ヤンヅマ心春～お前の嫁は俺のモノ～

『ヤンヅマ心春～お前の嫁は俺のモノ～』は2009年にWIN用として、煩悩本舗から発売された同人ゲームです。

妻が寝取られたという状況の中、自分なりの新たな幸せを見つける主人公が印象的な作品でした。

＜概要＞

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
なお、完全な１本道であり、選択肢はありません。

あらすじ・・・
結婚間もない若妻・心春は、近所でも評判の美人主婦だが、まだまだ遊びたい盛りで、夫・雅弘をやきもきさせる。
ある日、妻の元クラスメイトの男が現れ、彼女にエロ雑誌モデルを紹介する。
それから若い夫婦の日常は、ゆっくりと歪んでいく……。
妻の肉体を他人に委ねて一人悶々とする、マゾ亭主のADV。

＜感想＞

内容的には寝取られもの（NTR）になっていて、主人公の妻が寝取られる形になります。
ただ、問題はこの妻で、紙屑みたいな貞操観しか持っていません。
最初からHな写真撮影に乗り気だし、後はそのままエスカレートするだけだし。
ボリュームのない同人ということで、すぐに進行することも相まって、本当に軽い女に見えてしまいました。
そのくせ、夫である主人公の態度がよそよそしいと、媚びてみせたりしますしね。
その辺は、現実的といえば現実的でよくできてるのかもしれませんが、ゲーム的にはあまり魅力を感じるヒロインではないですね。
まぁ、頭のゆるいキャラが犯られるべくして犯られたわけで、そういうのが好きならツボにはまる可能性はあるでしょうけど。

貞操観が強く最初は激しく抵抗していたのに、次第に快楽に溺れていかされるみたいなのを期待する人は、少なくともこのゲームには向いてないでしょうね。
逆にビッチ上等、エロけりゃOKよってな人ならいけると思います。

問題は主人公の方にもあって、途中で妻の不倫に気付くのですが、他人に犯される妻に興奮して、自分も加担しだします。
つまり、途中から寝取らせっぽくなっているのです。
寝取らせは、NTRともNTLとも違い、これはこれで特殊な性癖ですので、ここでも合う合わないが出てくるかもしれません。

ここまでが前半なのですが、物語は2部構成になっていて、後半は調教希望のマゾ妻やその息子（つまりはショタ）が出てきます。
マゾ妻のHシーンや主人公とショタのHシーンが加わることにより、何だか混沌としてきます。
ボリュームのないゲームなんだから、要素は絞った方が良いようにも思うんですけどね。
それと、ショタとのHがありますので、BL的な展開は勘弁って人は一応注意しておくべきかと思います。

ボリュームのわりに中途半端にいろんな要素が取り入れられてしまったので、個々の要素を目的とした場合には物足りなくなってしまうでしょう。
そういう意味では何がしたかったのかと思ってしまいかねません。

しかし、じゃあゲームとして駄目なのかというと、必ずしもそうでないわけでして。
というのも、このゲームは主人公の行動を楽しむゲームだと思うのですよ。
妻が寝取られたのに、それを見て興奮してしまう姿は狂っているとしか言えません。
主人公は終始狂っているわけですが、その方向性が次第に変わっていきます。
最初は妻が犯される姿に興奮しているわけですが、次第にその妻に見切りをつけ、自分はショタな可愛い男の子とのHにはまっていきます。
言い換えると、主人公は、現実を把握した上で、自分の新たな幸せを見つけたわけですね。
人として共感したくはないですが、これはこれで一貫性はあると思うわけで、それだからこそ混沌としているわりに1本筋が通って見えるのです。
最低だけど、どこか憎めない主人公。
それがこの作品の肝なんだと思いますね。