虜ノ絆 ~奪われた学園に響く処女の喘ぎ~

2020

『虜ノ絆 ~奪われた学園に響く処女の喘ぎ~』は、2020年にWIN用として、Guiltyから発売されました。

シリーズ最高傑作ではないでしょうか。
個人的には満足度の高い作品でした。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
私立聖瑠璃女学園は、今年創立100年を迎え、これまで政界・財界・スポーツ界などに多くの人材を排出してきた伝統校。
約一ヶ月後には記念式典を行うことになっている。
日ノ宮舞果は、聖瑠璃女学園に通う2年生で、学生会長を務めている。
舞果は現学園長・桜小路蓮太郎の実の孫なのだが、そのことは周囲には伏せていて、知っているのはごく一部の人間だけだった。
仲間たちとともに、記念式典に向けて忙しくも充実した日々を送る舞果。
しかしある日、平和だった学園生活に突然の変化が訪れる。
学園長の蓮太郎が急病で倒れたとして、代わりに天堂元弥という男が学園長代理としてやってきた。
怪しいと思って調べると、元弥は蓮太郎に恨みを持っていて、その恨みを晴らす為に学園を乗っ取りにきたようだった。
それを知った舞果は、学園を取り戻すため、仲間に協力を仰ぐ。
その仲間とは、幼馴染みの二階堂梨枝、同じく幼馴染みの衣織紗來、前学生会長の環珠里、学生会顧問の蓬生陽子の4人。
学園内で舞果が学園長の孫だと知っているのは、ここにいるメンバーだけだった。
元弥は蓮太郎に恨みを持っているようなので、もしも舞果がその孫だと知ったら何をしてくるかわからない。
それを知られる前に、学園長代理が正式な任命ではないという証拠を手にい入れ、学園から追い出したい。
そうして舞果たちは秘密裏に証拠集めを開始する。
しかし……ある日、舞果が学園長の娘だとバレてしまう。
そうして、舞果は学園長代理やその仲間たちから執拗な責め苦を受ける事に……。

<感想>

本作は、女性主人公の作品であり、突然学園にやってきた男たちに陵辱されるというのが、基本的な流れになります。

ゼロ年代前半辺りから、エロについては、シチュを重視する作品が主流になっていきました。
凝ったシチュ、マニアックなシチュが増え、もちろん、そういう作品が増えること自体は歓迎するのですが、その一方で、陵辱に至るまでの過程が弱くなり、最低限のストーリーすらないような作品も増えました。
一部の業界人やユーザーが、シナリオゲーや抜きゲーというように、勝手に分類してしまったことも、エロ重視作品のストーリー軽視を促してしまったように思います。
すなわち、抜きゲーはエロさえ濃ければ良く、ストーリーなんていらないという免罪符ができてしまった感じで。
シチュ重視の人からすれば、別にそれで構わないじゃん、なんか問題あるのかと思う人もいるかもしれません。
しかし、人の趣味嗜好は様々なのです。
私なんかは、よく知りもしない人が、どんだけ濃いHをしていたとしても、そこにあまり何も感じません。
身近に感じられる、よくわかっている人が陵辱される姿にこそ、興奮できるのです。
90年代までのアダルトゲームの場合、キャラの描写がしっかりなされていて、そのキャラが陵辱されてしまうこともよくあり、そのため私は、満足できる作品が一杯ありました。
私みたいなユーザーは、ゼロ年代以降の陵辱ゲーは満足できず、次第に離れていくしかないのでしょう。
まぁ私はエロ以外の目的の方が強かったので、今でもエロゲをプレイしていますが、エロだけが目的だったならば、ゼロ年代前半にやめていたでしょう。

また、10年ほど前から陵辱ゲー自体が規制されるようになり、そのため、合意があったことを擬制するかのような、無理やり寝取られや催眠の枠に押し込めたような作品が増え、純粋な陵辱作品がどんどん減っていきました。
したがって、一定水準のストーリーのある純粋な陵辱ゲーは、いつの間にか絶滅危惧種のようになってしまいました。
ある意味最もアダルトゲームらしいジャンルのはずだったのに、どうしてこのような時代になってしまったのか、長年のアダルトゲーマーとしては、とても悲しくなります。

さて、愚痴のような前置きはここまでにして、このシリーズは、その貴重な純粋な陵辱ゲーになります。
本作には、特定の属性にこだわるとか、マニアックなシチュに凝るとか、そういうものはありません。
また、私の好む、最低限のストーリーを描こうとする作品になります。
そのため、ゲーム開始後しばらくの間は、Hシーンが出てきません。
シチュ重視の、抜きゲーにストーリーはいらんと考える人だと、なかなかHシーンが出てこないことに対して、少し苛立ってしまうかもしれませんね。
その辺については、どうしても好みが分かれてしまうと思います。

本作は、開始後しばらくの間、主人公とその周りの関係の描写に時間を割いています。
主人公は間もなく陵辱されてしまいますし、陵辱されていることも親友たちに黙っているのですが、少しずつ、その最初に描かれた平穏だった生活が崩れている様子を、感じ取ることができます。
サブヒロインたちのエピソードとかでも、ED後のその後の変化等も描かれていますし、途中の個々のシーンでも、ちょっとしたところで時間の経過を感じさせてくれることがあります。
漠然とはしているのですが、本作は、そういうちょっとした時間の流れの表現が上手かったのかなと思います。

ストーリーについては、それ単独で絶賛できる内容ではないですが、主人公たちがどういう性格で、どういう環境で過ごし、それがどのように崩されていくのかはしっかり描かれていて、エロ重視作品としては一定水準には達しているといえます。
ゼロ年代以降、その水準に達していない作品が多いだけに、私は十分に満足できました。

最後に、このシリーズは続きものではないので、どの作品からプレイしても問題ないですし、シリーズの基本的なコンセプトは、ずっと変わっていないと思います。
私は、このシリーズのキャラデザも好みでしたので、シリーズ過去作も何本かプレイしています。
しかし、なんかいまいち楽しめなかったわけでして。
ただ単純にテキストが合わなかったのか、それとも違う理由があるのか、その辺りは定かでありません。
期待してプレイするけれど、ガッカリして終わる。
いつもその繰り返しだったように思います。
そんな感じなので、とてもシリーズのファンとは言えないし、全作をプレイしたわけでもありません。
もしかしたら、スルーした未プレイ作品の中に、凄く良い作品があるのかもしれませんが、とりあえず私がプレイした中では、本作が今までで一番面白かったです。
そして上記のとおり、この手の作品は年々貴重になっていますから、相対的にも本作への印象は良くなっていきます。

<評価>

総合でも良作と言えるでしょう。

尖ったものを評価する私の基準からは名作とはなりにくいのですが、この時代に、奇をてらわない純粋な陵辱ゲーで、ここまで楽しめたわけですから、主観的には大満足です。
規制等の逆境に負けず、今後も続けてもらいたいですね。

ランク:B(良作)

Last Updated on 2024-09-09 by katan

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