『キミへ贈る、ソラの花』は2012年にWIN用として、Cabbitから発売されました。
手堅くまとまった作品でした。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
選択肢の数は少なめですので、選択肢ごとにセーブすれば攻略も容易でしょう。
あらすじは以下の通り。
吸い込まれるような、空の青。見上げていれば、どこか自分が溶けていきそうに感じるんだ。
僕には一つだけ、与えられた力があった。
けれど、それをみんなには言えない。言えることじゃ、ないから。
この力を持っている人は、僕だけじゃないだろう。
でも、普通はみんなそれを隠して生きているんだと思う。だから僕も……
本当のことは心の中に隠したままで、どこか、自分を空に隠して、きっとこれから、そうやって生きていくんだ――
「見つけた!」
けれど、そんな僕を、彼女は見つけてくれた。
僕を見つけて、すごく嬉しそうな笑みを浮かべてくれたんだ。
僕は、ただ嬉しくて……僕に出会って、笑ってくれたことが、僕の力を喜んでくれたことが、ただ、嬉しかった。
その姿が、僕に――いや、僕のような人間にしか見えなくても。
彼女はもう既に、この世に身体が存在しない、幽霊と呼ばれる存在であったとしても……
僕たちは、関わり始める。
幽霊と、人間。二つの存在が交差する、その学園で……
<感想>
幽霊が共存する学園を舞台にした恋愛もの。
楽しめた人には全ての面で高水準なと形容され、そこそこ楽しめた人にはそつなく無難にまとまった作品と形容され、あまり楽しめなかった人には平凡な特徴のない作品と形容されるような、そんな作品です。
個人的には絵の塗りや音楽との一体感からくる雰囲気は好きなのだけれど、特別ここが秀でているという要素も、特別にここが悪いという要素もないわけで、全体的にどの部分も普通って感じなんですよね。
プレイヤーのゲーム遍歴次第で高水準と感じるか平凡と感じるかは分れるとしても、とりあえず尖った部分や凹んだ部分のない丸い印象を抱くと思います。
ストーリーは萌えやイチャラブと言った今風ではなく、ちょっと萌えて、ちょっと笑って、ちょっと泣いて、ほんわかと雰囲気に浸れる何年か前に見られたようなタイプになるでしょうか。
長々と書かれていないので、読んでいてもくどく感じることもないけれど、終始あっさりしているために人によっては物足りなさを感じるでしょう。
<評価>
何だろうな~?
決して悪い作品ではないし、しっかりまとまっているから、この年の初心者用作品としては良い作品なのかもしれないけどね。
その主人公でヒロインが動くのかとか、そのエピソードでそんなに変化が生じるのかとか、全体的に少しずつ弱い感じがしてしまうわけでして。
印象が弱いことから、あえてやるまでもなかったということで、個人的には凡作としておきます。
ただ、何度も繰り返しますように、ここが悪いから駄目っていう作品ではないわけでして。
体験版をプレイして、凄く面白いと感じたら最後まで良作以上に感じられるし、あまり合わないかもと思ったら最後まで楽しめないままだと思います。
手堅い無難な作品だけに、体験版での最初の自身の印象が、最後まで変わらないタイプの作品と言えるのではないでしょうか。
ランク:D(凡作)
Last Updated on 2024-11-28 by katan