『FOLKLORE JAM』は2003年にWINY用として、ハーミットから発売されました。
丸戸作品の中では、この作品が一番好きでしたね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
概要・・・
オカルト研究会なるものに強制入会させられた主人公。
個性的メンバーの揃う「オカ研」での新しい学園生活が始まるのだった…。
『日常』『検索』『探検』の3つから構成される各パート。
都市伝説などの情報を収集し、オカ研部員を引き連れて調査へ向かう!
ミステリースポットや、心霊現象の噂話などの、いわゆる「都市伝説」を調べていく学生たちが引き起こすコメディドラマ。
限られた期限の中で、主人公は研究会の活動を成功させながら、3人の女の子達と親密になっていく。
ゲーム中は、各話完結の連続ドラマ仕立てで進行。さらに一話が『ADVパート(日常)』『SEARCHパート(探索)』『EXPLOREパート(探検)』の3種のパートで構成されている。
<感想>
ネットが普及することで他人の意見が得られやすくなったのですが、ネット上で高く評価されるライターが売上と一致しないことがしばしばあります。
ネットの意見なんて1人でも狂信者がいれば目だってしまうので、数は少ないけど声だけは大きいってことなのでしょうか。
そういうネット上では人気なのにあまり売れないライターの一人として、丸戸史明さんが挙げられると思います。
丸戸作品については、個人的には特別凄いと思ったことはないのですが、ギャグとか日常パートの描写自体は、私には合うわけでして。
そのため、どこが優れているのかとか聞かれても、どこが凄いとはいえないのだけれど、堅い理屈を抜きにすれば、とにかく単純に読んでいて楽しいのです。
だから良い暇つぶしにはなるのですよ。
ただね、2点ほど引っかかることがあるのです。
1つ目は、竜頭蛇尾というか、どの作品も終盤が弱いことです。
作品全部とは言いませんが、ご都合主義が多めだったりもします。
そのために、楽しくはあってもあまり高く評価できなかったりもします。
2つ目は、あくまでも私の主観的な問題ではありますが、どれをやっても同じように感じてしまうこと。
ゲームの中には、粗だらけで名作とは言えないけど、強烈な個性があるがために次の作品をプレイしてみたくなる作品があります。
しかし、当然、その反対もあるわけでして。
十分楽しめたからこれは名作だなって思っても、可能性を見出せなくて次の作品は別にいいやって思ってしまう作品ですね。
私にとっての丸戸作品って、どちらかというと後者に該当するんですよ。
やってるゲーム自体は凄く楽しいのだけれど、作者の深さとか凄さがまるで感じられない。
だから別の作品をあえてやってみたいとか思わないんですよね。
まぁテキストが合うのは分かっているので、絵とか他の要素で惹かれるものがあれば購入って感じなんですよね。
そんな丸戸作品の中で一番良かったのは何かと聞かれた場合、迷うことなく私はこの『FOLKLORE JAM』を選びます。
本作は一部変則的ではありますが、基本的にはオーソドックスなノベルタイプのADVと考えて良いかと思います。
本作には、不条理系オカルティックADVって名づけられてたはずですが、ストーリー的にはまさにそんなところでしょうか。
オカルトを題材としつつも、何でもありな感じでもありましたね。
ラストのオチが弱かったのは残念でしたが、途中までは非常に楽しめました。
丸戸さんは1本のストーリーを構成するという面では上手いと思えませんが、楽しませるテキストって面では非常に上手い方ですね。
どの作品をやっても水準以上を確実にキープしていて、安心して楽しめます。
まぁストーリー自体は他作品と大差ないのかもしれませんが、個人的に本作が一番良かったと思うのは他の部分が良かったからで、その理由は大きく2点あります。
1つ目は、主題歌というかOPですね。
主題歌の「チェリーレッドのピストル」自体も良く出来ていて、何度も繰り返して聞きました。
またそれ以上に、OPの映像との組み合わせが秀逸だったんですよね。
おかげで開始時からすんなりと集中できましたし、個人的にはこれだけでもかなりポイントが高いです。
もう1つは、原画が厘京太朗さんだということ。
ぶっちゃけね、他の作品は皆似たような絵柄で個性を感じないのです。
萌え絵は好きだったけど、そればっかりでは個性も魅力も感じないのです。
その点、厘さんの描くキャラは、他の原画家とは異なる魅力がありますからね。
最近はこういう頭身の高いキャラデザもめっきり減りましたから、余計にも貴重に感じてしまうのです。
ストーリーやシステム等で大差がないのであれば、後は絵や音やキャラで選んだってとこでしょうか。
<評価>
ストーリー自体は良作相当の作品だと思いますが、そこにグラフィックやサウンドの魅力が加わり、総合でも名作といえるでしょう。
まぁ特別なことをするライターでないだけに、最後は好みなんでしょうね。
私の場合は丸戸作品のシリアス系は全然合わないわけでして。
それはハーレム系コメディの日常描写が得意なライターにシリアスを描かれても、全然リアリティを感じられないからなんですね。
それと、シリアスにしようとすると持ち味のテンポも損なわれる上に、お子様でも対象にしたかのような無駄にくどい描写が増えますし。
描写が増えれば増えるほど、評価はだだ下がりです。
でも明るい日常シーンが好きなのも確かなので、本作は嫌な部分より好きな部分の方が大幅に勝った作品だったから、かなり楽しめたということなのでしょう。
今後もシリアス系をプレイすればまず楽しめないのでしょうが、本作みたいな明るいノリで絵と音に特徴があれば、かなり楽しめるように思いますね。
ランク:A-(名作)
Last Updated on 2025-06-22 by katan




コメント
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このゲームは、別の意味で印象に残った作品でしたね(笑)
ゲームとしては、仰るとおりOP曲が良いできで、後半が弱い(駆け足なあっさりテイスト)事と、後妙に制作側の内輪ネタが出てくる部分が、賛否両論だった気がします。
そして、この内輪ネタ部分が笑ってしまいました。
ゲーム内の内輪ネタでは、仕事を依頼して前金も払ったのに納品されないと外注叩きをやってたんですが、私がプレイしているまさにその時、その時活動していた同人サークルのメンバーが某エロゲー会社に依頼されて納品したCGの料金が、支払期限を過ぎていつまで経っても振り込まれないと愚痴ってたんですよね(笑)
六畳一間の私の部屋で、僅かな時間で同じ世界なのに真逆の話が同時に出て大笑いした記憶が残っています。
ちなみに料金は、相談を受けたサークルメンバーの一人の案で、払わなかったら最近出来たDLサイトに全部乗っけて売っちまうぞ、って脅したら振り込まれました(爆)
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なるほど~
私はゲーム内の内輪ネタはもう覚えていないのですが、
そういう特殊な経験が重なると、
やっぱり印象深くなりますよね。