もしも用務員のおじさんが催眠を覚えたら・・・ ~女教師を淫らに堕とす、肉欲の法悦催眠~

2014

『もしも用務員のおじさんが催眠を覚えたら・・・~女教師を淫らに堕とす、肉欲の法悦催眠~』は2014年にWIN用として、ANIMから発売されました。

E-moteを搭載した、催眠ものになります。

<概要>

主人公の村主克は、学園長の東ヶ崎董子から日常的にパワハラを受けていた。
その様子を催眠カウンセラー、船越澄也に見られたのをきっかけに、克は催眠調教師としてスカウトされる。カウンセラーが言うには、まずはターゲットとして選んだ女教師達を堕とす手伝いをして貰いたいということだった。
堕とす報酬として、その中の一人を自由にしていいと言われ、悩んだ末に克は手を貸すことにする。
何よりの理由は、自分をいびる学園長に復讐したいという気持ちだった。
簡素ではあるが催眠術を学び、女を堕とすための準備をしていく。
そしてひと通り学びおわると、いよいよ克は女教師をターゲットとしていくのだった……。

<感想>

公式ジャンルでも催眠ADVとあるように、いわゆる催眠ものになります。
これまでにも催眠ものを何本もやっていることもあり、ストーリーそのものには特に意外性であるとか新鮮に感じる部分はないので、何か新しい発見というものはなかったです。

もっとも、フルプライス作品だけあって、それなりのボリュームはあります。
また催眠ものの中には、催眠を何でも言うことをきかせられるような、いわゆる便利アイテムとして用いられるケースもあります。
個人的には、そういう便利アイテム系はリアリティを感じられず、好きではありません。
その点、本作は専門用語を用いつつ、対象者が催眠にかかる過程をじっくりと丁寧に描写していますので、催眠ものに深いこだわりを有している人はもちろんのこと、逆に偏見と苦手意識を有している人でも楽しめるでしょう。

結局のところ、新しさという点では少し足りないものの、丁寧に過程を描いているので、催眠ものとしては完成度が高い部類に属し、催眠ものが好きな人なら安心して楽しめる作品だと思います。
同時に、初心者にもオススメしたい作品です。
っていうか、むしろ普段催眠ものをプレイしない人にこそプレイして欲しいですね。

<ゲームデザイン>

基本はノベル系のADVになります。
具体的にはマップ上から移動場所を選び、キャラと会話し、たまに出てくる選択肢を選ぶわけですね。

催眠をかけるシーンでは、おさわりモードになります。
もっとも痴漢ゲーなどの、いわゆるおさわりゲーとは異なります。
自由にさわれるわけでもなく、攻略にも大した意味を持ちません。
もしOHPを見ておさわりに期待をしていたのなら、その期待は先に捨て去った方が良いでしょう。
本作における「おさわり」は、催眠をかけるための動作の一つであり、物語への感情移入を促進させる演出の一環と考えた方が良いでしょうね。

<グラフィック>

本作における一番の特徴は、人によってはグラフィックになるのでしょう。
と言うのも、原画に癖があると思いますので、たぶん万人に対し長所となりうるとまでは断言できないのかなと。
しかし、このキャラデザでも大丈夫と思える人ならば、プレイすれば大きな長所に感じられるようになるということですね。
もちろん、このむっちり感が好きという人なら、より一層楽しめます。

近年の作品で大作と呼ばれる作品は、ほとんどが萌えゲーであり、萌えの絡まない抜きゲーの大作というのは、あまり聞かないように思います。
大作か否かは人により基準が分れるので難しい部分もありますが、とりあえずここで言いたいのは、大手の萌えゲーは立ち絵の動きが豊富なのに対し、低価格商品も多い抜きゲーは立ち絵の動きが乏しい物が多いです。
フルプライスの抜きゲーも少数ながらあるものの、立ち絵が大作萌えゲー並に豊富に変化するという作品は、現在はほとんどないのが実情でしょう。
私は立ち絵の動きに昔からあまりこだわらない方なのですが、どうしてもその辺のもの足りなさを感じてしまう人もいると思います。

