『全ての恋に、花束を。』は、2017年にWIN用として、Cosmillicaから発売されました。
本作は一般向けの百合ゲーであり、同サークル最後の作品になります。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・『――おかえりなさい!
騒がしくて、喧嘩ばかりで、とても温かい我が家へ――』
都落ちして2年ぶりに実家である海沿いの田舎町に戻ってきた『星舟なぎさ』。
明日からのニート生活に思いを馳せ、青空にすら慣れない悪態をつく有様。
そんな少女の灰色の生活に、思いもよらぬ出会いが待っていた。
共に母の不在を慰めあった子犬を名乗る女性『のあ』、専門学校で使っていたマネキンを名乗る女性『アリサ』、数年前に事故で亡くなった少女の幽霊『あやめ』。
彼女たちは全員、何故かなぎさにしか人に見えず、話せず、触れ合えない。
そして、全員が愛する事を恐れ、全員が愛される事を知らず、全員が帰る家――あたたかい「おかえり」の声が待つ家――を持たなかった。
誰も知らない町の、誰も知らない奇跡が、世界の片隅で、いま小さな灯火となり幸せを探し始めた――
<感想>
Cosmillicaの作品については、これまでに何度か扱っています。
テンプレなエロゲと全然方向性が異なるので、キャラゲーやヌキゲーが好きなユーザーに好まれるかは微妙なのですが、しっかりした作りの作品が多いことから、私はとても好きなサークルでした。
特に2015年に発売された『恋と、ギターと、青い空。』と、『亡国のクルティザンヌ』は、プレイする価値が高いと思います。
そんなCosmillicaの最後の作品となったのが、本作になります。
これまでの作品と異なり、本作は一般PCゲーとなります。
また、題材も百合ゲーということもあり、正直なところ、私は最初、あまり惹かれるものがありませんでした。
そのため、プレイするのが少し遅くなった作品でもあります。
上記のとおり、このサークルは、しっかりとした作品を作るところ、本作でもそれは同様で、安心して楽しめます。
ただ、本作は百合ゲーとされてはいますし、確かにキャラの大半は女性キャラではあるものの、あらすじにあるとおり、犬とかマネキンとか幽霊とか、設定がちょっとイレギュラーなんですね。
その辺、純粋な百合を求める人にはどうなのかなとも思いました。
また、本作には、イザベルというマッチョな隣人が登場します。
このイザベル、無茶苦茶キャラがたっていて、濃いです。
良いキャラだとは思うのですが、あまりにインパクトが強くてね、百合ゲーらしさが霞んでしまうのですよ。
百合ゲーを好む人って、雰囲気を大事にする人も多いと思うのですが、その雰囲気をぶち壊しかねないのです。
そのため、作品全体として面白ければ良いと考える人であれば、本作は普通に楽しめると思うのですが、百合ゲーとして百合だけを求める人だと、イザベルの存在が不快な要素になってしまうおそれはあります。
というわけで、しっかりした作りの作品であるにもかかわらず、一般ゲーなのでエロゲ好きにも勧めにくく、上記内容のため百合ゲー好きにも勧めにくいという、ちょっと立ち位置の難しい作品でもあります。
ただ、あらすじからも察せられるかと思うのですが、本作はテーマ性が高く、メッセージ性の強い作品でもあると思います。
小粒でもメッセージ性の強い作品は、刺さる人には刺さります。
本作は、そういう意味では、良い意味で同人らしい作品であり、ストーリー重視のプレイヤーであれば、刺さる可能性が高いかなと思うのです。
<評価>
同サークルの代表作と比べると、展開がやや単調かなということもあり、その分、辛めになってしまいますので、総合ではギリギリ良作とします。
本作に何を求めるかでも印象が大きくかわりそうですが、メッセージ性の強い作品を求めているのであれば、楽しめる確率は高くなると思いますし、プレイする価値のある作品ではないでしょうか。
個人的には、このサークルの作品を未プレイであれば、まずは『恋と、ギターと、青い空。』と『亡国のクルティザンヌ』をプレイして、それらが楽しめたのであれば、本作もプレイしてもらいたいかなと思いますね。
ランク:B-(良作)
Last Updated on 2024-08-20 by katan


