『アンク2 ツタンカーメンの謎』は1997年にWIN用として、レイソフトから発売されました。
吉村作治先生が企画・監修したことで話題になった作品でしたね。
<概要>
ゲームジャンルはFMV系ADV(インタラクティブムービー)になります。
吉村作治先生が全面的にかかわったゲームということで想像もつきますが、当然ながらエジプトを題材にしたゲームでした。
簡単に言っちゃうとCGと実写で表現されたエジプトの町を舞台に、物語を進めるというもので、インタラクティブムービーの類になるわけですね。
本作ではCGは360度パノラマ映像で表現されていましたし、このゲームをやっているとちょっとしたエジプト観光をした気分になれます。
<感想>
どのジャンルにも定番ネタというものがあるものですが、インタラクティブムービーとかMYST系とかのゲームには、結構エジプト系のネタが出てきます。
そのままメインに据えてくるゲームも幾つかありましたしね。
もちろん、それぞれに他とは異なる特色をだそうとはしているわけで、中にはゲーム性が優れているのもあれば、美人女優を多数使って見た目に嬉しいものもありました。
そういう観点で本作を見てみますと、アンクシリーズの最大の特徴は、やっぱり本格さになるのだと思います。
吉村先生が深くかかわっているアンクでは、ゲームに登場する遺跡などには細かい説明が入ります。
この当時はCD-ROMにマルチメディアとしての役割も求められていましたが、アンクは単なるゲームに終わるのではなく、エジプトに関するデータベースであるとか、或いはエデュテイメントソフトとしての方向性もにらんでいたのでしょう。
あとは、ゲームに何を求めるのかによるでしょうね。
アンクシリーズは洋物のADVに近い構造であり、そして単純にゲームとしてみればもっと面白い物は幾らでもあります。
でもデータベース的な役割も求め、なおかつそこに大きな価値を見出せるのであれば、他のエジプト関連ゲームよりはるかに有意義な作品となるでしょうからね。
<評価>
個人的にはやっぱりゲームであることを優先してしまいますので、名作と呼ぶには足りないかなと思いました。
でも、本作ならではの役割も見逃せないことから、総合では良作としておきます。
本当は、名作扱いでも良いのかもしれませんけどね、もう一つ言うなら食傷気味だったのですよ。
前述のように、この当時の同系統のADVでは、エジプトネタはあふれかえってましたからね。
90年代前半の中世ヨーロッパ風なRPGとか、ゼロ年代の恋愛ノベルであるとか、私はそういう一つに固まることに抵抗があるものですから。
このアンクにしても短期間に3作も出ているわけで、だったら一つに纏めて完成度を高めろよとか思っちゃいますしね。
ちなみに、シリーズは3作ありますが、一番優れていたのがこの2作目ですかね。
そういうわけで当時はどうしても辛くなりがちだったのですが、最近は少ないので妙に懐かしくもあるわけでして。
中々エジプト旅行には行けませんから、これでも引っ張り出してそういう気分にひたるのも良いかもしれませんね。
なお、PS版には1の移植はなく、PS版の『アンク』と名付けられた作品が、WIN版の2にあたります。
ランク:B(良作)
Last Updated on 2024-12-03 by katan



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