ヨーロピアンクラブサッカー ウイニングイレブンタクティクス

2004

『ヨーロピアンクラブサッカー ウイニングイレブンタクティクス』(以下EWET)は、2004年にPS2用としてコナミから発売されました。

サッカーSLGはサッカーSLGでも、戦術に特化した作品でした。

<感想>

ゲームジャンルはサッカーSLGですね。
監督となってチームを率いるということで、大雑把に言えばやることは『サカつく』と似ています。

もっとも、本作は単なる2番煎じではなく、サカつくとではコンセプトが明確に違います。
サカつくの場合、選手の育成やチームの経営に主眼が置かれていました。
一方のEWETはその名の通り、戦術(タクティクス)面に主眼が置かれています。
つまり、一見似ているようでも楽しみ方が全然違うということなのです。

サカつくでは、勝敗を決する上で選手の能力がとても大事でした。、
そのため、若くて才能のある選手を如何に育てるかが肝と言えました。
選手を育てられなければ上位チームには勝てない反面、強いメンバーを揃えられれば常勝軍団にもなりえました。

本作では、サカつくの中心であった育成や経営面は簡略化されています。
そのため、同じような物を求めてその方面を期待して買うと、おそらくガッカリするでしょう。

しかしながら、逆に試合中の戦術面の指定なんかは、サカつくよりはるかに細かく指定することができます。
プレイヤーの采配次第では、序盤でも名門クラブに勝てたり出来ます。

他方で、油断すると終盤でも格下に負けることもあります。
つまり勝敗を決するのは選手の能力ではなくて、戦術や采配が大きくものを言うのです。

サカつくでは試合の前が実質的な勝負の場であるのに対し、EWETは試合中こそが勝負の場なのです。

そういうシステムですので、放っておいても負けない常勝軍団は作れません。
誰しもが夢見る最強チームなんてのは、おそらく作れないでしょう。
しかし、逆にこういうシステムであるが故に、長く緊張感を持って、だれることなく毎試合楽しむことができました。

物事の魅力は多面的で、どこに焦点を当てるかでも全然趣が異なってきます。
サカつくと本作の、どっちの理念が優れているかは一概には比べられませんが、明確に違う面白いゲームが出た事実だけはハッキリしているのでしょう。

かように戦術面に特化したEWETですが、他にも魅力があります。
EWETでは、欧州の主要リーグに対応していたのです。
これは非常にポイントが高いですね。
海外のサッカー事情に詳しい人ほど、間違いなくはまれるでしょう。

家庭用ゲーム機のゲームという事でサカつくと比べられることが多いですが、むしろ近いのは、PCの『チャンピオンシップマネージャー』シリーズでしょう。
時期的にはEWETよりCMシリーズの方が先だし、CMシリーズにも魅力は一杯あるのですが、
如何せんCMシリーズは地味すぎたもので・・・
そういうこともあって、後発でも私はEWETの方が楽しめましたね。

難点を挙げるとするならば、1つは初代サカつく程のインパクトはないなっていうことでしょう。
もう1つは、サカつくでは絶対負けない最強軍団を作ろうって目標を持って長く遊べましたが、EWETは戦術ありきで選手は2の次のため、その楽しみがないってことです。

つまり、良い選手を揃えても必ず勝てるわけではないので、そもそも揃えようって気にもならないんですよね。
一通りの戦術を試して、このチームにはこう対処するってのが自分の中で構築できたら、それ以後はプレイの喜びみたいなのはあまりありません。
飽きたら終わりって感じなので、はまってる時は凄くはまるけど、1度熱が冷めたら再度やろうって気が沸き難いんですよ。

まぁ、何十時間も楽しんだ後の話なので、欲張りな問題でもありますけどね。
そこだけが惜しかったなって感じたわけです。

<評価>

PS2の時代になってから、完全オリジナルのSLGでここまではまった作品も珍しいです。
プレイするなり、これは名作だなって思ったものです。
この時期のSLGとしては、とてもオススメな1本だと思いますね。

ランク:A(名作)


Last Updated on 2026-01-20 by katan

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