『NOeL3(ノエルスリー)』は1998年にSS用として、パイオニアLDCから発売されました。
NOELシリーズの第3作目となるハッキングADVでした。
<感想>
上記のとおり、本作はシリーズとしては3作目になりますが、これまでの2作品とは雰囲気がガラっと変わっています。
変化を好む私としては、このようなアプローチは嬉しいところなのですが、前作のファンで前作と同じ路線を求める層にはどうなんだろと思うわけで、その思い切った路線転換に非常に驚かされた作品でした。
本作では、テロリストらによりヒロインの学校が占拠され、生徒たちが人質にされてしまいます。
その人質に適切な指示を与え、無事に救出させることがゲームの目的となります。
ストーリー的にも前作とガラリと変わって緊張感のある流れとなるところ、ゲーム的にも若干異なってきます。
まぁ、ツールとか基本部分は同じなんですけどね。
設定の関係から、ゲームの大部分はハッキング作業となります。
あちこち調べてハッキングをし、そこから情報を得る。
ときには予想外のものも得られますし、ちょっとした覗き見的な要素は盗撮系が好きな私には向いていました。
また、単純にこういうハッキング特化のゲーム自体珍しいので、新鮮な感覚でプレイできるのは間違いないでしょう。
このシリーズは伝統的にグラフィック等も良いですし、同じことではなく新しいものを、完成度より独自性を求める私のような人間に向いた作品だったと思います。
ただ、独自性があるのは良いのですが、完成度という面ではどうなのかなと思うわけでして。
ゲームとはプレイヤーのアクションと、それに対するCPUのリアクションの繰り返しで構成されます。
その中でも本作の場合、リアクション部分が弱かったのですよ。
つまり、本作はリサーチとハッキングの繰り返しになるのですが、これが展開的にやや単調になっていたんですね。
繰り返しの動作が作業と感じる人には向いていませんし、労力のわりに見返りが少ないので、ぶっちゃけ面倒って感じられやすいゲームだったのです。
<評価>
総合では、良作ってところでしょうか。
発想は面白かったと思うのですが、やや単調さと面倒さも目立ってしまいましたからね。
完成度重視の人や面倒なのが苦手な人には佳作以下と思われても仕方ないかもしれないですが、逆にこの個性を最大限に評価すれば名作と考える人がいいても何ら不思議ではありません。
そういう意味では、若干好き嫌いの分かれやすい作品かもしれませんね。
まぁ、決して欠点のないゲームではないのですが、代わりになるゲームもないですしね。
ノベルゲームばっかになった今日にあっては、余計にも新鮮に感じられるでしょう。
読むゲームも良いけれど、たまには能動的でかわったADVもやりたいっていうのであれば、こういう作品も良いかと思いますね。
ランク:B(良作)
Last Updated on 2024-12-22 by katan
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