『オタサーの姫に告られた結果wwwww』は2015年にWIN用として、みさくらなんこつハースニールから発売されました。
オタサーの姫という題材自体が今っぽいですが、個人的には裏アカシステムも気になったもので・・・
<概要>
商品紹介・・・「汚らわしい、純愛。」
オタサーの姫が、サークルメンバー達と浮気セックス、乱交、主人公ともセックスを繰り返します。
NTR要素あり。淫語&卑語多め。Hシーンはアナル、露出、乱交が多め。
あらすじ・・・「あなたは、どうしようもなく小さな事件の、どうしようもなく大きな被害者になれる――――」
オタサー。自己愛と自意識と我欲にあふれた人間たちの、全くかみ合わない【愛情】表現は、中途半端な知識(エロゲ)と童貞的情欲に支えられ、滑稽な関係を織りなす――――。
某大学オタクサークル「メディア研究会」の一員である、主人公「飯島尚樹」は、紅一点、オタサーの姫である「本多美憂(ミユミユ)」から告白される。
生まれて初めての、バラ色の交際。
しかしほどなく、あるきっかけで彼女がサークルメンバー複数人とも交際中、性的関係を持っていることを知る……。
……今もその関係は継続中らしい……。
他のサークルメンバーたちは、二股をかけられた姫に失望、復讐を決める。
―――――だが、尚樹だけは狂っていた。
彼女に本気で惚れていたから、事実を知っても……なお……!!!!
…………あなたが選ぶのは、理想か。現実か。
……この狂った純愛の結末は、どうなる――――――?
<感想>
オタサーと言われれも、そもそも自分がそういうサークルと縁がなかったので、あまりピンとこないのですけどね。
でもまぁ、オタサーの姫を題材にするっていうのは、旬と呼べるかは分らないけれど、今っぽい題材ではあるのでしょう。
現代性を反映するという点では、商業よりも同人の方がフットワークが軽いことも多く、そういう意味では同人作品らしいのでしょう。
本作に関しては、最終的にはクズな主人公をどう感じるかで、印象も大体決まってくるのかなとも思いますが、本作は主人公もヒロインも非常に濃いわけでして。
それでいて作品のボリュームが非常に少ないものだから、主人公の描写の観点からも、ヒロインの描写の観点からも、ストーリー全体の展開の観点からも、どれも中途半端に浅く終わってしまったように感じました。
ライター自体はファンもいるように思いますし、この題材でフルプライス作品規模で描かせたら、もしかしたら凄く面白くなっていたかもしれません。
しかしこのボリュームでやるのであれば、もう少し何かに絞って作った方が良かったのではないかなと。
何かいろいろ混ぜて、かえって薄くなった印象の作品でした。
ストーリーに期待した人もいたとは思うものの、個人的にはむしろ裏アカシステムの方が気になっていまして。
これは2周目以降、ヒロインのツイッター画面を見られるようになり、そこでヒロインの本音を知ることができるというものです。
ある種のマルチサイトでもあり、それを現代的にアレンジしたものとも言えるわけで、こういう試み自体は良いと思えることから興味を持ったわけですね。
とは言うものの、いざやってみると、ここは期待外れでしたね。
裏ルートとして一本のシナリオとして構成していれば、ある程度の読み応えも出るのでしょうが、あくまでも付属的な扱いでしかないので読み応えもありません。
ヒロインが完全に純情な子だと思っていれば、2周目以降の裏アカの存在は意外性を生んで効果もあるのでしょう。
しかしボリュームが少なくリプレイ性が低い作品で、しかもヒロインの裏の顔の存在が最初から分っている作品ですから、2周目から見られると縛りをかけたことに意味を見いだせません。
もう一工夫して、最初から織り込んでも良かったと思うのですけどね。
結果として本作における裏アカシステムは、通常のマルチサイトを劣化させただけに終わった印象でした。
本作はNTRでもあるのですが、NTRゲーでは何も分らない主人公視点の1周目と、真相が分るヒロイン視点の2周目という構造の作品が増えています。
その構造自体、どうも最近はテンプレ化してきていて、何故当該作品でその構造を採るのか、その理由が伝わってこない作品が増えているのですが、本作はその構造に無理やり当てはめて作ったみたいな印象を受け、何か安っぽく感じてしまうのです。
<評価>
原画もライターも、特定分野では名の知れた人ですし、個別のシーンとか部分的には見所もあると思います。
だからエロだけが目的であるとか、目的如何では楽しめる人もいるのだろうなとは思いますけどね。
ボリュームが少ない上に、全体的に中途半端な所が多く、形式的に枠に嵌めたような雑な作りという印象を受けたことから、個人的には物足りない作品でもありました。
まぁ題材とか、やろうとしていることは興味深いので、掘り下げれば良くなる可能性はあると思うのですけどね。
それだけに、ちょっと勿体なかったですね。
ランク:D-(凡作)
Last Updated on 2024-09-21 by katan