チキチキマシン猛レース ケンケンとブラック魔王のイジワル大作戦

1994

『チキチキマシン猛レース ケンケンとブラック魔王のイジワル大作戦』は、1994年に3DO用として、フューチャー・パイレーツから発売されました。

3DOのローンチタイトルの1つになります。

<概要>

「チキチキマシン猛レース」をゲーム化したものと言っても、まだ通じるのでしょうか。
元々は1968年から放送されたアニメ番組で、日本でも1970年に放送されています。
その後も何度も再放送されていますし、「カートゥーン ネットワーク」でしょっちゅうやっています。
そのため、リアルタイムで見ていた人は少ないにしても、何らかの形で知っている人も多いかもしれません。

「レース」とあるのでレースゲームっぽく思いがちですが、ジャンルとしてはインタラクティブムービーになります。

<購入動機>

1994年の32ビット機の登場時には、PS、SS、PC-FXに3DOと、非常に多くのハードが発売され、まずどのハードを買うかが最大の問題でした。
いや、結局私は全部持っているのですが、それにしたって最初から全部ってわけにはいきませんからね。
私の場合はPSが最初で、その後にお金が貯まり次第、1つずつって感じでしたし。

3DOはローンチで『山村美紗サスペンス 京都蔵馬山荘殺人事件』があり、同年に『西村京太郎トラベルミステリー 悪逆の季節』もあり、欲しいADVが幾つかあったのですが、この2作は定価が12800円もしたので、ちょっと躊躇してしまったのです。
SFCのゲームならば、定価が高くてもかなり割引されていましたが、3DOだと、それもありませんでしたしね。
それで3DOに手を出すのが遅れたのですが、やって良かったと心底思える作品も幾つかありました。

もっとも、究極的には『悪逆の季節』がやりたくて買った機種なので、情報には疎かったです。
それで、店で店員さんに話をふったのですよ。
最近3DO買って楽しんでいるのだけれど、他に良いのないかな~って。
そしたら、思いのほか食いついてきまして。
「3DO、良いですよね~僕も好きですよ、特に『チキチキマシン猛レース』なんて最高ですよね~」と。
盛り上がったのは良かったけれど、『チキチキマシン猛レース』を真っ先にすすめられたのは意外でした。
でも、せっかくだしなということで購入した作品でした。

<感想>

ゲームは単純です。
レースで誰のマシンが勝つかを予想し、後はそれを見るだけ。
ギャンブルゲーとも言えますが、ほとんど当たらないし、予想の的中を楽しむ作品ではなく、レースムービーを見て楽しむ作品でした。
だからインタラクティブムービーになるのでしょう。

ゲームとしては、そもそもこれがゲームなのかというほどのレベルですし、ほとんど期待できないです。
しかし、ムービーは全編3DCG描画で見応えはありましたし、日本語吹き替え声優によるフルボイスであるとか、ファンには嬉しい仕様になっていました。
操作性の悪さなど難点もありましたが、レース風景を何度も見るのは素直に楽しかったですね。

今でこそ3DCGのムービーは珍しくもないですが、本作が発売されたのは94年ですよ。
ちなみに、音声のないFF7が97年であることをふまえると、この時期に音声ありのムービーが存分に楽しめるだけでも凄いと思います。

<評価>

ハードの方向性を占うローンチタイトル。
何でこれをあえてローンチタイトルにしたのか。
そして数あるゲームの中で、店員は何故これを一押ししてきたのか。
いまだに謎な部分はありますが、3DOの良い部分も悪い部分も凝縮した作品ではあったのかなと。

私はそもそも原作に全く思い入れがないので、一応単純なゲームの評価として佳作としておきます。
もっとも、声優陣などはアニメ版と同じですし、何回か見たアニメの雰囲気は上手くゲーム化できていると思いました。
だからファンならもっと楽しめたかもしれないし、はまる人がはまるだけの魅力は兼ね備えた作品でもありましたね。

ランク:C(佳作)


チキチキマシン猛レース

Last Updated on 2024-10-08 by katan

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