デイドラス エピソード1:難破船のエイリアン

1995

『デイドラス エピソード1:難破船のエイリアン』は、1995年に3DO及びMAC、WIN用として発売されました。

これ、作るのにお金かかったんでしょうね~

<感想>

ゲームジャンルはインタラクティブムービーになります。
キャラは実写ですし、長時間に及ぶCG動画が主のゲームになります。
動画のボリュームも当時では多い方だったでしょう。
吹き替えも力が入っていますし、内容の是非はともかく力作だなってのは伝わってきます。

主演女優はティア・カレルで、映画「トゥルーライズ」や「ライジングサン」で有名な人だそうです。
そのため、ファンならより楽しめるでしょうね。

ストーリージャンルはSFで、本作はエピソード1となっていますが、おそらく2はありません。
この手のSFゲーの楽しむコツは1つで、バカゲーであるとかB級作品とわりきることです。
というのも、冒頭で行われた戦闘で、主人公は死んでしまうんですね。
でも残った人たちは自分が生還するために、主人公の脳だけを宇宙船のコンピューターとつなげてしまい、主人公は宇宙船と一体にされてしまうわけです。
つまり主人公は箱の中であり、全く動けない存在なのです。

映像主体のゲームに対しては、見ているだけと揶揄されることも多いのですが、このゲームの主人公はまさにその通りなわけで、ある意味プレイヤーとの一体感をとても感じてしまいます。
まぁあまりその境遇に感情移入してしまうと、何だか凹むというか惨めな気持ちになってくるのですけどね・・・

ゲームは宇宙船が衝突したことで、4時間後にコロナに巻き込まれるという状況にあります。
そこで残った乗組員の2人が脱出の手段を求め、探索をすることになります。
もっとも、プレイヤーはコンピューターと一体なので、当然ながら自分の意思で行動することはできません。
ティア・カレルの演じるキャラに、あれやってこれやってと言われて、それに応じてコンピューターを操作することになります。
ムービー系のゲームはやらされる感が強いと文句を言う人がいますが、これは文字通りやらされるゲームなのです。
いや、ここまで開き直ったかのような設定にされると、かえって清々しいものです。
だってやらされてる感をなくすために無駄にあがくから、かえっていろいろ苦しくなるのです。
元々やらされるゲームにそういう不平を言うのはナンセンスですからね。
美女に命ぜられるままに操作していると、これはこれで違った快感に目覚めてくるようでもあり、ぶっちゃけ精神的マゾ向けのゲームなのかもしれません。

さて、先ほどから見ているだけというのを強調しすぎた感もありますが、それはあくまで主人公視点での行動の話であり、クルーの船内探索の過程でパズルや謎解き、迷路なんかも多数登場します。
これはPCのMYST系とかに比べればやや物足りないのですが、ゲーム機のRPGの謎解きとかよりははるかに楽しめますし、やり応えもそれなりにあると思いますね。

<評価>

総合的には、一応日本語で遊べるゲームということも考慮して、良作ってところでしょうか。

グラフィックは素晴らしいし、絶えず動きや変化がある上に、ゲーム性もそれなりにあって結構楽しめるんですよね。
海外のADVをバリバリやっている人にはあえて勧める要素もないのですが、日本語に対応している実写系の作品の中で、ここまで楽しめるのもそう多くはないですし。
他方で、感動路線を求める人とかだと楽しめないし、そうなるとどうしても楽しめる対象は狭くなってしまうのかもしれませんが、無駄にお金をかけたバカゲーの一種として楽しむ分には、結構良い作品だったのではないでしょうか。

ランク:B-(良作)


Last Updated on 2024-10-25 by katan

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