時計仕掛けのレイライン -朝霧に散る花-

2015

『時計仕掛けのレイライン -朝霧に散る花-』は2015年にWIN用として、UNiSONSHIFT:Blossomから発売されました。

三部作の最後を飾る作品でしたね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
夜ごと学園に現われていた『夜の世界』は崩壊し『夜の生徒』たちは消え去った。
20年前に起こった学園での火事が、すべての原因ではないかと考える主人公たちは、『夜の生徒』として消えた仲間と再会するためにも、事件の詳細を調べ始める。
一方、姿を消していた学園長は、『夜の世界』を復活させるために密かに動き出した。
学園にまつわるすべての謎が、いよいよ明らかに。

<感想>

まず本作は、時計仕掛けのレイラインシリーズ三部作の最後の作品になります。
一応前作までのフォローはなされているのだけれど、それは私みたいに時間経って忘れちまったよというような人ための、いわば記憶喚起用みたいなものでして。
したがって、未プレイの人は、できるだけ一作目からプレイしてください。
今なら三本セットもありますので、未プレイの人はそっちの方が良いでしょうね。

さて、本作はおそらく、今年のフルプライス作品におけるシナリオゲーの中では、最上位クラスに位置付けられる作品なんだと思います。
だから気合を入れて書くべきかなと思っていたのだけれど、何か威勢よく振り上げた拳のやり場に困るような、若干ばつの悪いような感覚にもなりまして。
そのため、あっさりと軽く書いて終わりにします。

シリーズの魅力の一つに伏線回収があると思うのですが、仮に伏線回収が凄いとされる他の作品と比較するのであれば、本作は良く出来ている方だと思います。
だから本作の伏線回収は、凄いと言えば凄いとなるのでしょう。

ただまぁ、伏線回収が凄いとされる作品に対し、私個人は褒めるケースもあればそうでないケースもありまして。
本作の場合は、どっちかと言うと後者なのですよ。
伏線回収といっても、そこには貼る行為と回収する行為があり、例えば回収する点に関しては確かに凄く、ここはさすが西ノ宮さんのかかわった作品だなと思えます。

しかし本作の場合は、伏線の貼り方がスマートじゃないんですよね。
ミッシングパーツシリーズで見られたような、細部まで全部計算しつくしたかのような繊細さが、全部終わった今となっては、このシリーズにはなかったのかなと思えます。
前作まではあまり気にならなくて、むしろ褒めていたのだけれど、ここにきて、あれ何か強引だぞって思えてきたわけでして。
よく考えてみれば、本作の企画は西ノ宮さんじゃないですからね。
西ノ宮さんが最初から最後まで全部企画して書いていれば、MPシリーズの再来を期待できたのかもしれませんが、そうでないために、実は~みたいな強引さが出てしまったのかもしれません。

伏線の凄い作品は、自分が若く、それこそ厨二を患っていたような頃はどれも素晴らしく思えたのですが、今思うのは、伏線は決してメインではないんですよね。
あくまでも核となるストーリーがしっかりしていて、その上での伏線でしかないのでしょう。
本作の場合、3本やり終えたことに対する満足感はあるのですが、核となるストーリーに関しては前作ほどの盛り上がりがなく、前作より高く評価する理由が失われたところがありまして。
そこは個人的に、結構大きかったですね。

<評価>

う~ん、駄目だな~書き出すと否定的な方向になってしまう。
まぁ実際、三部作の最後を飾る作品として期待されたもの、ないしライターの過去作との比較という観点からは、どうしても物足りなさを感じてしまうのでしょう。
ゲーム一般に対し三部作という構造自体は否定しませんが、この作品でこの形式で三部作にする必要性も感じられませんでしたしね。

もっとも、偉大な過去作とかと比べさえしなければ、基本的には良い作品なのですよ。
シナリオや演出やシステムなどが、これだけ高い水準で揃っている作品も、探してもそうは見つからないわけでして。
最後までやっていると、キャラへの思い入れもできてきますしね。

作品の傾向的に若いユーザー向けかなと思うので、ベテランユーザーには少し薦めにくいかなという気もしますが、比較的幅広い層が楽しめる作品だと思いますし、こういう大作も年々減っていますので、やり応えを求めるのであれば、試してみて良いと思いますね。

ランク:B-(良作)


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Last Updated on 2024-09-26 by katan

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