『黒曜鏡の魔獣』は2006年にWIN用として、雨傘日傘事務所から発売されました。
演出面に秀でた燃えゲーでしたね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
商品紹介は以下の通り。
そこは、陰惨と陵辱が日々繰り返される、ニフルヘイム皇国首都闘技場。
主人公は、その闘技場での試合の為に喚び出された召喚獣。
名は法の獣。恐るべき虚界の獣。
そこで彼を迎えたのは、無礼な召喚師とお気楽メイドエルフ。
そして、小さくて額の広い闘技奴隷の少女。
様々な思惑の絡み合う中、残酷な事実が錯綜する中で、しかし、召喚獣と愛すべきその隣人らとの日々は、今日も優しく過ぎてゆきます。
<感想>
ここのサークルの作品の多くに共通する魅力が、テキストの良さとバトルの熱さなのかなと思います。
まずテキスト・キャラ同士の会話などは、本作でも楽しかったです。
もっとも、次の作品である『紅湖の皇子』(2007)からは音声が付くのですが、本作以前の作品には音声が付きません。
同人ゲーでもエロ重視なら音声が当たり前になっていますが、ストーリー重視の作品には音声のない作品も多く、音声がないからといって必ずしもマイナスの印象は受けません。
ましてや、私は今でも音声のない作品を普通に楽しんでますしね。
ただ、ここのサークルの作品に関しては、後の音声のついた作品の方で凄く楽しめた物がある一方で、音声のない本作は少しプレイ中の満足度が低かったです。
いや、必ずしも音声ということではないんでしょうけどね。
単に文章を読むだけでなく、音声であるとか、グラフィックであるとか、秀逸なサウンドであるとか、何かしらあれば満足度は高まるのでしょう。
本作は音声なしを補えるほどの他の要素が後の作品ほど強くないから、それが味気無さに見えてしまうということなのでしょうね。
グラフィックに関しては、そもそも演出の良い作品と聞いて興味を持ったのだけれど、本作は端的に言えば燃えゲーでありバトルが多数あって、そのシーンでCGが一杯使われていると。
だから日常の会話時などでは特に演出が良いというわけではないんですよね。
また、バトルでの演出に関しては、確かに勢いは感じられたし、同人のこの価格では頑張ったな~と感じるものの、良くも悪くも同人としてはということであり、商業作品の優れたものを凌駕するほどではないわけでして。
それと、本作に限った話ではないですが、あまりノベルゲーでのバトル演出というものに好感を持っていないのもあり、思った程ではないなという印象でした。
<評価>
後の『ヴィザルの日記』なんかでは絶賛するに至るのですが、あちらはテキストが更に洗練され、そこに音声が付くことで日常の会話が格段に楽しくなり、それでいてCGの使い方なども飛躍的に上手くなっているので、全体的にかなり進歩しているわけでして。
だから楽しめたのでしょう。
本作もサークルの持つ魅力の根幹部分は共通しているものの、まだまだ荒削りで物足りなさも感じてしまったというところでしょうか。
燃えゲーというジャンルに興味があまりないので、詳しい変遷は忘れてしまいましたが、2006年頃って、一時の人気から既に下降に入ったところですよね。
この手のジャンルが好きな人がプレイする作品が減ってきた頃だと思いますが、プレイしたいと望む人の受け皿となるだけの力はあると思える一方で、そろそろ飽きてきた人を振り向かせるだけの魅力までは感じられなかったかなと。
特にここがという部分もなかったので、主観的には満足度はあまり高くなかったのですが、価格を考えれば頑張って作ったということでギリギリ良作としておきます。
まぁ今作の長所と言える部分が私と相性が悪いということもあり、それで満足度が伸び悩んだわけですからね。
逆に燃えゲー好きなら十分楽しめる可能性は高いと思いますので、そういう人にならオススメでしょうね。
ランク:B-(良作)

Last Updated on 2026-02-22 by katan


