『ルナティックドーン2』は1994年にPC98用として、アートディンクから発売されたRPGです。
90年代半ばを代表する、国産屈指の自由度重視型RPGでしたね。
<感想>
コンピューターRPG(CRPG)というのは、もともとTRPGの戦闘・育成部分に焦点を当ててゲーム化したものです。
もっとも、当然ながらRPGの魅力はそれだけではありませんよね。
実際、国内のRPGはストーリーやキャラを強化する方向に進みました。
他方で海外のRPGは、初期のCRPGのシステム的に足りなかった面を強化していきました。
つまりは、RPGの自由に冒険をしていくという側面ですね。
いろんなクエストがあって、自分の好きなクエストをこなしていく。
途中の過程も最後の目的もプレイヤー次第。
そういったRPGは海外のゲームには多いのですが、国内では皆無に近い状況でした。
状況が変わってくるのは1992年頃からでしょうか。
家庭用機では『ロマサガ』が発売され、PCでは『ソードワールドPC』等が発売されました。
そしてこの自由度という側面を徹底的に追求したのが、アートディンクの『ルナティックドーン』でした。
アートディンクの看板シリーズともいえるルナドン。
本来なら1作目を絶賛したかったところですが、如何せんゲームが重過ぎました。
マップ等を自動生成してた関係でしょうかね、当時高価だったハードディスクを大量に使用する上に、あまりに重くてプレイする気力を根こそぎ奪ってしまいました。
結論的には、1作目は非常に勿体無い佳作ないし良作止まりだったでしょう。
その反省が活かされた本作では、重さの問題は解消されました。
これで自由奔放に冒険の旅に出かけられます。
それだけでも評価に値するでしょうね。
とはいえ、ルナドン2の魅力は決して自由度だけではありません。
それを一言で表すならば、他のRPGにはない圧倒的なリアリティでしょうか。
旅をするには食料が必要ですよね。
本来の旅には必要な要素が、大半のゲームでは簡略化されています。
本作は自分の旅する範囲を考え、その日数分の食料を用意するところから始まります。
しかもマップは非常に広大ですしね。
「冒険をする」とはどういうことのなのか。
未知の世界を手探りで進んでいくことの怖さという、根本的なことの本当の重みを気付かせてくれたものです。
SFC等のRPGではストーリーに着目するあまり、こうした冒険の視点が薄れてましたからね。
尚更効果的に見えたものですよ。
上述のように本作の特徴は「広大さ」と「自由度」。
この2点に関して、当時のRPGの中では別格と言えたでしょう。
とにかく広大なマップで冒険したい人には、本作は間違いなくオススメです。
もっとも、マップがやたらに広いゲームって、結構意見が分かれますからね。
冒険というか旅をしている感覚を味わいたい人には好まれるけど、ストーリー派には面倒臭いだけでもあったりしますし。
ここら辺は、最終的にはその人の好み次第でしょう。
同じルナドンでも、自由度は欲しいけど広大なマップはいらんって人は、おそらく前途シリーズの方が楽しめるでしょうしね。
また、本作はとにかく自由です。
世紀末に現れる魔王を倒すという王道路線を歩んでも良し、殺人・強盗を繰り返してお尋ね者になるも良し。
何れにしろ、ここまで自由なゲームは国内にはなかったですからね。
その点で私は高く評価しますが、高い自由度の反動からかストーリー性は皆無に近いです。
そのため、RPGはやっぱりストーリーだよって人には向いてないでしょうね。
ここら辺も、最終的にはその人の好み次第でしょう。
かように、本作は極端な作りなわけでして。
それ故に、決して万人ウケはしないと思います。
合わない人はとことん合わないだろうけど、はまる人はとことんはまる。そんな作品なのだと思います。
<評価>
ルナドンは、その後もシリーズが続いています。
もっとも、以後の前途シリーズとかは食料の部分とかが簡略化されていたりするので、本作が最高傑作だって言う人も非常に多かったですね。
ちなみに、私もシリーズの最高傑作はこの2だと思います。
最近では『オブリビオン』とかも移植され、国内でも徹底的に自由度にこだわったゲームも遊べるようになりました。
良い時代になったものですよ(英語版のオブリを買った私は涙目ですが)。
もっとも、あっちはアクションRPGですからね。
自由度の高いRPGは好きだけど、アクションゲームは嫌だって人もいるでしょう。
ぶっちゃけ、私がそうなんですけどね。
そういう点も考慮すると、ルナドン2の需要はまだまだあるような気もしますね。
ランク:A(名作)
Last Updated on 2024-10-06 by katan
コメント
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ちょっと忙しくてコメントできませんでした、汗
このゲーム、当時衝撃的でしたね。
ストーリーがない…とにかくこんな自由を感じたゲームは
初めてでしたし、めちゃ広いマップだった記憶があります。
もちろん前作のルナティックドーンもプレイしていますが
自分も2の方が良かったです。
HDDの容量がすごかったような…
当時4万円台で買った40MBのHDD使ってたかな。
違ったなかな…でも100はなかったと思う、笑
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>>あやちだいちさん
お疲れ様です。
コンセプト的には前作で出来上がってたのでしょうが、
初代は重かったですからね。
なかなかプレイし続ける気力が続きませんでした。
2は快適に遊べただけでも感激ものでしたね。
HDDは20Mくらい使用していたかと。
HDDは高かったから、当時としては凄い容量でしたね。