クロスブリードジョーカー

2019

『クロスブリードジョーカー』は2019年にWIN用として、猿兵団から発売されました。

作者が2010年から作り続け、採算度外視で作り込んだだけあり、良く練られた作品でしたね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

概要・・・
天使と悪魔たちによるガチ異能バトルと、ヒロインに襲い掛かる異能責めエロス。
崖っぷちサークル猿兵団が全リソースをつぎ込んでお届けする異能バトル×バッドエンドエロスADV!
本作は、ガチ異能バトルものの中二ゲーかと思わせて選択肢を誤ると抜きゲー仕込みのバッドエンドエロが展開するという『バトル&エロス』なエロゲーです。

<ストーリー>

公式ジャンル名は、異能バトル×バッドエンドエロスADV。
まさにその名のとおりであり、ストーリーの大枠としては異能バトルとなります。

熱い異能バトルがメインではあるのですが、選択肢を間違えると、ヒロインが犯られてしまう、いわゆるバッドエンドへと向かいます。
このバッドエンドに向かうルートがボリューム的にも充実していて、エロも十分な量が用意されています。

本作の場合、上記のとおり、核となるストーリーがあるのですが、それだけでなく、ヒロインとの日常会話を楽しむモードがあります。
そのモードの存在により、ヒロインへの愛着や想い入れが深まっていく中、ヒロインが犯られてしまうわけですから、こちらにくるダメージ(興奮)も大きくなります。
エロやNTRは、シチュよりも自分にとって大事な人が犯られてしまうというヒロインとの関係性を重視するような人だと、本作は間違いなく楽しめるように思います。

<グラフィック>

本作の大きな魅力として、豊富なCGだけでなく、その使い方が挙げられるでしょう。
同人だとVENUS作品とかにあるような、背景に立ち絵をとけこませた場面が多数あり、非常に構図の良い作品だと思います。
カットイン等も豊富にありますし、総じて演出が良い作品といえるでしょうね。

ストーリーに則したCGが用意されていることから、グラフィックとテキストの融合という、ノベルゲームのもつ本質的な魅力が十分に発揮されています。
異能バトルという題材自体は、今ではありふれたものですが、グラフィックや演出との相乗効果により、面白さが格段に増したといえるでしょう。

<感想>

実のところ、本作をプレイしていて、個人的に一番興味を抱いたのは、この作者って何者?ってところでして。
私が作者に興味を抱くのは、なんか久しぶりのように思います。
なんで興味を抱いたかというと、この作品を見た限り、凄く良くADVのことを知っている方に見えるからです。

ハッピーエンドがありつつも、選択肢次第でバッドにもなる、それが実現できるのがゲームならではの魅力でしょう。
もう何年も前から私が言い続けていることです。
エロゲであれば、ヒロインとの幸せと陵辱等のバッドとの落差ないしギャップ、これが激しければ激しいほど、それぞれのルートが活きてきます。
ハッピーとバッドの両立と充実、本作はそれに成功しています。

また、本作には、ヒロインとの日常会話を楽しむシーンがあります。
これは、会話する相手を選び、その相手との会話が終わっても、また同じ相手を選ぶと、コメントが変化したりします。
ひと昔前はコマンド選択式ADVが主流でしたが、コマンド選択式は今では一般論としては不評となり、ほとんど見かけることはなくなりました。
しかし、コマンド選択式が好きだったという人は今でもいますし、そうした人にコマンド選択式の好きなところを聞くと、同じコマンドを何度か選択した時に、セリフが細かく変わるところと答える人が多いです。
本作の会話モードは、そういうひと昔前のコマンド選択式の良い部分が取り入れられているのです。

上記のとおり、コマンド選択式には良いところもありますが、逆に何度もコマンドを選ぶのが煩わしいという欠点もあります。
しかし本作は、会話モードが嫌なら、とばしてしまっても問題ないわけで、一般的なコマンド選択式の欠点は存在しません。
また本作は、基本はノベルゲームですので、選択肢により分岐していきます。
ハッピーを目指していたのにバッドに進んでしまった場合、選択肢からやり直す必要が出てきますが、ノベルゲーが嫌いな人は、そういうやり直しが煩わしかったりします。
本作の場合、選択肢を選んでも、簡単に直前の選択肢に戻れますので、ノベルゲー特有の煩わしさもありません。

ゲームを長い期間一杯やっていると、あれ良かったな、これ良かったなとか、逆にあれは良くないなとか、いろいろ感じると思います。
他メディアにはないエロゲとしての魅力を実現しつつ、コマンド選択式、ノベルの良い部分は取り入れ、逆に煩わしいところは極力なくしてしまう。
言葉にすると簡単に見えるかもしれませんが、それができていないゲームが圧倒的に多い中で、本作はそれができているように見えるわけでして。
この作者はADVを良く知っている方なのかなと、そんな風に見えてくるのです。

上記の他、たとえば音声にしても、同人とは思えないような豪華さです。
自分がゲームを作ろうと考えた場合、今だったら、このヒロインにはこの声が良いなとかも、いろいろ妄想すると思います。
それを実現したって感じなんですよね。

<評価>

総じて本作は、なんか一杯いろいろ経験してきた作者が、自分の持っている知識や経験を総動員し、本当に自分の作りたいものを、時間も採算も度外視で作り込んできたような、そんな情熱を感じさせる、久しぶりに良い意味での同人らしい同人ゲーだと思います。
したがって、総合でも名作と判断します。

次の作品を望んでも、また10年後とかになりそうですが、できればこの作者の新作をもう一本はプレイしてみたいものですね。

ランク:A(名作)


Last Updated on 2024-08-09 by katan

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