Canvas ~セピア色のモチーフ~

2000

『Canvas ~セピア色のモチーフ~』は、2000年にWIN用として、カクテルソフトから発売されました。

グラフィックの全体的な雰囲気が良い作品でしたね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
撫子学園に特待生として入学した主人公は、天才的な絵の才能を発揮し、数々のコンクールをモノにしていく。
しかし、自分の才能が次第に学園の売名行為に利用されているのでは、という疑念から、大人に対しての嫌悪感が湧いてくる。
ついには自己嫌悪に陥り、すべてが嫌になって、キャンバスの前に立たない日々が続いた。
そんなある日、学園長から「次のコンクールでそれなりの結果を出さなければ、特待生の資格を剥奪する」と宣言される。
そのときには主人公は気付いていた――
「オレは描かないんじゃない、描けなくなっていたんだ……」。
絵を描く情熱と才能を喪失した主人公。
しかし、彼の周囲の女の子たちとの交流から、彼は変わり始める……。

<感想>

カクテルソフトの作品は、昔は大好きだったので、PC98時代の作品はほとんどプレイしていました。
ただ、本作発売当時の同ブランドの作品は、初心者向けという印象の作品も増えたことから、次第にプレイしない作品も増えてきました。
本作も、パッと見は初心者向けなので、それで当初はスルーしていた作品でした。
まぁ、大分後になって、凄く安くなったし、わりと評判も良いように見えたので、それで何かのついでに買ったと思います。

プレイした感想としては、当時の初心者ユーザーが好みそうな方向性とは微妙にずれていて、むしろベテラン向けな感じなのかなと。
それでいて物語重視派を納得させるだけの説得力はないので、実は結構扱いの難しい作品という印象でした。
主人公の性格に癖があることも考慮すると、万人向けな見た目とは反対に、案外人を選びそうです。

良いところとしては、やはりグラフィックなのでしょう。
原画や周りの枠等、全体の雰囲気がまとまっていて、とても良かったです。
それから、本作は立ち絵に口パクがあるだけでなく、基本的に一枚絵にも口パクがあるため、プレイしていての違和感がありません。
20年近く経った今でも、一枚絵で口パクのない作品も多いだけに、この当時での実現は、非常に高印象です。

エロゲでは、多くの暗黙の了解があります。
その多くは、制作側の手抜きであり、その手抜きに違和感を覚える人は、どうしても楽しめなくなってしまいます。
キャラに音声は付いているのに、口は動かないというのも、ノベルゲーはそういうものだと思い込んでいる人であれば、あまり気にならないかもしれません。
しかし、そういう細かい部分が気になるような人であれば、同時期の他の恋愛ゲーが楽しめなくても、
本作は楽しめるということもあるように思います。

あとは、今はそうでもないかもしれませんが、当時はまだ秋ゲーの絶対数が少なかったので、その点でも他との差別化は図れていたと思いますね。

<評価>

総合ではギリギリ良作としておきます。

凄く面白い作品というほどではないですが、雰囲気の良さや上記の特徴は今でも通用しますので、パッケージを見て何かひかれるものがあるならば、プレイする価値はあるように思いますね。

ランク:B-(良作)




DL版

Last Updated on 2025-01-28 by katan

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