忘れな草

2000

『忘れな草』は2000年にWIN用として、Project-μから発売されました。

ノヴェルシアターと称し、魅せ方・演出にこだわったノベルゲームでした。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
ある日、私のもとに十数年ぶりの同窓会の知らせが届いた。差出人は不明・・・
私の故郷は、廃村寸前のひなびた山村だった。村には小さな分校があり、そこへと通う子供達の数はほんの数えるほどだった。
だが、過疎化が進む中、私の卒業を待たずに分校は廃校となり、村そのものも隣村と合併されることとなったのだが、それと同時に私は両親の仕事の都合で村を離れることになった。
手紙によると、私のかつて住んでいた村近辺で再開発がはじまるらしく、分校も取り壊されるそうだ。
差出人はその思い出の分校で最後の生徒達で同窓会をしたいと言うものだった・・・

<感想>

ストーリーは伝奇をベースにしつつも、鬱とか狂気系が好きな人向けの作品なのでしょう。
出来はわりと普通だと思います。
また、ゲームを進めるに従い新たなストーリーが登場したり、それに伴って新たな謎が出てきたりもする構造になっていまして。
設定が凝っていることもあって、これは一体どうなっているのかと次が気になる作りになっています。
後から新事実が発見されていくタイプのゲームは人気作も多いですし、好きな人も結構いるでしょう。
そのため、そういうのが好きな人ならば、より一層楽しめるのではないでしょうか。

さて、上記のようにストーリーだけでも十分に魅力はあるのでしょうが、本作の一番の特徴は演出面にあるのだと思います。
ブランド自体がノヴェルシアターと銘打っているように、本作はストーリーの魅せ方にこだわっていた作品だったんですね。
画面のスクロールなど絵を用いた演出はもちろんのこと、文字の出し方や消え方にまでこだわっていました。
ストーリーとその魅せ方の両方が特徴ですので、これは刺さる人は刺さるんじゃないでしょうか。
そういう一撃のパンチ力はあったかと思います。

私も、こういう類の作品は基本的に好きなんですけどね。
何と言うか、気になる点も幾つかあるわけでして。
まず、設定は非常に凝っているのですが、テキストに問題でもあるのかいまいち面白さに繋がってこないのです。
決してつまらなくはないのですが、思ったよりは・・・ってタイプですね。

それと、癖のあるキャラデザですね。
何もしない美人と、ライトアップされた普通の人、あなたはどちらが綺麗と感じるでしょうか。
本作は後者にあたるわけで、正直あまりありがたみもない気もしますし、仮にそれも味として捉えても、そのライトアップの方法自体も格別優れているとも思えなかったんですよね。

システム面の不備もありましたし、意気込みは感じるのですが、どこかしら空回りした印象を抱きました。

<評価>

Project-μなりのスタイルは見て取れましたので、総合ではギリギリ良作とは判断しました。
ただ、それ以上に点が伸びないのも上記の理由からです。

まぁ、私個人の感想は別として、こういうブランドはもっと続いてもらいたかった気もするんですけどね。
思ったより、もたなかったのかなと。
立ち絵とかエフェクトを用いた演出であるとか、見せ方にも気を使えよというのはゼロ年代も後半の傾向であって、ゼロ年代の前半まではストーリーに比べ軽視されていましたからね。
むしろ今の方が受け入れられやすいのではないでしょうか。
本作はちょっとだけ時代の流れよりも早かったのかもしれません。
演出は凝っていてもストーリーは普通で、それでいてシステム周りが時代遅れなものだから、どうしても異端な雰囲気になってしまったのでしょう。
もう少しブランドが続いていれば化ける可能性もあったかもと思うと、ちょっと残念な気もしますね。

ランク:B-(良作)


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Last Updated on 2025-01-18 by katan

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