『女郎蜘蛛 ~呪縛の牝奴隷達~』は1997年にPC98用として、PILから発売されました。
縄と縛りに特化したゲーム・・・
PILさんは、またドマイナーな方向に突き進んでいくもんだな~と、感心するような呆れるようなそんな感じで情報を見てましたっけ。
<概要>
ゲームジャンルはコマンド選択式ADVになります。
あらすじ・・・時は大正末期。奇妙に暑い夏─。
古色蒼然とした北畠家に、書類整理のために雇われた苦学生・蒲生鉄哉。
しかし、屋敷を訪れた彼を待ち受けていたのは、美しい母娘3人の調教という想像を絶する淫事だった。
北畠家の後見人を名乗る中畑伊佐治に言われるまま、縄と縛りによる美女3人の調教の日々がはじまる。
そして誰ひとりとして予期しえない結末が、密かに近づくのであった…。
<感想>
そもそも私は、縄にも縛りにも全く興味は無かったのですが、画面を一目見た時から購入することは決めていました。
なぜなら、キャラがとても可愛かったからです。
PILのゲームって、個性の強い作品が多いのは嬉しいのですが、如何せんキャラデザまで変に濃いのが多かったですからね。
『SEEK』とか『堕落の国のアンジー』とか、客観的にはゲームとして名作だとは思いつつも、あの濃いキャラで引きそうになりましたし。
それが一転して可愛いキャラになったんですからね。
これはもう、完全に買いだろって思ったわけです。
さて、肝心の内容ですが、長所の1つ目は、勿論そのキャラの可愛さですよね。
特に蝶子さんは可愛かったですね。
次に、縄や縛りの細かい描写やこだわりが挙げられるのでしょう。
まぁ、この部分に関しては私は専門外なので、へぇ~そうなんだ~ぐらいでプレイしていましたけど。
そして、もう1つ肝心なことがあります。
本作は大正時代が舞台なのですが、ゲームの端々に上手くそういう雰囲気が漂っていました。
大正浪漫って結構憧れたものですが、よくそれが描けていました。
私が知る大正物の中では1番かもですね。
また、雰囲気だけでなくストーリーも結構良かったですね。
陵辱系のゲームって、ストーリー自体はいい加減な物も多く、その傾向はむしろ近年の方が強いです。
ストーリーの良い陵辱系って少ない上に出にくい状況になってますから、本作のような作品は今でもとても価値があるかと思います。
雰囲気のいい舞台設定に、こだわりの要素、最後には感動的な展開も用意されているんですからね。
面白く感じるのも当然かもしれませんね。
次にゲームシステムですが、基本的にはコマンド選択式のADVになります。
これにマルチエンドの要素が加わっています。
また、縛りの部分に関しては、調教SLG風になっています。
この調教SLG部分は結構簡素化されたものになります。
評価されているのはストーリーやキャラとの会話なので、ADVと考えた上でオマケにSLG要素があると考えた方が無難でしょうね。
細かい点を指摘すると、縄と縛りにこだわったはずにもかかわらず、そのこだわりがグラフィック上で表現されていなかったのが残念でした。
何か裸に縄模様のペインティングをしたのと、あまり大差がない感じがしたんですよね。
例えば『虜』では、鞭で叩いた後の傷跡が痛々しく描かれていました。
本作でもその辺りが伝わってくれば、もっと評価は上がったでしょう。
まぁ、この点もね、『虜』を先にプレイしていなかったら、何も違和感は覚えなかったかもしれません。
先に『虜』をプレイし、そちらが凄かったことから、本作が物足りなく見えただけで、決して本作が悪いわけでもないように思いますね。
<評価>
総合でも名作といえるでしょう。
全体としては荒削りなところは残るものの、独特の雰囲気を有した良い作品でしたね。
根強いファンも多い作品であり、そういう魅力を持った作品だったと思いますね。
ランク:A-(名作)
Last Updated on 2024-12-07 by katan
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