かけぬけ★青春スパーキング!

2020

『かけぬけ★青春スパーキング!』は、2020年にWIN用として、SAGA PLANETSから発売されました。

OPが秀逸で、キャラもとても良かったですね。
サガプラの作品の中では、一番好きな作品でした。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
主人公、遠野遊は風見学園の二年生。思春期まっただ中、青春まっただ中のお年頃。
だが───「青春?何、それ。俺はバイトで忙しいんだよ」
彼は青春をバイトにささげる、超リアリストだったのだ。
学業を器用にこなし、日々バイトに明け暮れて金を稼ぐ。
趣味は預金通帳の残高をチェックすることだ。
そんな遊を見かねた幼馴染みの響と、遊を師匠と仰ぐクラスメイトの理々は、彼をとある部に入れて更生させようとする。
響が勧めてきたのは、「学園でもっと青春して楽しく行動しよう!」がスローガンの、にぎやか系女子で構成された「行動部」、通称「アクティ部」。
理々が勧めてきたのは「貴重な青春を世の中を良くするために費やそう」がスローガンの真面目系女子で構成された「ボランティア部」、通称「ネガティ部」。
どちらの部も執拗に遊を誘ってくる。
「どっちも興味ねーし。そもそも俺には青春なんて必要ない」
遊の意思には関係なく、彼女たちに引っぱりまわされる日々───。
いったいどうしたってこんなことに?
「そんなの決まってるじゃないっスか」「覚悟して、先輩もそろそろせーしゅんするっス!」
はたして、遠野遊にはいったいどんな─青春─が待っているのか!?

<感想>

私が初めてサガプラの作品をプレイしたのは、1999年の『マリオネット ~傀儡~』でした。
世間的には評価の高い作品ではないですし、私も面白いとは思わなかったのですが、妙に印象深い作品でもあり、未だにサガプラというと、その作品を思い出します。
この時期は、『骸 ~メスを狙う顎~』であるとか、『罪と罰』であるとか、当時の分類でいうところの、ダーク系の作品が多かったように思います。

サガプラは、その後、方向性を変えていくのですが、世間で最初に注目を浴びるようになったのは、『恋愛CHU! ~彼女の秘密はオトコのコ?~』だったと思います。
作品の内容自体は、それほどでもなかったのですが、OPムービーにとてもインパクトがあり、発売前から目立っていました。
その時から、OPといえばサガプラという印象になっていきました。

『恋愛CHU!』からも15年以上が経ち、その間も多くの作品が発売されましたが、特に好きなOPが、『金色ラブリッチェ』のOPでした。
このOPは、今でも時々見ており、非常にツボにはまったものです。
そして本作。
本作のOPも、『金色ラブリッチェ』と同系統の構造であり、これまた非常にツボにきました。

<OP>

もちろん、ゲームのOPは、ゲームの本編ではありません。
しかし、本編と一体となって構成されるものです。
そもそも、ゲームのプレイなんて、義務でも何でもないですからね、
いつ止めようと、その人の勝手なわけです。
時々、この作品は最後までプレイしないと面白さが分からない、などと言われる作品があります。
しかし、そのように評される時点で、最後までプレイしないと面白さが分からない時点で、半分ダメと言われているようなものです。
上記のとおり、ゲームは義務ではないし、先に進めたいという気持ちが沸かなければ、続ける必要がないからです。
OPが良い作品は、これどうなるんだろうってワクワクしてきますし、プレイを進めてみようって気にさせてくれます。
そういう意味ではOPも非常に重要であり、本作はプレイ開始時からテンションが高まります。

そんな本作、作品の序盤は、主人公の幼馴染でもある、小日向響が中心となってストーリーを動かします。
私は、特に目的もないままダラダラ続くような、序盤の退屈な作品は、無駄が多く感じて好きではありません。
序盤から目的意識があって、ストーリーが動く作品の方が、好印象となります。
響が序盤から目的を作り、それに向い突き進む本作。
その立ち上がりの動きは、私の好きな90年代中盤頃の作品のようでもあり、最初からストーリーにすんなり感情移入できました。

そういうわけで、私は序盤から好印象で入れたのですが、上記のとおり、本作序盤は良くも悪くも響への印象次第で作品全体の印象もかわってくるような「響ゲー」と言えます。
響は、暴力系キャラではないものの、唯我独尊系キャラといえるような、自分を中心に物事を進めるタイプではあります。
作品内において、彼女の占める割合が非常に大きいだけに、響のキャラがどうしても合わないという人だと、プレイが苦痛になってしまうように思います。
その辺は好みの問題でもあるので、好き嫌いの多い人は、事前に体験版をプレイした方が良いでしょう。

さて、近年の恋愛系エロゲが持つ、物語の立ち上がりが弱いという欠点については、本作では響が物語を動かすことによりクリアしました。
それから、近年の恋愛系エロゲには、お約束とまではいわないけど、多くのエロゲに意味もなく普通に取り入れられているものがあります。
私も、いちいち意識したり数えたりしているわけではないですが、プレイをしていて、つい否定的になってしまう作品というのは、冷静に振り返ってみると、そういう引っかかる箇所が多いのです。
しかし、本作には、それがなかった。。。
全然気にならず、す~っとプレイできたので、私が引っかかるようなポイントをことごとくかわしてきているのでしょう。
そのため、とても楽しむことができました。

普段、サガプラの作品は初心者向けっぽく思われがちですし、ストーリーが良いとして評判の良い作品なんかにしても、私からすれば初心者向けとしか思えません。
しかし、上記のとおり本作の場合、エロゲエロゲした部分が案外少なく、私はこの作品に関しては、近年の恋愛エロゲに食傷気味のような、ある程度のベテランゲーマーの方が向いているように思います。
おそらく若いユーザーは、私の書いていることについて、何を言いたいのかさっぱり意味が分からないでしょう。
また、そういうユーザーは、他の作品の方が楽しめるように思います。

本作については、演出も良かったですし、キャラも良かったです。
声も含めて、ツボにきたヒロインが多かったです。
3人以上のヒロインを気に入った作品なんて、一体いつ以来だろうって感じですし。
本作はいわゆる抜きゲーではないですが、塗りの力も相まって、エロさもありましたしね。

<評価>

総合では、当初は良作と考えておりました。
ストーリー、キャラ、グラフィック等から総合的に判断しようとすると、作品の内容自体は、良作相当の作品だと思います。
ただ、本作はOPが秀逸で、私は何年たっても見ているくらい好きなわけでして。
その分を考慮し、総合でも名作とします。

本作は、ここが凄いというより、OPや開始時からのテンションそのままに、引っかかるポイントをするするすり抜けて最後まできたような感じの作品でした。
個人的には、プレイできて本当に良かったです。

ここ2作品のサガプラのOPは本当に大好きなので、次回作にも期待したいものですね。

ランク:A-(名作)


駿河屋

Last Updated on 2024-09-02 by katan

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