ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島

1987

『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島』は1987年にディスクシステム用として、任天堂から発売されました。

ザッピングシステムを用いつつ、日本の昔話を題材にした、個性的な作品でしたね。

<概要>

ゲームジャンルはコマンド入力式ADVになります。

あらすじ・・・
むかしむかし、長串村という山奥の小さな村に、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
ある日、子供がいなかった2人は、夢のお告げどおりに男の子と女の子の赤ん坊を授かり、喜んで育てることにしました。
月日が流れ、子供たちが8歳になった頃、はるか西の都で異変が起きました。
突如現れた巨大な龍が人間を鬼に変え、人間の魂を奪い取らせているというのです。
鬼の魔の手は長串村にも伸び、おじいさんとおばあさんの魂も奪い去られてしまいます。
運よく難を逃れた子供たちは、おじいさんとおばあさんを救うため旅立ったのでした。
その旅が、自分たちの出生の秘密に大きく関わることとなるとも知らずに……

<感想>

本作は、元々はディスクシステム用として発売されました。
ディスクの場合、価格が安い分、容量が少ないこともあり、1本の作品を前編と後編というように分割して発売することもありました。
本作もまた、そうした中の1本であり、前編と後編の2作が発売されています。
それぞれを別の作品として扱うことも考えましたが本作の場合、1本あたりの価格は通常のソフトの半分の価格ですし、発売時期も同じ年の同じ月でしたからね。
そのため、2つで1つの作品として扱います。

さて、内容はタイトルから何となくわかるようにも思えますが、様々な日本の昔話をモチーフにした、和風のストーリーでした。
良く言えばいろんな昔話のオマージュであり、平たく言えば何でもかんでもちゃんぽんにしたような感じですね。

こういう類のストーリーは、今でも少ないかと思いますが、当時ではなおさら珍しかったです。
あの頃のADVは、推理系かSF系ばかりなイメージでしたからね。
もちろん、探せば他にもありますし、メルヘンチックな作品やファンタジーもありましたが、いずれにしても、ここまで「和」を前面に打ち出したゲームはなかったでしょう。
そうした他と違う路線を歩んだという点は、素直に評価されるべきでしょうね。

ただ、珍しさも相まって結構楽しめはしましたが、内容自体はわりと普通だったかもしれません。
ストーリーの本筋というよりも、全体に漂う雰囲気や珍しさで評価されてるって感じですね。

また、今日の観点で大きな意味をなすのは、ゲームデザイン面にあるのだと思います。
本作は、基本的にはコマンド選択式のADVなのですが、そのコマンドの中に「ひとかえる」っていうのがあったのです。
どういうものかと言いますと、本作には主人公が2人いて、そのどちらで進行させるかを選ぶために、主人公をかえることが出来たのです。
つまり、ザッピングシステムの元祖的意味合いがあるわけですね。

現在のADVでザッピングシステムがあるという場合、異なる複数の場所における複数の主人公ということで、ザッピングにマルチサイトシステムの要素が加味されたものが多いです。
本作はマルチサイトの要素がないので、より純粋なザッピングと言えるでしょう。
このシステムによりゲーム性は向上しましたし、ADVの面白さの幅を広げることにも成功しました。

<評価>

総合では限りなく名作に近い良作とします。
ザッピングシステムの導入と和風な雰囲気のといった特徴がありますので、名作という人がいても、何ら不思議ではない作品といえるでしょう。

任天堂も、最近は全くADVを作らなくなりましたが、またこうした作品を作ってほしいものですね。

ランク:B(良作)

ファミコンミニ ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島 前後編

Last Updated on 2024-05-14 by katan

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