『西暦2236年』は2015年にWIN用として、Chloroから発売されました。
OPやキャラも良かったですが、考察型のノベルゲーが好きな人向けの作品と言えるでしょうね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
――西暦2236年4月1日
――99通のメールが届いていた。
――99通まったく内容が同じそのメールの送り主は……彼女だった。
物語は西暦2231年春から始まる。
人々は「テレパシー」という新しいコミュニケーション手段を手にしていた。
主人公のヨツバは新学期の教室にテレパシーしない少女がいることに気がついた。
その次の日も、彼女のゲートは閉じられたままだった。
そんなある日、ヨツバは自宅の庭で一本のプラスドライバーを見つける。
ドライバーから読み取った情報に導かれるように家の近くにあった廃墟、洋館の中に入る。
そこで彼は’あるもの’を見つけた……。
それは人類の否定
それは思出の棄却
わたしをフカンするノベルゲーム『西暦2236年』
<感想>
ある程度遊べるバージョンは2014年の発売なのですが、正式なver1.0が2015年なので、ここでは2015年の発売として扱っておきます。
私の場合、萌えゲーの用意された萌えキャラよりも、ストーリー重視の作品の中で魅力的に描かれるキャラの方が萌えるわけでして。
そんな自分にとっては、本作で印象に残ったのはキャラなのだけれど、多分それは少数派なのであり、おそらく多くの人はストーリーや雰囲気が一番と感じるのでしょう。
雰囲気という点に関しては、まずはOPを見てもらった方が早いと思います。
もし凄くセンスが良いなと感じられれば、おそらくその良い印象のまま最後まで楽しめると思うし、逆に何も感じないのであれば、それまでの作品とも言えますし。
こればっかりは個々人の感性の問題でもあるので一概に何とも言えませんが、私自身はOP曲は凄く好きでしたね。
OPにおける演出方法も凝っていて、センスが良いかと聞かれればイエスと答えるのでしょう。
ただまぁ、確かに描かれた映像のセンスは抜群なのだけれど、問題はその用い方というのかな、古い旧来的なノベルゲーの演出方法の上に乗っかっているだけでもあり、センスの良さは感じられても、そこから新しさを感じることはできなかったのも事実でして。
またあれこれ凝ってはいるものの、有効的な使い方とも思えず、ストーリーと相乗効果を生むような融合をしているかとなると、少し疑問も残ってしまいます。
そのためか、思ったほどには私には魅力が伝わってこなかったなと。
本作は、ストーリー重視型のノベルゲームであり、その中でも考察型の作品になります。
あれこれ考えながら読むのが好きな人ほど、本作を楽しめる可能性は高まるのでしょう。
近年はこういうタイプの作品は減ってしまいましたので、考察型シナリオゲーが好きなら問答無用でやっとけという作品でもあります。
考察型と言ってもいろいろあるので、当然好みもそれぞれなのでしょうが、特にノベルゲーにおけるハッピーエンドとバッドエンドの価値であるとか、構造的な部分を考えるのが好きな人なんかには好まれそうですね。
更にはそこにループゲー的な要素も加味されてくるわけで、ツボのど真ん中に来るという人が出てくるのも十分理解できる内容です。
だからまぁ、これは刺さる人は刺さるだろうな~とは思ったのだけれど、それは現代的ノベルゲーしか知らない場合なのであり、そこから外れた人には特に訴えてくるものがないのかなと。
そのため私にも、全く刺さってこないのです。
それと、本作には一部パロディっぽい部分もありまして。
元ネタから昇華されているので問題ないと思う人もいるでしょうが、個性というか独自性が生命線のような作品であるだけに、この模倣を感じさせる要素が引っかかってしまう人も少なからずいると思います。
それは極上の出汁の中に小さな異物が混入しているようなものであり、異物が気にならない鈍感な人は平気なのだけれど、他方で出汁の繊細さに惚れ込めば惚れ込むほどに、かえってその異物が小さくても気になってしまうおそれがあるのです。
結局いろいろやっているけどさ、これ、有名作のオマージュでしかないよねって、そう思ってしまったら、一気に醒めかねません。
<評価>
上記のように、私には今更という部分もあり、刺さってこない作品なので、ストーリーが特に秀でているとまでは思わないのですが、これはこれで力作とは言えるでしょうし、OPが好きなことなどから、総合では佳作ってところでしょうか。
いずれにしろ誰もが楽しいと感じる類の作品ではなく、一部の人に深く突き刺さるタイプなのだと思います。
具体的には、考察型のノベルゲーが好きで、現代的ノベルゲーの構造に囚われた価値観の持ち主で、でもオマージュがどうとか細かいことを気にしない大雑把な人で、OP映像を見て雰囲気が良いと感じられたならば、ツボのど真ん中に来るだろうなと思うわけでして。
私の場合は、考察ゲーはそこそこ好きで、OPも好きだけど、他が該当せずといったところでしょうか。
いずれにしろ、良い意味でも、悪い意味でも同人らしい作品とはいえるでしょうね。
ランク:C(佳作)
Last Updated on 2024-09-25 by katan


