ネクストキング ~恋の千年王国~

1997

『ネクストキング ~恋の千年王国~』は1997年にPS及びSS用として、バンダイから発売されました。

ちなみに、開発は桝田省治さんとアルファシステムになります。

<感想>

桝田さんの作るゲームということで、この作品も一風変わっています。
基本的には恋愛を扱ったRPGなのですが、いたるところで結果がサイコロに委ねられます。
そのため、RPG風ボードゲームとかボードゲーム風RPGとか、ニュアンス的にはそういった感じになりますね。

ストーリーの根幹は単純で、王子たる主人公が他のライバル王子を蹴散らして王様になることです。
王様になるには選挙で自分に投票してもらわなければならないのですが、選挙権を持っているのが12人の女性なので、彼女たちの心を掴むことが必要となります。
それゆえ、「恋愛」ボードゲーム風RPGとなるわけですね。

恋愛系の作品は既に数多くありましたし、恋愛RPGにしても既に幾つかあります。
だから字面だけ見れば決して珍しくないのですが、プレイしてみれば感覚が他と異なることはすぐに分かるでしょう。

それはこのゲームの特徴とも言え、つまりは本作にはライバルがいるってことですね。
選挙権を持つヒロインらとの恋愛をするにも、ライバルたる他の王子と競わなければいけません。
その辺が他の恋愛ゲームと異なるのです。

もちろん、個々のヒロインにもしっかりとエピソードがあって、これだけでも十分によくできています。

ただ、ここは若干好き嫌いが分かれそうなところでもあるのですが、桝田さんが作るからか、他のいわゆるギャルゲーとも毛色が異なるのです。
ぶっちゃけ、萌えるゲームの萌えるヒロインって、男の妄想を具現化したようなもので、実際にはありえなかったりします。
でも、私を含め好きな人はそれが好きなわけです。

他方で、ネクストキングは普通というか現実的なのです。
だから萌えないし可愛くない。
そのため典型的な萌えゲー好きにはたぶん面白く感じられないでしょうが、逆にそういう露骨な萌えゲーが苦手な一般人には案外いけそうなわけです。
そこはもう好みとしか言えないのですが、何れにしろそういう傾向があるってことですね。

<評価>

総じて、良くできた作品と言えるでしょう。
「恋愛」ゲーの観点からは珍しい作品とも言えるので、そこを重視すれば十分に名作たりうると思います。
ただ、RPG風ボードゲームってのはPCゲーとかで既にありますし、恋愛部分を重視しないのであれば、特に目立った要素のない作品でもあるわけです。
厳密には被らないはずだけど、何となく被る作品もあるわけで、私にはもう一つこの作品ならではの個性が伝わりきれませんでした。
そのため、総合的には良作にとどめておきたいと思います。

いずれにしろ、一見するとただのギャルゲーっぽい作品ではありますが、毛色が違うことから、その手の作品に飽きた人や、逆に抵抗がある人でも楽しめると思いますし、今でも結構新鮮な感覚で楽しめるのではないでしょうか。

ランク:B-(良作)


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Last Updated on 2024-12-09 by katan

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