愛姉妹4 悔しくて気持ち良かったなんて言えない

2014

『愛姉妹IV 悔しくて気持ち良かったなんて言えない』は2014年にWIN用として、シルキーズから発売されました。

これは良いセフレゲー。
20年の時を経て、遂に愛姉妹復活といったところでしょうか。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじは、ブサメンで無職となってしまった主人公が、美人女医と専業主夫をやっている旦那との会話を聞くところから始まります。
そこから脅迫材料を見つけ、美人女医の藤村江利子や、その娘である愛美と清美の姉妹たちにも次々と手を出すことになります。
一見すると陵辱ものっぽく見えそうだけれど、一言で表現するならセフレゲーとなるのでしょうね。

<グラフィック>

市川小紗集大成と位置付けられた本作。
やっぱり最大の特徴は、市川小紗さんの絵になるのでしょう。

原画に関しては好みの問題もあるのだけれど、萌え系の絵が多い現状にあっては、等身の高い美人であるとか、大人の魅力を醸し出す熟女は貴重でして。
そのため、デビュー時より近年の方が、市川小紗さんの描くキャラの価値は高まっているように思います。
希少なうえに好みということで、それだけでも毎回満足なのだけれど、今作は直近5年の中でも一番良い感じかなと。

また、フルプライスでCGも多いので、客観的な面でも満足。
ただ、CG枠自体は292もあるけれど、通常なら差分の範囲に含まれそうな、ちょっとした違いまで別枠になっているわけでして。
そのため、正確な枚数は、もっと少なくなります。
同じような絵が多いので、人によっては既視感が強くなってしまうかもしれません。
差分の多さも含めた総枚数を重視する人なら全く問題ないでしょうが、私のような差分抜きの枚数で普段考える人だと、少し気になってしまうでしょうね。

<感想>

恋愛ゲーにおいて恋愛に発展するには、まず出会いやきっかけが必要となります。
お約束なものだと、パンを口にくわえた女子高生と曲がり角でぶつかるとか。
何かしらのきっかけがあって、そこから恋愛に発展するのだけれど、そのきっかけが本作ではレイプだったという様な作品ですね。

最初はレイプや脅迫から始まる関係が、次第にセフレ関係になり、キャラによっては恋愛関係になると。
振り返ってみると、初代『愛姉妹』自体、そういう傾向がありましたからね。
コテコテの陵辱ものよりは愛姉妹シリーズらしいと言えるので、シリーズファンなら納得でしょうが、もし、シリーズ未経験で陵辱ものを期待している人がいるならば、この点は事前に認識しておく必要があるでしょう。

脅して無理やりという側面はすぐになくなるし、恋愛に発展するにしても終盤だしということで、ゲームの大半はセフレとかそういうHだけの関係が続きます。
そのため、本作を一言で表すと、セフレゲーとなるのです。

このゲーム、かなり絶妙なラインを潜り抜けています。
レイプされた女性が簡単に現状を受け入れ喜んでセフレになるのは、場合によってはご都合主義ではないかとか、ビッチヒロインだとか、プレイヤーに叩かれる要素があちこちにありますからね。
つまり、地雷が四方八方に撒き散らしてある作品なのだけれど、その地雷を見事に潜り抜けたような作品なのです。

潜り抜けることが出来た理由は何なのか。
それは、キャラの持つ魅力・性格なのでしょう。

人妻である江利子は主人公から脅され、あるいはその状況から脱した後も主人公とHをすることがあります。
でも、心は決して変わらないんですね。
最後まで旦那を愛し続けており、それが江利子という存在を確固たるものにしているのです。

愛美や清美も、まずキャラが立っています。
愛美のようなレイプされても割り切ってしまう、サバサバしたキャラはアダルトゲームでは珍しいのでしょう。
まぁ平手でなくグーパンチで振り抜いてくるキャラなので、暴力キャラが苦手な人は戸惑うかもしれないけれど、こういうキャラは珍しいので新鮮に感じられるのです。
それでいて、誰とでもHするわけではない点につき、愛美自身の確固たる価値観が存在しているものだから、愛美をビッチと感じることはないのです。

他のヒロインにしても、それぞれが自分なりの価値観を有していて、それがこっちにきちんと伝わってくるから、読んでいて不自然さを感じずに楽しめるのです。
主人公にしても、自分で脅迫しておきながら、途中から説教し始めてしまうような、妙な人の好さがありますし。
ちょっとズレたキャラたちなんだけど、行動方針・基準がしっかりしてぶれないから、読んでいて納得できてしまうのでしょう。

まぁ面倒臭い理屈抜きにしても、個性の強いキャラたちの会話は楽しかったし、キャラにエロゲっぽさがないので新鮮さも感じられたし、そのキャラたちの織りなす不思議な人間関係は見ていて楽しかったです。
シナリオ重視ゲーと言われるような作品でも、最近は読んでいて眠くなる作品も多いですからね。
ニヤリと笑いながら最後まで楽しめただけでも、十分に満足ですよ。

ただ、個々のテキストやキャラには大満足であるものの、少しストーリーの構成という部分では物足りなさも残った感じですかね。
人妻へのレイプから始まったはずなのに、個別ルートに入ると人妻分が極端に薄くなります。
愛姉妹だから姉妹中心なのは分るとしても、他のヒロインを追加する余裕があるのなら、その分を人妻分に割いても良かったのでは。
藤村家の人々だけに題材を絞って掘り下げた方が良かったのではと、個人的には思ってしまいます。
どうもその辺で、ゲーム前半と後半のチグハグさが気になってしまいました。
まぁ、そう思ってしまうのも、江利子が魅力的すぎて、もっと見ていたかっただけなのかもしれません。

<評価>

エロゲの歴史やノウハウが蓄積されていくと、特定のパターンに偏ってしまうという弊害も出てきます。
いわゆるテンプレとかマンネリといわれる現象ですね。
エロゲのプレイ歴が長いほど、新鮮に感じる機会は減っていくのでしょう。
その点、キャラレベルで新鮮さを感じさせた本作は見事でしたね。
しかも単に新鮮というだけではなく、それぞれが自身の価値観を有して芯が通っているから、読んでいて違和感も生じないと。
そのキャラたちの人間関係が構築されていく様子は読んでいて楽しく、キャラ・テキストに関しては満点とも言える出来でしょう。

当初は本作を良作と考えていましたが、市川小紗さんの集大成は伊達ではなく、キャラ・テキストに原画の魅力を併せて、総合でも名作とします。

初代『愛姉妹』は歴史的名作でしたが、そのリメイク版は黒歴史扱いされていますし、続編も満足いく内容の作品が全然なかったですからね。
そう考えると、今になって、素直に面白いと言える後継作が登場したことは、それだけで非常に喜ばしいことと言えるのではないでしょうか。

ランク:A-(名作)


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Last Updated on 2024-10-15 by katan

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