そこに登場したのが本作であり、フルプライスの抜きゲーらしさの一つとして、立ち絵にE-moteが搭載されています。
E-moteは「ういんどみる」の『ウィッチズガーデン』で一躍有名になりましたが、考えてみれば「ういんどみる」独自の技術ではないんですよね。
M2社のモーション技術なので、他ブランドで用いられることも十分にありうるわけです。
だから今後も使用するブランドが出てくるでしょうが、とりあえず「抜きゲーで最初に使った」というのが大事なのであり、もし今後抜きゲーでも立ち絵を重視する流れが生じることになるならば、本作はその先駆けと言えるのでしょう。
もっともE-moteは道具でしかなく、使う人により効果が異なってきます。
本作の立ち絵の動きは、正直なところ『ウィッチズガーデン』ほど良くはないのでしょう。
派手に動いて演出すげぇ~って感じさせるのではないけれど、まぁ考えてみればパタパタ動くことがリアリティにつながるわけでもないわけで。
目パチ口パクに呼吸に応じた動きが伴えば、そこに臨場感とリアリティを感じられますし、その点は本作でも十分だったのかなと。
とりあえずアダルトゲーム全体では本作以上の立ち絵の作品は存在するけれど、それでも現時点での抜きゲーにおける立ち絵としては間違いなく最高峰でしょう。

他方で、E-moteにより立ち絵が良くなったとしても、イベントCGである一枚絵が良くなければ、片手落ちとなってしまいます。
現に私は、『ウィッチズガーデン』の一枚絵には不満でしたから。
本作は抜きゲーということで、イベントCGの大半がHシーンになります。
そのHシーンも多くがアニメーションになっていますので、立ち絵もイベントCGも両方とも動きのある貴重な作品となっており、総合的にも優れた作品と言えるでしょう。

<評価>

抜きゲーの立ち絵や演出に不満があった人には、本作は待望の作品と言えるかもしれません。
その意味で、非常に意義のある作品と言えるのでしょう。

ただ、個人的な感想としては、萌えゲーは日常描写が大事だから、E-moteで日常の描写を盛り上げることは大事なんだと思います。
しかし抜きゲーで、果たして立ち絵の強化は必須なのかなと。
もちろん、動かないよりは動いた方が嬉しいのですが、萌えゲーほどの大きな効果はないのかなと思います。
やっぱり抜きゲーではHシーンのインパクトの方が大事であり、そこで強烈な印象を与えた作品の方が、記憶にも残りやすいのでしょう。
本作はHシーンにもアニメがありますが、その出来は必ずしも優れているとまでは言えません。
そのためHシーンのアニメがウリの他作品よりもエロのインパクトは劣り、他方で立ち絵でE-moteを用いても日常描写に力を入れているわけではないので、キャラへの思い入れの点で萌えゲーの大作に及ばずということで、絶対的な長所と呼べるほどには至っていないのかなと。
ストーリーにしても丁寧に描かれ本格的な作りになっていますので、不満らしき不満もなく十分に堪能できるのですが、本作ならではという部分は薄いですしね。

総じて、上記のように本作にしかない突き抜けた個性がやや乏しいのであり、私の基準からはギリギリ良作となります。
もっとも、どの要素でも欠点のない優等生な作品であり、いわゆる完成度の高い作品だと言えるでしょう。
したがって、私とは異なり、完成度や総合力を重視する人ならば、稀にみる大当たり作品になる可能性も十分にあるでしょう。
それだけの内容を伴った作品ですので、特に催眠ゲーに馴染みのない人にも、この機会にプレイしてもらいたいものですね。

ランク:B-(良作)


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Last Updated on 2024-10-14 by katan

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