『そう、あたしたちはこんなにも理不尽な世界に生きているのだらよ』は、2006年にWIN用として、自転車創業から発売されました。
『ロストカラーズ』の次の新作として期待しましたが、とにかくタイトルの長い作品でしたね。
<概要>
ゲームジャンルは詳細は後述しますが、一応ノベル系ADVになります。
商品紹介・・・アドヴァンスドノベル。
多層的立体的に積み重なっていく累積的シナリオを構築するシステム。
物語/爆弾解体(探す方がメイン)。
<感想>
ANOSを用いた、自転車創業の作品の第4弾ですね。
ANOSの紹介は以前にもしていますので、今回はパスします。
このブランドの作品に興味があるのならば、個人的には『ロストカラーズ』を薦めます。
あるいはデビュー作でありANOS第一弾からというならば、『あの、素晴らしい をもう一度』からやった方が良いのでしょう。
それで楽しかったなら本作をやってみても良いのではと思うので、いずれにしろ同ブランドの中でも優先度は低くなるかなと思います。
特に本作は、2008年に発売される「だらよ3」もやるべきとなるので、2作プレイするのは負担も大きいですからね。
その意味でも、優先度は低くなると思います。
さて、自転車創業の作品は画面全体をテキストで覆うので、一見するとビジュアルノベルっぽいわけでして。
ただプレイすると分るのですが、プレイ感覚がノベルではなく、伝統的な考えさせるADVなのですよ。
だから実質的にはADVなのだと、以前の記事ではそう書いたこともあるように思います。
しかしながら、この作品を通してもう一度考えてみることで、また違った印象にもなってきたわけでして。
洋ゲーのADVではP&C式が多いですが、あくまでも中心となるシステムがP&C式というだけであり、その中にノベルゲー的な選択肢による分岐を取り入れた作品も多数あります。
国内の昔のADVにしても、基本はコマンド選択式でありつつも、そこにノベルゲー的な要素を取り入れた作品は幾つもありました。
だからADVにノベルゲー的要素を取り入れる試みは多数あるものの、その逆っていうのが、つまりノベルゲーにADV的要素を取り入れるのは、あまり見かけないように思います。
自転車創業の作品は、実質的にはADVだと紹介しても間違いではないけれど、あらためて考えてみると、やっぱりベースはノベルゲーであり、そこにADV要素を取り入れた比較的珍しいパターンの構造なのでしょう。
固定観念に囚われずにノベルゲーの枠組みを広げた点が、このブランドの凄かったところなんですよね。
だからロスカラの頃までは絶賛もしたのだけれど、本作をプレイして抱いたのは、逆の感想でした。
つまりノベルゲーにADVを加え独自の路線を切り開いたのは良いけれど、今度は制作者自身が、その自ら作り上げた枠の中に囚われてしまったと。
本作はADVではなく、ADV要素の加わったノベルゲーであり、ADVならすぐに済みそうな問題を、長々と引きずってこねくり回しているようで、楽しさよりも面倒臭さとストレスの方が大きかったです。
ADVなら簡単に済むのにと、分かりきっていることをシステム上の制限からやれないわけで、ANOSとノベル+ADVと構造ありきの縛られた構造に必要性を感じられず、この路線の限界を感じてしまいました。
<評価>
価格が上がったわりには増加分の良さも感じられないし、ストーリーも爆弾の解体のための準備ばかりで面白味に欠けつつ、それでいて本作だけでは完結しないし、何より過去作からの構造に縛られたような窮屈さが気になったことから、個人的には凡作とします。
もっとも、ANOSが楽しめれば十分という、ファンが求める要素は備えているとも思えます。
何より最近でこそ洋ゲーのADVの翻訳とか増えているので、ADVにも困らなくなってきているのですが、本作の発売された時期って一番ADVに不足していまして。
自転車創業だけが一人気を吐いていたようでもあり、その点を考慮すれば佳作扱いで構わないのかもしれませんね。
ランク:D(凡作)

Last Updated on 2026-02-22 by katan


コメント