『淫妖蟲 穢 ~凌蝕桃源退魔録~』は2021年にWIN用として、TinkerBellから発売されました。
このシリーズも長くなっておりますが、今作は幅広い層が楽しめる内容になっていたように思います。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
冬だ、スノボだ、温泉だ!
――とある温泉宿から依頼を受けた退魔屋本舗黒猫支店。
今回の依頼は「村に春が来ない原因を探って欲しい」というもの。
「素敵な温泉宿でスノボ三昧」という武の言葉にまんまと騙され、のこのこやって来た黒猫支店一行を待ち受けていたのは、村中を覆う不可解な妖気――そして行く手を阻む猛吹雪……!
かつて鉱山町として栄えた集落に今、何が起こっているのか――
正体の知れない「敵」を相手に、黒猫支店が雪の進軍!
<感想>
淫妖蟲シリーズは2005年から続いているシリーズでして。
内容を端的にいうと、ストーリーも楽しめる触手系エログロ作品になります。
ストーリーも楽しめるエログロ系というと、ゼロ年代中盤にはブラックサイクが素晴らしい作品を出していました。
ブラックサイクの最盛期は2004年~2006年であり、同じ2006年には、TinkerBellから、淫妖蟲シリーズの2作目となる『淫妖蟲 蝕』が発売されました。
この『淫妖蟲 蝕』が良く出来た作品であり、今後のエログロ系を引っ張るブランドとして、TinkerBellは要注目のブランドとなりました。
しかし、以後のこのシリーズは、私の期待とは異なる方向に進んでいきます。
具体的には、グロ方面だけが強くなっていったのです。
このシリーズは触手や蟲を使ったシチュが特徴なのですが、あまりグロを強調しすぎると、痛くて引くというより、むしろリアリティがなさすぎてギャグに見えてきます。
そのため私は、このシリーズへの興味が次第に薄れていきました。
その点、本作は、一部ギャグみたいなシチュはあるものの、極端なグロ描写は少し控えめになって、対人エロが増えた感じでもありますので、エロさも感じられますし、エログロとして楽しむことができました。
キャラは相変わらず良い味を出しており、会話シーンも楽しいですし、シリーズ化したくなるのも分かるくらいの出来で、ここはこのシリーズの長所といえるでしょう。
ストーリーは、シリーズファンには少しマンネリに感じるかもですが、それなりには楽しめます。
何より、最近のエロゲはどれもこれも学園の日常シーンがあるので、それがなく、すぐにストーリーに入っていくだけでも、とても好印象です。
以上から、本作は過去作や最近のエロゲのマイナス要素がなく、シリーズ全体としても、本作はかなり上位にくるのではないでしょうか。
また、私は『淫妖蟲 蝕』が好きだったので、そちらを美化しかねないのですが、考えてみれば『淫妖蟲 蝕』の頃は画面もまだワイドではないですし、キャラデザも少し貧相だったんですよね。
キャラデザとかは、今の方が個人的には良いと思います。
あとは、これは今後の課題となるのでしょうけどね。
上記のとおり、基本的には過去作より進化しているものの、立ち絵の使い方が、ひと昔前のエロゲみたいなんですよね。
この辺り、もう少し工夫の余地があるように思いますし、そうすれば、もっと良い作品が生まれてくるでしょう。
<評価>
基本的には、シリーズの持つ魅力はそのままに、上記のようなマイナス要素がかなりなくなった作品といえるでしょう。
癖がなくなり、以前よりも幅広い方が楽しめると思いますし、十分に良作といえるでしょうね。
『淫妖蟲 蝕』は超えないかなと思うのでB-としましたが、立ち絵にもう少し工夫があればBとしていたと思います。
最後に、本作は2005年から続いているシリーズではありますが、ストーリーそのものは1作ごとに完結していますので、本作からプレイしても全然支障ありません。
ストーリーも楽しめるエログロ作品をプレイしたいのであれば、本作はおすすめできる作品だと思いますね。
Last Updated on 2024-08-06 by katan


