『D’ark(ディー・アーク)』は1992年にPC-98用として、
姫屋ソフトから発売されました。
設定やグラフィックだと凄く良さそうだっただけに、惜しい作品でしたね。
<感想>
姫屋ソフトはシーズウェアも擁していた会社で、シーズウェアはアダルトゲーム専門だったのですが、姫屋ブランドは一般ゲーも作っていました。
本作もその中の1本で、一応胸の露出くらいはあるものの、扱いとしては一般作となっていました。
ゲームジャンルは3D視点のダンジョンRPGになります。
まぁ、ウィザードリィタイプと言った方が早いかもしれませんね。
問題があったのはこのゲーム部分なわけでして。
きわめてシンプルなんですね。
コマンド選択の戦闘はとにかく単純ですし、ダンジョンにはひねりも何もないですし。
80年代半ばのRPGでも、もっと凝っていたでしょうに。
しかも更に悪いことに、ストイックなまでにひたすらこの戦闘を強いられるのです。
例え他に良いところがあったとしても、一番時間を費やす部分が駄目なら作品としても駄目でしょう。
本作は一番時間を費やす戦闘部分が駄目すぎたわけで、どうしてもマイナス印象が強くなってしまいます。
とはいえ、ゲームは戦闘が全てではありません。
他がよければ、また違った印象にもなってきます。
まずは設定ですね。
本作は善悪が戦うという一見ありがちな舞台なのですが、主人公は悪の立場だったりします。
それで裏切りだの後ろから切りつけるだの、非道な行為を平気でするわけですね。
こういう逆の立場という設定は、今ではそう珍しくもなくなりましたが、当時ではまだ珍しかったです。
それで私もプレイしたくなったようなものですし。
ただ、奇抜な設定をしたからそれでOKかというと、そう甘くもいかないわけでして。
基本的に戦闘の比重がかなり高いこともあって、ストーリー自体はわりと薄いです。
その薄さの中で非道な行為をやられても、あまり伝わってこないのです。
例えば、仲間としての描写がしっかり描かれているからこそ、その仲間を裏切った行為に重みが増すわけですよね。
しかし、仲間として信頼する描写が薄いのであれば、そうした重みなんてこちらが感じることはできません。
万事がそんな感じでしたので、見た目には悪いことをしているのでしょうが、思ったほどには楽しめませんでした。
それこそ、アリスのランスのような個性や、アダルトゲーム的な展開があればもっと楽しめたんでしょうけどね。
目の付け所は面白かっただけに、ちょっと残念でした。
あとは、グラフィックは質自体は良かったです。
1枚絵の質だけなら、十分に良作以上のレベルでしょう。
しかし、基本的にシンプルな戦闘画面を眺めているゲームですので、全体を通してグラフィックで楽しめたと言えるかとなると、若干首を傾げざるを得ないかもしれません。
<評価>
総合的には凡作ってところでしょうか。
姫屋はガッカリゲーの典型に言われることも多かったです。
もちろん、中には面白いのもあって、私も好きな作品も多いのですが、本作なんかはガッカリゲーの代表例かもしれません。
設定とCGを見ると無茶苦茶面白そうに見えただけに、ちょっと残念な作品でもありました。
ランク:D(凡作)
Last Updated on 2024-08-27 by katan
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