青い空のカミュ

2019

『青い空のカミュ』は2019年にWIN用として、KAIから発売されました。

背景に青空のあるCGが凄く魅力的で、それで興味を持った作品でした。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
たとえ世界が失っても、たとえ世界を失っても、これは二人の少女を繋ぎ止める三日間の物語。
ただ完璧な日の捻じれた不条理。
空は青く果てしなく、透き通るように無意味だった
Qui a tue fille
そのことだけが知りたくて。

<感想>

本作は、二人の少女がゾンビ的なものに襲われる、いわゆるパニックホラーをベースにしつつ、そこに文学や哲学的な要素を盛り込んだ作品になります。

本作において、個人的に一番良かったところは、一部の一枚絵になります。
具体的には、青空が見える類のCGは、とても素晴らしかったです。
この先どうなるのだろうと、一枚のCGを見ただけでも、いろいろ想像したくなりますし、ワクワクしてきます。
この点は、本当に良かったと思いますし、これだけで十分に元が取れますね。

逆に残念なところとしては、青空のない場面ですかね。
本作では、暗い場面で主人公らが襲われる場面が多いのですが、なんかありきたりなパニックホラーという感じで退屈でした。

惜しかったところとしては、ストーリーになるのでしょう。
前述のとおり、本作には文学や哲学的な要素が盛り込まれ、考察好きなユーザーが好みそうな要素が含まれています。
この部分を前面に押し出し、内容を掘り下げていれば、もっと面白い作品になっていた可能性は大きいです。
しかし、本作は全体のボリュームが少なめであるうえに、パニックホラーの要素が結構含まれていることから、この要素に割かれる割合も自然と限られてしまい、結局消化不良のような感じになってしまいました。
しっかり練り込めば、もっと面白くなりえただけに、とてももったいなかったように思います。

あと言及する必要があるとすれば、本作の構造になるでしょうか。
本作は、視点がコロコロ変わる類の作品であり、ゲームデザイン上もそう設計されているので、意図してそういう作りにしたのでしょう。
ただ、これがあまり上手く機能していなかったように思います。
単純に主人公二人の視点だけで、二人の物語として描いた方が、筋の通った良いストーリーになったでしょう。
なんかいろいろ混ぜて、あっちこっちに飛んで、結果的に落ち着きのない作品になっちゃったかなと。
さじ加減一つで、いくらでも変わったと思うので、ちょっともったいなかったですね。

<評価>

凄く良いところもあったし、勿体ないところも多かったので、それだけに惜しい作品でしたね。
そのため、総合でも佳作とします。
とりあえず、サンプルCGを見て良いなと思えた人ならば、楽しめるように思います。

ランク:C(佳作)


駿河屋

Last Updated on 2024-08-08 by katan

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