『エーテルの砂時計 ~ANGEL TIME~』は、2006年にWIN用として、DreamSoftから発売されました。
演出というか、特に立ち絵の動きは素晴らしかったですね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
東京は銀座の裏通りには、レンガや石組みの建物が並び骨董じみた風景に彩られた、この世界と別の世界の境にある‘なくしたものが集う街’があった。
そこにある喫茶店「ANGEL-TIME」のマスター、芹緒カンナ(主人公)は‘天使の奇跡’によって、現世に再生した青年。
再生される前の彼は、法王庁の禁じた知識の封印「愚者の円卓」で造られた‘神への道程’の一人だった。
復活に際し、これまでの生き方とは違った‘普通’を味わいたかった彼は、人として暮らし始める。
しかし前世の失われていない力が呼び寄せるのか、彼の周囲では不可思議な騒動が巻き起こる。
昼は喫茶店のマスター、しかし夜になると、死に逝く者達が残した妄執の結晶体――、亡霊=ファントムを狩るハンターとなって、街中を駆け回っていた。
はたして、彼に安息の日は訪れるのだろうか……。
<感想>
本作をプレイしたのは、実は発売から大分後のことでした。
演出が良いと前評判の高かった某新作のついでに、ふと目に入ったものですから。
そして、いざプレイしてみると、良い意味で予想を裏切られました。
というのも、演出が良いと前評判の高い某新作よりも、本作の方が10年以上前に発売されているのに、私はその某新作よりも本作の方に惹かれたからです。
本作は、ストーリーとしては、伝奇ものになります。
そして、ちょっと風変わりな作りでして。
というのも、男性の主人公ではなく、メインヒロイン視点で語られるシーンが多く、しかも妙にリアルの女性っぽい部分があり、そこに他の設定等も相まって、どこかしら女性向けゲームをやっているような、そんな気分になってくるのです。
もちろん、本作は男性向けとして発売されていますので、中には女性向けが全く合わない人もいるでしょうし、そういう人は本作と、かなり相性が悪いと思います。
その意味では、かなり人を選ぶ作品ではあるのですが、そこが気にならない人であれば、ストーリーに関しては普通には楽しめるように思います。
まぁ、昔ならともかく、この時期には既に、乙女ゲーとかも認知されているわけですから、だったら素直に乙女ゲーで出しとけばとも思えますけどね。
男性向けと女性向けの中間的な作りになったことで、結局どちらの観点からも中途半端になった感がありますし。
キャラデザも、個人的には好みではないのですが、本作に関しては、背景であるとか、そして特に、立ち絵の動きとかが素晴らしかったと思います。
具体的には、本作には目パチ口パクがあるのですが、それだけにとどまるのではなく、首から上が必要に応じて細かく動いたり、肩から上が細かく動いたりするのです。
言葉だけで説明しようとすると、ちょっと難しいのですが、今でいうE-moteとコンセプトは同じであり、E-moteの効果に近いことを本作は成し遂げているのです。
ゼロ年代後半の作品は、立ち絵の動きが多い作品が増えました。
確かに、画面上の動きは賑やかになりました。
しかし、全体の立ち絵パターンを増やし、それらをパタパタ動かすことにより、より人形劇感が増し、不自然さも増してしまったように思います。
実際の人間だって、常に全身を使って会話する人など、まずいませんからね。
立ち絵の動きが増すこと自体は良いことなのでしょうが、正直、多くの作品が方向性を間違っていたと思います。
それに対して本作は、プレイヤーがリアリティを感じられるように、必要な部分を必要な分だけ動かしています。
私は、これで正解なのだと思います。
まぁ、作るの大変だっただろうなとは思いますけどね。
<評価>
総合では良作としておきます。
演出の良い作品という評判があったとしても、いざプレイしてみると、結構手抜きを感じてしまい、ガッカリしてしまうケースも多々あります。
本作は、ストーリーに関しては、人を選ぶ作品なのだろうなとは思います。
不自然な作りもあり、あまり良い出来とは思えませんし。
しかし演出に関しては、地味なところであっても決して手抜きをすることなく、丁寧にしっかり作られているように思うわけでして。
これがレーベル最後の作品になってしまいましたが、この技術を活かして、もう少し作品を作ってもらいたかったですね。
Last Updated on 2026-02-24 by katan


