JOKER

1991

『JOKER』は1991年にPC98用として、バーディソフトから発売されました。

90年頃に絶大な人気を博し、一部で熱烈なファンも多かったバーディソフト。
勢いが続いていれば、或いは天下が取れたのかもしれません。

<概要>

ゲームジャンルはコマンド選択式ADVになります。

バーディソフトの代表作と言えば、何と言っても『CAL』シリーズなのでしょう。
3はいろいろ黒歴史なので1と2限定なのでしょうけどね。

ここまではあまり意見も分かれないのでしょうが、じゃあその次に有名なシリーズは何かとなると、おそらくこの作品当りがくるのではないでしょうか。

<感想>

本作の舞台はアメリカ西部になります。
西部劇風の物語というの自体、当時のゲームでは非常に珍しかったです。
しかもそこに吸血鬼や黒魔術師といった要素も加わり、西部劇+伝奇という他ゲームではあまり見かけない設定となっていました。

一体どんな作品なのだろうとその時点で掴みはOKなのですが、サウンドも良くマッチしていて西部らしい雰囲気を醸し出していましたし、始まりはとても良い感じでした。

サウンド以上に良かったのがグラフィックですね。
当時のバーディソフトはグラフィック面は随一だったのですが、本作でも林家ぱーさんの絵が素晴らしかったです。
むしろ、単純な好みで言えばCAL以上です。

この絵による力も大きいのですが、ブランカというヒロインがとても可愛かったわけでして。
男勝りな銀髪のバウンティハンターなのですが、行方不明の妹を探し続ける優しさや、ときおりみせる女の子らしさやけなげさのギャップが良かったのです。
また主人公との掛け合いも最高でしたね。

一見すると本作はストーリーを楽しむゲームなのですが、私はこのゲームは雰囲気に酔いつつも、
基本的にはキャラゲーなのだと思います。
ブランカや主人公に愛着が沸ければ楽しめるし、そうでなければ楽しめないでしょうから。

というのも、本作はシステム的には普通のコマンド選択式ADVで、その方面で優れた面はありません。
また実は物語は途中で終わり、続編へ持ち越しになります。
完結しないだけでも、ストーリー重視派には憤慨ものだったかもしれません。
それに加え、本作単体のボリュームもえらく少なかったと思います。
これなら最初から1本でもできるだろとも思うわけで、分割っぽい仕様にはちょっと疑問が残らざるをえませんでした。

加えて、設定面は珍しいので新鮮さはあるのですが、インディアンと白人の混血である主人公に対する対応であるとか、西部劇ファンとかそっち方面に詳しい人にはどうなのかと思う所もあり、つまりはストーリーやコスパではあまり評価できないのです。

<評価>

そういうこともあって、総合ではどうしても点が伸びにくいですね。
ただ、私はブランカが凄く好きでしたし、続きはどうなるのだろうと期待してしまうくらい楽しめましたので、一応は佳作としておきたいと思います。

点は低くせざるを得ないけど主観的には好きって作品は、おそらく誰しもあるでしょう。
本作もまた、そんな作品だったんですよね。

ランク:C(佳作)


PC-9801 3.5インチソフト ジョーカー

Last Updated on 2024-08-23 by katan

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