『ジルオール』(Zill O’ll)』は1999年にPS用として、コーエーから発売されました。
自由度重視の硬派な作品でしたね。
<感想>
PCでは自由度重視のRPGはそれなりにあるのですが、家庭用ゲーム機のRPGだけだと、かなり限られてしまいます。
特に90年代以降は、ストーリー重視の傾向が強まりましたしね。
しかし、当然ながら自由度重視のRPGがやりたい人も多いでしょう。
だったらPCでやれば良いじゃんって思いがちですが、この頃のPCのRPGは洋ゲーばかりになってましたからね。
洋ゲーが合わない人には、家庭用ゲーム機の国産RPGというのが大事になってきます。
そして国産の自由度重視の代表例がサガシリーズなのでしょうが、他にはないのかと聞かれた場合、PSを代表する作品としては真っ先にジルオールが思い浮かびます。
PSのRPGで自由度重視のゲームはあまりないですから、本当に貴重な存在でした。
かように、ジルオールは自由度重視の作品であることから、序盤はギルド中心なのですが、終盤では物語が動いていきます。
国産物のありがたいところは、ここら辺なんですよね。
自由度重視の作品では全体のストーリーが酷いのも多いですが、本作ではきちんとしたものが用意されていますから。
もちろん、プレイの仕方によってもEDが異なってくるので(全24種)、ストーリーがあるからといって、これまでの自由度が無駄になることもありません。
PSのサガシリーズは大好きなのですが、壮大なストーリーという点ではやや弱かったですからね、
自由度を楽しみつつもストーリーも楽しめる作品として、PS時代では頭一つ抜けた存在だったでしょうね。
キャラデザは末弥純さんで、個人的には非常に嬉しかったです。
当時クリスタニアシリーズとかも読んでいましたが、中世ファンタジー物の絵ではこの人の絵が一番好きでしたからね。
ジルオールでも世界観にとてもあっていて、非常に良かったと思います。
ただ、個人的には良かったのですが、知らない人が見たら地味に映るかもしれませんね。
アニメ的なキャラではないので、流行物のRPGが好きだった人には手を出しにくかったのかなと思ったり。
これは単に好みの問題だけに止まらず案外大きなものでして、
グラフィック全般も地味だし、自由度重視のためにゲーム進行全般も地味。
とにかくどこを見ても地味なんですよね。
そこにきてのロード時間の長さです。
本作の1番の欠点は、長いロード時間によるテンポの悪さにあったと思います。
鈍いもっさりした動作に地味な展開が相まって、プレイに熱中しようという意欲が沸きにくかったんです。
1度はまればとことんはまれる要素もあるのですが、中々その域に達せられないんですよ。
本作が合わない人は、間違いなくこの部分が引っかかったんだと思います。
<評価>
自由度とストーリー性を両立させた稀有なRPGとして、総合でも名作と言って良いでしょう。
でも、欠点もあることから、傑作と呼べるほどには至ってないってところでしょうかね。
まぁ私はあまりリメイク作品をプレイしないタイプなので不確かですが、PS2版ではオリジナルで削られた部分も加えつつ、テンポの悪さも改善されたみたいですからね。
今から単純に楽しみたいなら、PS2版が良いのではないでしょうか。
ランク:A-(名作)
Last Updated on 2025-01-07 by katan
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