『星空鉄道とシロの旅』は、2020年にWIN用として、しらたまこから発売されました。
さかき傘さんがシナリオを担当した同人ゲーということで、注目した作品でした。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
この旅は 彼女のなかに、なにを残していくのだろう――。
飛び乗った汽車は、夜闇をふりきって、星空の下を走っている。
いい旅だ。
このツアーは当たりだった。
心地良い夜風に吹かれ、気ままな一人旅。
出会ったのは気のいい乗客たちと可愛い車掌さん。
そして……猫耳の女の子?
この旅は、彼女のなかに、何を残していくのだろう。
そして俺に、何を与えてくれるのだろう。
<感想>
さかき傘さんは、これまでに何本も作品を手掛けています。
私もいくつかプレイしているのですが、正直なところ、可もなく不可もないようなイメージであり、特に嫌いでもないけれど、好きでもありませんでした。
そのライターに対するイメージがかわったのが、2019年の『EVE rebirth terror』でした。
EVEシリーズは、初代が絶大な人気を誇り、これまでにも何本もの続編が出ているものの、初代が強すぎるからか、多くの作品は批判されがちでした。
まぁ、そもそも2作目以降はオリジナル版を作った菅野さんとは別の人が作っているので、私は公式同人としか思っていませんけどね。
そんな続編たちの中では、『EVE rebirth terror』は一般的にもかなり高い評価を得ていると思いますし、私もプレイしていて楽しかったです。
考えてみれば、『つよきす』の続編にしろ、『EVE』の続編にしろ、既存の根強いファンがいる中で、そのファンたちを満足させる続編を作るって、なかなかできることではありません。
しかも、『つよきす』と『EVE』なんて、全然方向性が違います。
方向性の異なる有名作の続編を担当し、それで多くの人が満足できる内容に仕上げるって、実は凄いライターなのかと思う反面、単に二次創作系が上手いライターとも言えなくもないため、それで新作を待っていたところに出たのが本作でした。
本作は、さかき傘版「銀河鉄道の夜」といった雰囲気の作品であり、結局のところは、ヒロインであるノワールの可愛さが全てというような、ノワールゲーといえる作品です。
総じて雰囲気ゲーに属する類の作品であり、それ以上に書くこともないです。
これはこれで、ファンなら満足できそうな内容ではあったのですが、上記のとおり、プレイ前の私のライターに対する印象は、二次創作の上手いライターというものであり、それにとどまらない作品を求めていたという観点からは、本作のような何かを連想させる作品は、あぁやっぱりねという感じにしかならないので、あまり良い印象にはなりませんでした。
その点は置いておくとしても、全体的にこじんまりと小さくまとまった感じで、なかなか面白く感じられなかったです。
それでも、ストーリーだけなら佳作相当だと思うのですが、本作の場合、システム部分に問題がありまして。
立ち絵とか動く場合、その間はクリックを受け付けなかったり、とにかくプレイしていて苦痛でした。
私の場合、多少のシステムの悪さは気にしないことも多いですが、雰囲気ゲーはいかにその雰囲気や余韻に浸れるかが肝心なので、システムのせいでその気持ちが途切れてしまうのは、かなりのマイナスになってしまいます。
<総合>
とにかくシステムが酷かったです。
これさえなければ、少なくとも佳作以上といえたでしょう。
本作のようにゆったりと雰囲気を楽しむ作品では、それをぶち壊すシステムは致命的です。
そのため、総合でも凡作とします。
ライターに対する印象については、結局本作の段階では、続編とか二次創作系を作るのが得意なライターのままになります。
次回は、もっと自分の色を出してほしいですね。
ランク:D(凡作)
Last Updated on 2024-08-08 by katan
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