この時期は洋ゲーADVの名作が続々移植された素晴らしい時期だったのですが、最近でこそSteamとかで注目する人が増えたものの、当時はそうではなかったですからね。

そのまま埋もれてしまったら非常に残念だったのですが、その後に簡易パッケージでデジキューブから発売され、全国のコンビニで入手することができるようになりました。
その時にはPCの普及率も上がっていきましたし、本作に関しては再販された方でプレイした人の方が多いのではないでしょうか。
今はなくなったデジキューブ、コンビニでゲームを売る必要性がいまいち分からないままでしたが、このゲームを発掘し再び日の目に当たる場所に置いた点は、大きな功績だったように思います。

ランク:B-(良作)


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Last Updated on 2024-11-20 by katan

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