『闇の声』は2001年にWIN用として、BLACK CYCから発売されました。
エログロ系のゲームですっかり有名になったブサイクですが、そのブサイクの第一作目がこの『闇の声』でした。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
とある場所に浮かぶ小さな孤島。
その孤島には似つかわしくない程の豪邸。
その一室で遠くを見るような視線を泳がせている謎の男と妖艶な女性。
彼らの目には海に浮かぶ一隻のヨットが映っていた。
ヨットに乗っているのは7人の若い男女。
「ふふ、ひさしぶりのお客様ね」。
女が男に声をかけ、手を振ると、静寂な海に突然嵐がわき起こり、ヨットは木の葉のように揺れていく。
そして、ヨットは高波へと呑まれていった……。
嵐によって絶海の孤島に漂着した7人の男女。
彼らはそこで、妖艶な女性『小夜子』と『K』と呼ばれるメイドがひっそりと住む古い洋館を見つける。
助けが来るまで滞在してはという小夜子の誘いを受け、予定外のバカンスを楽しもうとする彼らだったが、そこは、妖悦淫靡なる世界への入り口だったのだ……。
<感想>
デビュー作であり、以後もシリーズ作品が多数発売されていることからも、これが一応ブサイクの看板シリーズと言えるのでしょう。
さて、本作の一番の特徴はゲームシステムにあります。
ジャンルとしてはノベル系のADVに分類されるのでしょうが、少々変則的だったりします。
プレイヤーは館に訪れたメンバーらの移動先を選び、そこでのキャラ同士のカップリングでフラグがたっていくのです。
館の住人と一緒にさせることでメンバーは堕落していき、完全に堕落すると、今度はそのメンバーを他のメンバーと一緒にさせても堕落が進行します。
一つは各キャラの堕ちていく様子を眺めるという楽しみがありますし、他にも、どのキャラとどのキャラをあわせるかという、カップリングの楽しみもあります。
メンバー7人と館の住人2人の計9人のキャラがいますので、その組み合わせも結構な数になしますし、当然組み合わせ次第でHシーンとかもかわってきます。
システムが凝っていて、キャラの堕ちていく様子も楽しめる。
グラフィックも淫靡でレベルが高いし、枚数も多い。
私の好きな要素が一杯あります。
本来なら絶賛といきたいところなのですが、これがそうもいかないんですね。
客観的には凄く良さそうなのに、どうにも思ったほどにははまれないのです。
おそらく、問題はストーリーそのものやテキストだったんでしょうね。
ゲームシステムもそれほど絶賛できる内容でもなかったのですが、それでも並のノベルゲーよりはずっと楽しめます。
それなのに、あまりはまりきれなかったのは、ストーリーに盛り上がりが欠けていたり、テキストが淡々としていてイマイチだったからだと思います。
プレイしていて常に勿体無いなとか、惜しいんだよなとか思いながら続けてましたからね。
アイデアは抜群だったのに、その肉付けが上手くなかったのでしょう。
<評価>
そういうわけで中身が少し伴わなかったものの、発想は面白かったですし堕ちていくキャラは十分楽しめました。
なので総合では、少し甘いかもしれませんがギリギリ良作と判断しておきます。
ブサイクは以後もこのシステムを使っていきます。
そうして後に生まれたのが、エログロ系の傑作である『MinDead Blood』なわけです。
MDBも本作の存在がなければきっと生み出されなかったでしょうから、基礎を築いたという意味では非常に大きかったですね。
かように本作自体も良作ではありますが、偉大な傑作の下地になった点でより大きな意義があるのかもしれません。
MDBでブサイクを知った人も多いかとは思いますが、本作をプレイしてブサイクの原点に触れてみるのも良いかと思いますね。
ランク:B-(良作)

Last Updated on 2025-02-14 by katan
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