百色眼鏡 ~Kalos Eidos Skopeo~ epilogue M

2006

『百色眼鏡 ~Kalos Eidos Skopeo~ epilogue M』は、2006年にWIN用として、グロビュールから発売されました。

結局のところ、シリーズ内で一つのエピソードとして発売されたのは、この作品だけでしたね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
帝都の揺籃に影を落とす、連続猟奇殺人。
事件を解決すべく、少女記者・菱田美冬が立ち上がる。
腹部を切り裂かれた無惨な遺体。探偵のうちに出会う、奇妙な人々。
やがて辿り着くのは、異様な「犯人」、そして「真相」。混乱の中、美冬が見出すものとは。

商品紹介・・・
忘れ得ぬ、大正という時代・・・彼女たちが生きた、東京。
貴方は其処に、何を見るだろう。
大正十二年。退廃文化が世を覆う前。
帝都東京市の揺籃に、連続猟奇殺人事件が陰りを落とす。
不可能状況の下で次々と殺されていく女たち。切り裂かれた遺体の無惨。
この黒夢の如き事件に、江都新聞の少女記者、菱田美冬が挑む。
探偵の果てに、彼女は何処に辿り着くのだろうか。

<感想>

「百色眼鏡シリーズ」に関しては以前にも、『百色眼鏡 ~Kalos Eidos Skopeo~ epilogue N』の記事を書いています。
シリーズの大まかな内容や特徴はそちらに書いてありますので、先に読んでもらえると助かります。

本作はシリーズ内における一つのエピソードとして発売されたものであり、当初はこのようなエピソードを複数発売し、全部クリアすることで、ストーリーの全容が分かるようにすることを目指していたようです。
しかしながら、結局纏まったエピソードとして発売されたのは、この作品一作でした。
ファンとしては残念なのですが、この辺が同人ゲーの辛いところですね。

さて、体験版や、その延長たる「epilogue Ν」とは異なり、本作は一応一つのエピソードとして纏まっています。
とは言うものの、ハッキリしたストーリーではないのですけどね。
具体的には、美冬が犯人は主人公であると言い放ち、主人公の義母や関係者にその推理を披露します。
美冬は物証や状況証拠から説明を試みるのですが、話を聞いていた義母は主人公は犯人ではない、単に庇っているだけなのだと言います。
そして、この事件に犯人は必要なの?
それだったら私が犯人かもと述べ、美冬の推理を論破していきます。
美冬の推理は論破されたけれど、じゃあ、そもそも義母の言うことは本当なのか、本当に義母は犯人なのか。
そうした事件の全容はといったところは、結局は分らずじまいであり、このエピソードだけでは分かりません。

ボリューム的にも1時間もかからないような作品ですし、本作は壮大な事件の中の一部分を、切り取って見せたという感じの作品ですね。
読んでいて面白いことは面白かったのだけれど、ストーリーという観点からは、これだけでは何とも言えません。
まぁ、大雑把なイメージとしては、『虚無への供物』系のアンチミステリとして進行し、それでいてエピローグ部分は書いていないみたいな感じでしょうか。

もっとも、「epilogue Ν」の感想でも書いていますが、このシリーズはキネマティックADVと題され、一枚絵とその差分ないしカットインだけで進行するグラフィックこそが、最大の特徴でもありまして。
ある程度まとまった内容で、この演出を堪能できただけでも、個人的には大きな収穫と言えるのでしょう。

<評価>

ゼロ年代のアダルトゲームのグラフィック・演出において、個人的には『ORATORIO』とこのシリーズこそが最大の収穫であり、突出していると思います。
個人的には、その後にminoriとかすたじお緑茶とか、ageとかが続くイメージですかね。

ボリュームが少ないことから、当初は良作としていたのですが、絶対的な特徴があることから、総合でもギリギリ名作とします。

まぁ作品というのは一つの要素だけで成り立つものでもないので、長所もあれば短所もあるんですよね。
総合力の高い作品ではなく、完全に一点突破型の作品ですので、賛否は分かれるかと思いますが、一つでも良いから何か得られるものがあればと思うような人、料理で言えばフルコースでなくて良いから、記憶に残る一品料理が食べたいという人であれば、一見の価値があると思いますね。

ランク:A-(名作)

百色眼鏡 -Kalos Eidos Skopeo- episode M

Last Updated on 2026-02-23 by katan

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