『愛妹恋愛』は2014年にWIN用として、INTERHEARTから発売されました。
一見すると近親ものなのだけれど、それ以上に仕事の描写が面白かった作品でした。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・大学に通う俊一には別の学園に通う二人の妹がいる。
一人暮らしを始めてもいい年頃だが、そこまで不便に感じているわけでもないため皆、実家から通学している。
とはいえ、両親は事故で死んでおり、俊一は妹達の兄でもあり親のような存在でもあった。
そんな二人の妹を可愛く思いつつも、次第に妹に対し性欲が芽生え始めてしまう。
兄妹である以上あまり意識しないように心掛けていたが、発育し始めのふっくらとした胸の膨らみ。
若々しく透明感のある白い肌。
不可抗力とはいえ見てしまった妹の自慰行為―。
二人愛情表現は違えど、‘異性として’意識している二人の妹に対し、‘兄’としてどう行動を取るべきだろう―。
<感想>
これ、刺さる人は凄く刺さると思います。
でも、そんな一番楽しめそうな人がこの作品に辿り着けるかとなると、ちょっと難しいのではないかと。
上記のあらすじやタイトルから分るように、本作は二人の妹がヒロインである近親ものになります。
ライターが嘘屋佐々木酒人さんということもあり、テキストも読みやすいし、キャラも可愛いので、近親ものとしても十分に満足できる内容を有しています。
しかし、本作の一番の面白さって、そこじゃないのですよ。
本作の主人公は大学生なので、その段階で、おっ高校生じゃないのかと目を付ける人はいるかもしれないけれど、それでもまだ所詮は学生だろって思ってしまう人もいるでしょう。
何より、あらすじからして近親ものという側面が強く出ているので、主人公の属性に大した意味を見出せないと思うのです。
しかし一番のポイントは、主人公が雑誌編集のアルバイトをしており、更には風俗ライターの仕事もしているってところにあるのです。
例えば今のエロゲは日常パートがつきものですが、高校を舞台にした学園ものですと、ヒロインや友人らとの会話が中心になります。
近親ものにしても、大半は主人公とヒロインとの会話が中心ですね。
これらの日常パートって、ぶっちゃけストーリーの本筋と関係ないし、あってもなくても構わないものが多く、しかも近年はパロネタ満載の漫才もどきばっかなので、私は何作もやっていると飽きて時間の無駄に感じてしまうのです。
そんな無駄な日常パートはいらんって思ってしまう私ですが、本作ではその日常パートこそが一番楽しかったんですね。
いや、日常パートって表現がそもそもおかしいか。
本作の主人公は風俗ライターのバイトをしているのですが、まだ初心者ですからね。
取材も記事もなかなか上手くいくわけではなく、何度もボツをくらうわけです。
取材して、記事を書いて提出して、ボツをくらって、書き直す。
本作の基本的な流れは、これの繰り返しなのです。
ノリとしては、職業漫画のエロゲ版って感じですね。
年齢制限のない職業漫画だと健全な職業を扱いますが、本作ではエロゲらしく風俗ライターだったというだけにすぎません。
その仕事の関係で、記事のために家で実験したり、妹にも試したりしていたら、そこから恋愛にも発展したみたいな。
だから学園ものみたいな、無意味な掛け合い漫才はないですし、ヒロインとの恋愛だけを扱っている作品ではないのです。
また、その仕事の描写にリアリティを感じられるから、読んでいて非常に面白かったんですね。
ここら辺は、ベテランだけあってライターの上手さが光っていましたね。
主人公は上司にぼろくそに言われながらも成長し、最後にはプロの小説家としてデビューするに至る場合もあるわけですが、仮に近親ものの要素を全くなくして、職業系エロゲとして出していても面白くなったでしょう。
そもそも、近親ものは他所にも一杯ありますし、この職業系という部分だけで構成した方が、オンリーワンな凄い作品ができたんじゃないかとすら思うのですが・・・
まぁでも、売るためには近親ものですよって説明した方が売れるだろうし、本作ならではの個性を盛り込みつつ、売れる要素も入れなきゃとなると、現状ではこういう作りにならざるをえないのかもしれませんね。
<評価>
漫画とかだと、職業漫画って結構ありますし、面白い物も幾つもあります。
アダルトゲームはプレイヤーの大半が大人なのだから、本来はもっと職業系作品が多くても良さそうなものですが、現状は高校を舞台にした学園ものばかりでして。
もし職業ネタを扱った作品をプレイしたいというユーザーがいても、なかなか難しかったりします。
本作はそんな仕事中心の作品がプレイしたいって人はもちろんのこと、もう学園ものは飽きたよって人なども楽しめると思うわけでして。
学園もの以外でシナリオとエロが両立した作品をやりたい場合にも、本作はオススメできると思いますし。
もう少し職業系の色を強めてくれれば名作だったのにと思いつつも、それでも一気に読めて十分に面白かった作品でした。
まぁ後は、どれだけ合いそうな人の目に止まるかでしょうね。
売るために近親ものとしての要素も必要なのだろうけれど、本作の公式やショップの商品紹介を読んでも、なかなか本作の持つ魅力が伝わりにくいでしょうから。
その点だけは、何とももったいないよなと思ってしまいますね。
ランク:B(良作)
Last Updated on 2024-10-16 by katan




コメント