MinDead Blood ~支配者の為の狂死曲~

2004

『MinDeaD BlooD ~支配者の為の狂死曲~』は、2004年にWIN用としてブラックサイクから発売されました。

エログロ系作品の中でも別格で優れていた、ブサイクの最高傑作でしたね。

<概要>

ゲームジャンルは広い意味ではノベル系ADVになるのでしょうが、後述するように、陣取りADVといった内容の作品でした。

あらすじ・・・
本土西端の海上に建設された人工都市『千砂倉』――。
それはバブル絶頂期に計画され、そして頓挫した一大アミューズメントパークを利用し、
高級リゾート地として整備した街である。
街の中央部には、『佐伯邸』と呼ばれる洋館が建っており、七瀬しずるはその地下で目を覚ました。
まどろんだ意識の中、ふと気付けば自分に寄り添う二人の美少女、麻由と麻奈――。
しどけなく裸体をさらした彼女達に、しずるは血を吸われ、そして肉の快楽を与えられた。
自分は誰なのか……。何故、こんなところにいるのか……。
いくつもの疑問は、溶け込むように魅惑的な血の香りと、快楽的な衝動によって打ち砕かれた。
過去の記憶など思い出したところで意味はない。
『せっかく吸血鬼になったんだ。それなら吸血鬼の愉しみ方ってもんを、味わわせてもらうまでだぜ』
不死身の肉体を手に入れたしずるは、そう言ってほくそ笑んだ。
時を同じくして、一人の少女が千砂倉の街に足を踏み入れた。
栗色の髪と、血のように赤い眼。
まだ幼ささえ残る容貌とは不似合いな、憎悪と殺意に満ちた声がこぼれる。
『吸血鬼は――全て排除する――!』
見えない糸で繋がれた、『奪われた者』と『与えられた者』。
やがて二人は出会い、物語の幕が開く。それは敵としてか、それとも――
あたかもその結末を知っているかのように、一本の桜の樹がざわっと風に揺れ、血のように赤い花びらを散らした……。

<感想>

私はラノベもよく読みます。
そのため、2000年以降のノベルゲー全盛期になっても、たくさんのノベルゲーをやってきましたし、楽しんできました。

当時の、といっても今もそうですが、アダルトゲーマーの主流層の中では、ノベルゲームのような読むだけのゲームが非常に好まれました。
そこではストーリーさえよければ、あるいはキャラさえよければ、他の要素が低くとも高く評価されがちです。

確かに、ノベルの生命線がストーリーなのは間違いないでしょう。
でも、時々思うのです。
本当にそれで良いのかなって。

アダルトゲームのADVの中でも、ゲームとして楽しめるのはめっきり減りました。
いや何も、無理に他ジャンルを付け加えろっていうのではありません。
恋愛ゲームにハードなシューティングを入れたって意味ないでしょうし。

何が言いたいかっていうと、ゲーム作りにおいて一番の肝は、トータル的なゲームデザインのはずってことなのです。
シナリオ重視だからって何も読ませることだけに終始する必要はなく、もっと何かしらの工夫はできるはずです。
最近のゲームは簡単にノベルのフォーマットに押し込めてしまい、そうしたゲームデザイン部分がおざなりになっていると思います。

また、仮にどこかが良かったとしても、他の要素が普通なのばかりでしたしね。
1点集中型な作品ばかりの状況は、少しさびしかったです。

そんな中でブラックサイクから発売された、『MinDead Blood』。
本作は、作品の全ての要素に気合が入った作品でした。

アダルトゲームで全ての要素が優れ、しかもその各要素がバラバラではなく、上手く一つの作品として結実している傑作ADV。
振り返ってみると、98年の『臭作』以来となる気がしますね。
そこまで遡らなければならないほど、本作は高レベルに纏まった作品でした。

ゲームシステムは、一言で言うと陣取りADVになるのでしょうか。
移動場所を指定して、そこで自分の勢力が強まるとイベントが進行します。
抜群に面白いってわけではないけれど、進行度が見える形で表現されるわけですから、単に読むだけでなくプレイヤーを飽きさせずにプレイさせてくれます。
まぁ、攻略みないと自力コンプが無理なくらいに難易度が高いのは、ヌルゲーに慣れたユーザーだと、少しばかり難点と言えるかもしれませんけどね。

そして、ブサイクといえば、今やエログロの代表格。
グラフィックのエログロさは、このブランドの最大の特徴でしょうね。
そうした一枚絵のインパクトもさることながら、本作では演出面でも頑張っていました。
例えば、『Fate』とかで認知度が広まった一枚絵の拡大縮小による演出ですね。
そのような演出も使用されており、バトルシーンなどで堪能させてもらいました。

サウンドはデンカレで、OP曲もED曲も秀逸でしたね。
私は特に、EDの『サクラチル』が凄く好きで、何度も聞いたものです。

ストーリーは、いわゆる吸血鬼ものになります。
吸血鬼ものとだけ言うと特に珍しくもないのですが、大抵はエロ薄で恋愛を絡めた伝奇ものですからね。
MDBのように凌辱系のエログロな吸血鬼ものは意外とないですよね。
そう考えると、決してありふれた作品とは言えないでしょう。
しかもテキストもエロいし、しっかり描けています。
今や陵辱ものでしっかりした文章を書ける人は少ないので、更に貴重かもしれません。

<評価>

ストーリー、グラフィック、サウンド、ゲーム性、ボリューム・・・
全ての要素が高水準でした。
しかもそれらが上手く融合・調和しているし。
本当に久しぶりですね、ここまで揃った作品は。
文句なしに名作といえるでしょう。

濃いエログロと凌辱要素があるので、決して今の主流層向けの作品ではないのかもしれません。
でもこういうのこそ、アダルトゲームの本来あるべき姿ではないかと、個人的には思います。

なお、DVD版にはオマケの冊子もついていて、攻略チャートもついてきます。
これなら挫折することなく、安心してクリアできるでしょう。

ランク:AA(傑作)


MinDeaD BlooD

Last Updated on 2026-02-01 by katan

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