『Detroit: Become Human(デトロイト ビカムヒューマン)』は2018年にPS4用として、ソニー・インタラクティブエンタテインメントから発売されました。
制作はクアンティック・ドリームになります。
『ファーレンハイト』の頃から注目を浴び続けているブランドなので、それで注目した作品でした。
<概要>
ゲームジャンルは3DADVになります。
あらすじ・・・
2038年、デトロイト。
人工知能やロボット工学が高度に発展を遂げた、アンドロイド産業の都。
人間と同等の外見、知性を兼ね備え、様々な労働や作業を人間に代わって担うようになったアンドロイドは、社会にとって不可欠な存在となり、人類はかつてない豊かさを手にいれた。
しかし、その一方で、職を奪われた人々による反アンドロイド感情が高まるなど、社会には新たな軋轢と緊張が生まれはじめる。
そんな中、奇妙な個体が発見される。
「変異体」と名付けられたそのアンドロイドたちは、あたかも自らの意志を持つかのように行動しはじめたのだった。
<ゲームデザイン>
本作は、公式にはアクションアドベンチャーとなっているかと思いますが、よくあるアクションADVのように、ADV要素のあるアクションゲームというのではなく、リアルタイムな要素もあるADVということで、ADVの方が主となっています。
また、難易度を下げることもできますので、アクションが苦手な人でも楽しめる内容になっています。
要所要所でQTEが発生したり、あちこち調べるところはコマンド選択式と実質的に同じといえるものの、本質的にはストーリーを堪能する作品であり、多岐にわたる分岐を楽しむ作品であることから、本作の楽しみ方のベクトルとしては、ノベルゲーと同じと言えるでしょう。
まぁ、ここの過去作をやっている人であれば、あまり説明する必要はないかもしれませんね。
<感想>
本作のように分岐していく非アクション系の作品は、最近のCSでは少なくなっています。
また、ノベルゲーにしても、近年のノベルゲーは、ゲームブック型の分岐の多いノベルゲーではなく、シナリオを読ませることに重点をおいた、ノベルウェア型のノベルゲーが大半を占めています。
そのため、本作で初めて本作のような作品に触れた人は、少なからず衝撃を受けるのではないでしょうか。
実際、グラフィックについては、高い水準で作られており、良く作ったなと思います。
ただ、ADVとして謎解き要素が優れているわけではなく、分岐にも、何度もやりたくなるほどの魅力は感じられませんでした。
もっと問題なのは、ストーリーになるのでしょう。
設定自体は、ゲームに限ってもわりと見かけるものであり、特に意外性を感じられるものではありませんでした。
本作の肝となるのが、アンドロイドの存在なのでしょうが、この部分の設定が雑であることから、この作品をアンドロイドでやる必要があったのか、疑問に感じてしまいます。
例えば、許されぬ身分違いの恋とか、奴隷等の解放とかを扱った物語は昔から一杯あるわけで、それらとの区別がいまいちできていないように思います。
まぁ、今は世間がいろいろ煩くなってきていますからね。
ちょっとしたことでも、差別だの何だのと言われかねません。
だから面倒くさいことを言われないように、人権のないアンドロイドという言葉を使っただけではないかと、そんな変な邪推をしてしまいそうになります。
小難しいことを抜きにしても、同ブランドの過去作の方が、ストーリー的には盛り上がれて楽しめたように思いました。
<評価>
制作費の少なそうな小規模な作品が多いADVの中にあって、ここまで良く作ったなとは思います。
繰り返しになりますが、この手のADVをやったことのない人には、ぜひとも一度はプレイしてもらいたいとも思います。
また、作品ごとに確実に技術が進歩していっているのも、好印象につながるといえるでしょう。
ただ、個人的には、技術的には進歩しているものの、インパクトについては『ファーレンハイト』から減り続けているようで、そのため、少し辛めの評価となり、総合でもギリギリ良作とします。
ランク:B-(良作)
Last Updated on 2024-08-14 by katan