『ファイナルファンタジー9』は2000年にPS用として、スクウェアから発売されました。
PS最後のFFになります。
この頃の発売間隔の短さは驚きでしたね。
<感想>
とにかく雰囲気の良い作品でしたね。
ディズニーライクな世界観といい、箱庭っぽい雰囲気といい、いかにも万人向けしそうな安心して楽しめる雰囲気が漂っていました。
更に加えるならば、空というか空間の使い方が非常に上手かったです。
この空気感みたいなのがまた、ゲームに対する親しみを増していたかと思います。
前作・前々作は伏線を張り巡らした複雑なストーリーでした。
私個人の好みとしてはその方が嬉しいのだけれど、あまり複雑だと子供や逆に忙しい社会人にはどうなのかなって思います。
数百万人にも及ぶ多くの人がプレイするRPGとしては、単純な構造だけど感動させてくれる作品の方が向いている気がします。
まぁ、いわゆる万人向けってやつですか。
その点本作は、前作・前々作とうって変わって、シンプルな構造のストーリーになりました。
FFは数百万の人がプレイしますからね、それを考えればこれは全体としては正解だったのかなと思います。
シンプルだけど随所で感動できるように良く作られているので、実際に本作のストーリーを褒める人も多いですしね。
本作は誰もが楽しめる、そんな作品になっていたと言えるでしょう。
ストーリーの構造だけでなく、システム面でも前作・前々作とうってかわってシンプルでしたからね、普段ゲームをしない人やRPG初心者に勧めるにも調度良い作品でした。
私の周りでもFFは複雑すぎて覚えることが多いから嫌って人も、たまにですが見かけることがあります。
そう考えると新規層の開拓の点では原点回帰が上手くいったかと思います。
また、FFと言えば優れたグラフィックやサウンドの存在が欠かせません。
前作では技術的に進歩しましたが、本作は前作で培われた技術を上手く使いこなしたって感じでした。
主題歌も凄く良い曲でしたね。
私は本作の主題化が大好きで何度も聞いたものです。
全体的にとても優しく丁寧な雰囲気を与えてくれる、本作はそんな作品だったかと思いますね。
ただ、個々の要素や個々のプレイヤーの観点からは、それなりに問題や弊害もあったかと思います。
1つ目はストーリー。
これは好みの問題も大きいところでして、シンプルな構造の方が良いって人には本作は良かったでしょう。
また、一般的にもRPGの物語の構造としては、こういう形式の方が向いているとも思います。
しかしその反面、伏線とかが張り巡らされた複雑な構造を好む人、つまりは前作や前々作を好む人には物足りなかったのではないでしょうか。
特に前作のストーリーが一体のものとして全てが繋がっていたのに対し、本作は昔のFFのようにブツ切れイベントのオンパレードでしたからね。
FFとしてはこれで良かったかもしれませんが、ストーリーとしての完成度も下がってしまいましたし、個人的にも好みとは異なる方向性に戻ってしまった感じでしたね。
2つ目はグラフィック。
前作がリアル路線だったのに対し、本作は頭身が下がりました。
これまた好みの問題で、これはこれでありかと思いますが、表面上は技術面で退化したような印象を与えてしまったのはマイナスでした。
その結果、とても地味に映ったので、周りでもそれで興味を持てなかった人もいましたからね。
プレイすれば進化しているのも分かるのですが、一般層を取り込む観点からはマイナスに作用してしまったのかもしれません。
また、FFといえば召喚獣のエフェクトも楽しみの1つですが、今回は簡略化されていて前作ほどのインパクトがなかったですね。
たとえ見せかけであっても、おぉ~何かすげぇ~って思わせるハッタリも、時には大事だと思います。
そしてそれは、これまでのFFの大きな魅力の要因にもなっていました。
本作に一番欠けていたのはその点であり、原点回帰と言われたわりには、あまりFFらしさを感じられませんでした。
3つ目はシステムです。
PS以降の作品では一番単純ですよね。
しかもすぐにダメージが9999になって奥行きもないし、何故か過去2作よりロードが長くなっていました。
初心者には難しすぎなくて良かったかもですが、FFに新しいシステムを求める人や、RPGを一杯やってきた人には間違いなく物足りなかったでしょう。
全体的に、本作は良くも悪くも「空気」なんですよね。
全ての面で致命的な欠点もないけれど、強烈な印象を与える何かもあまりないんです。
一杯RPGをやっている人ほど印象が薄く感じられてしまう、比較的記憶に残らないFFだったかと思います。
<評価>
もちろん、これまで書いたように長所もありますし、 特にEDは秀逸でした。
全体的には他のRPGよりも優れているとは思いますから、総合では名作だと思います。
ただ、直近の5~8までに比べると、どうしてもインパクトが弱く感じてしまいましたね。
他人にはオススメしやすいけれど、私の基準では評価が伸びにくいタイプのゲームでした。
ランク:A-(名作)
Last Updated on 2025-01-21 by katan



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