さよなら。

2003

『さよなら。』は2003年にWIN用として、ぱんだはうすから発売されました。

たしかブランド10周年記念で発売された作品でしたね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
終末を迎えた人類。
この世界では、20歳の誕生日を迎えると死が訪れる。
既に20歳から老人までの大人はなく、新しい生命も生まれて来なくなっていた。
国上東児(主人公)は、3月31日生まれの19歳。命の残り火は1年。
そして、残された人類の中で最も若く、そして最後に逝く青年でもあった。
彼は、悲観することなく、奇妙な巡り合せで出会った少女達と充実した日々を過ごしていく。
そうした少女達も20歳の誕生日が訪れ、東児に看取られながら、最後の時を迎える。
……奇跡は起こらない。そして、東児自身も……。

<感想>

ぱんだはうすの10周年記念作品となります。
とはいえ、ぱんだはうす名義での作品は、2001年発売の『青い鳥』からになります。
そのため、人によっては、このブランドって2年前にデビューじゃないの??・・・と、不思議に思ったかもしれません。
しかし、最初はCat’s Proというブランドから1993年に作品を出していたので、そこから数えてということになります。
Cat’s Pro時代から応援し続けたという方は、もうかなりの猛者になっているのではないでしょうか。

私は、Cat’s ProやMelody時代の作品は好きでしたが、ぱんだはうす名義になってからは特にファンでもなかったので、この作品も少し経ってからのプレイとなりました。
10周年がどうのというよりも、原画であるZATOUさんの絵が好きなので、それでプレイしたって感じですね。

ZATOUさんの作品というと、大ヒットした『夜勤病棟』をはじめとして、恋愛ゲーに出てきそうな可愛い絵柄で陵辱ゲーというのが多く、つまりはエロ重視の作品が多かった印象があります。
本作は死生観を扱ったストーリー重視の作品ですので、その点でまず珍しいなと思いました。

グラフィックについては、背景と相まって、独特な雰囲気で良かったと思います。
本作は、ADVとビジュアルノベルの中間のような形式でして。
具体的には、固定のテキスト欄というものがなく、テキストはグラフィック上の、キャラの映っていない場所に表示されます。
そのため、テキストは画面内のいろんなところに表示されます。
こうした構造は、PC98時代のノベルゲーにはいくつかありましたが、本作発売当時は逆に非常に珍しかったと思います。
ありきたりなビジュアルノベル形式にしないあたり、そしてキャラとテキストの双方を活かそうとするあたり、さすがにPC98時代から作り続けていたブランドといえるでしょう。
しかも、演出で、テキストがこちらに拡大して向かってくる等、単なる過去の再発掘にとどまらず、きちんと時代に合わせた演出の進化も見せており、その辺りも好印象でした。

ZATOUさんのキャラが、『夜勤病棟』の頃とは異なり、次第にうける萌え路線から外れていったので、本作が絵だけで売れることは難しかったかもしれません。
しかし、それでも、このグラフィックがあれば、あとはストーリーさえしっかりしていれば、一定の高い評価を得ることもできたでしょう。

問題は、そのストーリー部分でして。
死生観を扱うには軽い感じでありつつ、他方で淡々と進むことから、盛り上がりにも欠ける感じであり、ストーリー目的だと、どうしても、もの足りなく感じてしまいます。
本作は、上記のとおり、10周年記念作品ではあるのですが、満を持して発売とはいかず、発売に際してはバタバタしていたようで、その辺が作品の完成度に直結してしまったのかもしれません。

<評価>

正直なところ、10周年記念作品として期待していた熱烈なファンは、この内容だとガッカリしたのではないでしょうか。
かつては素晴らしい作品も作っていただけに、残念としか言いようがありません。
過去を知る人ほど、厳しい評価になってしまうと思います。

とはいえ、過度な期待をしなければ、グラフィックや演出で見どころもありましたので、個人的には得るものもあったかなということで、ギリギリ佳作としておきます。

ランク:C-(佳作)

Last Updated on 2025-08-29 by katan

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