ALPHA-NIGHTHAWK

2019

『ALPHA-NIGHTHAWK』は2019年にWIN用として、Liar-softから発売されました。

七星電灯さんが企画・原画・シナリオを手掛けており、久しぶりにライアーらしさを感じさせる、良い作品でしたね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・月の光を背に浴びて、巨大な薔薇は咲き誇る。
地球から300,000Km離れた夜空に咲く美しい薔薇。
人々はその薔薇を《コンスエロ》と呼んだ。
《コンスエロ》は地球に向かって赤黒い触手を伸ばす。
まれに地球に撃ち込まれる《棘》の弾丸は、その衝撃だけで落下地周辺の都市を消滅させてしまう程の威力だった。
STX宙軍はコンスエロに抗う唯一の手段として、星外除花機動スーツ《バトルシープ》を開発した。
《バトルシープ》は操縦士の精神エネルギー、通称《セル》によって起動する《電気の羊》だ。
操縦士の持つ《セル》が強ければ強いほど《バトルシープ》も強くなる。
《棘》を撃つ兆候を見せれば、軍は総力を挙げて戦った。
しかし、STX宙軍の奮戦もむなしく《コンスエロ》の《棘》は地球へと撃ちこまれてしまう。
《棘》はトウキョウに着弾し、周辺都市は衝撃により消滅した。
地上に着弾した《棘》は大地に根付き、小型の《コンスエロ》を芽吹かせる。
増殖した《コンスエロ》は人々を襲い、侵略範囲を拡げていった。
《コンスエロ》に侵略された東京は生存者を残したまま、《STX宙軍》により《封鎖区域》に指定されてしまう。
逃げ遅れて《封鎖区域》に閉じ込められた人々は、日々《コンスエロ》の脅威に怯えながら暮らしていた。
物語の舞台は《ワンガンダイバーシティ》
封鎖区域で生きる弱き人々の為に、たった一人で《バトルシープ》に乗り込み《コンスエロ》と戦う男がいた。
男の名は《夜鷹一蔵》と言った。
かつてSTX宙軍の大佐として《精鋭部隊》の指揮を取り、自らも《バトルシープ》で前線を駆けていた《戦う操縦士》だ。
青い光の尾を引いて、宇宙(そら)を自在に翔ける夜鷹は、他の操縦士たちにとって大いなる目標であり、憧れだった。
そんな彼が何故、軍から逃げ出してまで《封鎖区域》で戦うのか?
「俺は薔薇に責任がある!俺が人間である限り、闘志は燃え続ける!いつまでも、いつまでも……!」

<感想>

ライアーソフトの作品は、一時期はどれも面白く、新作が出るたびに期待した時期がありました。
ただ、ここ数年は期待外れな作品が続き、注目度も下がってしまっていました。
もっとも、今作は原画とライターが同じ人ということもあり、それで期待した次第です。

さて、本作は読むことに特化したノベルゲーであり、SFものになります。
もっとも、SFとして楽しむというよりは、宇宙を舞台にしたボーイミーツガール、及びキャラの成長を描いた作品と考えた方が良いでしょう。

本作は、とにかくキャラがしっかりとたっています。
エロゲのキャラにありがちな、行動に不可解な部分がなく、行動理念がはっきりしているから、ストーリーがしっかりしているのです。
キャラの掛け合いも楽しく、テンポよく進むこともあり、最初から最後まで一気に楽しむことができました。

この最初からというのが、結構大事でして。
近年のエロゲに多い無駄な共通ルートのようなものがなく、最初からすぐに物語の本筋に入っていくんですよね。
よくあるエロゲの構造とかに振り回されることなく、本当に作りたいものを作ったんだなと感じましたし、良い意味でライアーらしい作品だなと思いました。

読んでいて楽しいと感じられた理由として、もう一つ、グラフィックの存在も挙げられるでしょう。
これは原画とシナリオが一緒というのが大きいのか、ここに絵が欲しいという場面にきちんと絵があるし、ここは演出強めが望ましいというところは、演出も頑張っているわけでして。
つまり、作品全体を通して一体感や統一感があり、作り手の意思がこちらに伝わってくるのです。
こういう作品全体のまとまりや一体感を感じられる作品は、近年はあまり見かけないだけに、とても好印象です。

というわけで、とても楽しかった作品なのですが、一点だけ注意するところがあります。
本作は、主人公らの物語としては、十分に完結しています。
だから個人的にも、その点は評価しています。
ただ、用意された設定からすると、もっともっと話を広げられたわけでして。
例えるならば、全3部構成の作品で、今回は第1部完というような作品でもあるのです。

まぁ、映画とか時間制限のある媒体ならば、壮大な設定を用意しつつも、その中の1エピソードだけというのも、それはそれで十分にありなのでしょう。
だから本作に対しても、これはこれでOKと考え、全く気にしない人もいると思います。
しかし、エロゲに制限はないですからね。
本作はミドルプライスで、その分ボリュームも少ないですが、フルプライスにしてボリュームを増やし、世界観をもっと掘り下げてストーリーを展開してくれれば、もしかしたら凄い傑作になっていたかもしれません。
プレイして楽しかった半面、えっ、これで終わりなの、もっと続けられたよね、これ・・・というのは、おそらくプレイした誰もが感じるでしょうから。

<評価>

とても面白かったのですが、上記の気になる点があることから、総合では良作にとどめました。

そのため、今後続編が発売されれば、その作品は名作にもなりえるかもしれません。
(※後に続編が発売され、その続編で伏線が回収されて完結したことから、続編を名作としています。)
いずれにしろ、今作は作りたいものを作った感じが伝わり、その意味で久しぶりにライアーらしさを感じられたのも良かったです。
企画・原画・シナリオの七星電灯さんには、今後注目していきたいですし、次回は名作と断言できる作品を作ってくれることを、期待して待ちたいと思います。

ランク:B(良作)


駿河屋

DL版

Last Updated on 2024-08-09 by katan

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