BRAVA!!

2013

『BRAVA!!』は2013年にWIN用として、Sweet lightから発売されました。

演劇を題材にした作品であり、テンポの良い作品でしたね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・「舞台の上にはヒロインがいる」
果たしてそう言ったのは誰だったか。
あれは確かじいちゃん――先代の劇場オーナーの言葉だった気がする。
だけど今は――ガラガラの観客席。それでも続ける漫才師。
しかも後ろではエッチしてるカップルまでいるし!
なぜ、どうしてこうなった!?
勃ち――立ち上がった俺が拳を握りしめる。必ずこの劇場を復活させてやる!
……で肝心の劇団のメンバーを集めてみれば――
あの人は今?な元国民的子役に日本語がおかしなロシアンクォーター
声優を目指すプチこもりに
そして、劇場を託された幼馴染み姉妹が加わって……
一癖も二癖もあるメンバーを前に、俺は劇団を成功へ導くことが出来るのか!?

<感想>

このブランドの作品の特徴として、セリフを吹き出しで表示させられるというものがあります。
もちろん、話をするヒロインのそばにセリフが表示されます。
海外のADVでは、話をする人のそばにセリフが表示されるのは普通ですが、なぜかエロゲではそうではありません。
いつになっても、下部テキスト欄に表示するのが主流です。
立ち絵の細かな変化を見てもらいたいのであれば、立ち絵とセリフは近い位置にあった方が絶対良いのですが、テキスト欄という固定観念にとらわれているブランドが多いのでしょう。
まぁ、昔は、一度に3行とか、もっと多くのテキストを表示させ、一ページ内の情報量を増やそうという時期もありましたので、それであれば、テキストは画面下部のテキスト欄にというのも理解できます。
しかし、今のエロゲは、ほとんど1セリフしか表示されず、1行で終わることが大半です。
そうであるならば、セリフについてはヒロインの近くに配置した方が良いです。
1行程度の1セリフなのに下部テキスト欄固定なんてのは、ナンセンスです。
したがって、吹き出し機能一般については、とても良いと思います。

ただ、本作の場合、吹き出し内のセリフが縦書きになっています。
主人公のセリフや説明文等はテキスト欄で横書きですから、縦書きと横書きが混ざってしまい、少し違和感があるかもしれません。
そのため、このシステムを一般化することは少し改善の余地があるでしょうが、少なくとも本作に限っていうならば、演劇を題材にしていることもあり、また、そこに展開がテンポ良く進むことも相まって、特に違和感もなく、これはこれで合っているように感じました。

ストーリーは、寂れた劇場を立て直そうということで、演劇を題材にした作品になります。
最初は上手くいかないですが、前向きに改善して成長し、突き進んでいきます。
無駄で脈絡のないシリアスとかではなく、最初に提示された目標に向かって突き進みますし、無駄な学園パートに必要以上に時間を割くこととかもありませんので、だれることなく、最後まで一気に楽しむことができました。
主人公が好青年であるだけでなく、主人公もヒロインも成長していくので、見ていて気持ちが良いのです。
この辺は、好印象ですね。

他方で、本作の場合、演劇一本に絞っているということが、良い方にも悪い方にも作用してしまっています。
つまり演劇の話ばかりになっていますので、最初にプレイした時は面白いのですが、どのルートも似たり寄ったりなことから、ヒロイン全部をクリアしようとすると、楽しいはずなのに飽きてくるということになりかねないのです。
もう少しストーリーに横の広がりがもてれば、もっと良かったでしょうね。
その点がもったいなかったです。

<評価>

総合では良作といえるでしょう。

シリアスなストーリー重視でもなければ、エロエロでもなく、イチャラブがあるわけでもありません。
そういう意味では、近年のエロゲとして考えた場合、決して人気の得やすいタイプではないのでしょう。
しかし、演出にちょっとした工夫がみられる作品で、テンポ良く一つの目標に向かって主人公とヒロインが突き進み、共に成長していく姿を見られるというのは、読んでいて気持ちの良いものです。
カタルシスのような大きな感動とかはないかもしれませんが、プレイし終わって、あぁやって良かったとシンプルに思える、良質な作品といえるのではないでしょうか。

ランク:B-(良作)


駿河屋

DL版

Last Updated on 2024-11-10 by katan

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