罪喰い ~千の呪い、千の祈り~

2016

『罪喰い ~千の呪い、千の祈り~』は2016年にWIN用として、Operettaから発売されました。

テキストとキャラデザはよかったですね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
いつも通り勉強し、いつも通り友人と喋り、いつも通りの星空を見ながら歩いていた、高校からの帰り道。
主人公は突如、思ってもみない不運に見舞われる。
声すらあげられない恐怖と、苦痛。
悶え苦しむ主人公の耳に届いたのは、不思議な雰囲気をまとう青年――永海連の声だった。
彼の口づけは主人公を救い、引き返せない呪われた道へと誘う。
道の果ては『解放』か『死』か。鬼に堕ちて、定を知る。

本作のヒロインである庵崎薫は、異常者によって目前で両親を殺されたトラウマを心の奥底に抱えながらも、日々を前向きに過ごしていた。
だが、とあるきっかけで鬼とも呼ばれる存在『上樹の一族』になってしまう。
しかも助けてくれた連という青年いわく、薫の前世である『世羅姫』が受けた呪いにより、咎人を喰らう『罪喰いの儀』を行わなければ、酷い乾きの果てに死ぬのだと告げられる。
薫は突然人を喰らわねばならなくなった己の運命に戸惑いながらも、罪人を喰らうことで誰かを救えるのならと、罪を背負い生き続ける決心をするが…。

<感想>

本作は女性向けの、いわゆる乙女ゲーになります。
レーベル名によって18禁のときと一般の時があるのですが、今回はOperettaからの新作ということで、18禁ではなく一般向けになります。

松竹梅さんがシナリオを担当しているので、これは鉄板だろうと事前に予想していたところ、案の定テキストは安定して面白かったです。

また本作は、個人的にはキャラデザが非常に好みでして。
特にヒロインであり主人公でもある薫は、見た目も非常に好きなのですが、それに加えて、普段のちょっと気怠そうな声も好きで、かなりお気に入りのキャラでした。

ただ、問題はストーリーですかね。
これも普通には面白かったのですが、薫のこの設定で、この行動をとるのかなとか、ちょっと気になった部分もありまして。
また、全体的な印象として、自分が女性向けノベルに求めているもの、即ち男性向けノベルにないものとなるのですが、それが少し欠けていたようにも思います。

それから、これはあくまでも個人的な感想となりますが、作中にそれっぽいシーンもあるのだから、だったらHシーンもしっかり描いて、年齢制限ありで出して欲しかったなと。
なまじキャラが好みだっただけに、ちょっと残念でした。

グラフィックに関しては、一枚絵は綺麗なだけでなく、そこにエフェクトも加わって更に良くなっています。

少し一般論にもなりますが、男性向けノベルは長い間、一枚絵の進化が停滞していて、もっぱら立ち絵部分の演出強化ばかり行ってきました。
それに対して女性向けノベルは、立ち絵の演出強化よりも、一枚絵の演出強化を優先して進化しているように思います。
つまり男性向けと女性向けは、進化の方向性が異なるのです。
そして私の意見としては、女性向けノベルの方が、進化の方向性として正しいのだと思います。

なぜならば、作品内で重要なところ、即ち強調したいところに一枚絵を用いるのであり、そこがストーリー上で盛り上がる場面なのですから、そこでより鮮烈にプレイヤーの記憶に残らせるためにも、その大事な場面での演出は惜しみなくやるべきなのです。
逆に何気ない日常シーンとか、ビジュアル的にも重要でない場面は、もちろん演出が凝っているにこしたことはないのだけれど、重要な場面よりは優先度としては低くなるはずであり、もっと先に力を入れるべき点があるはずです。
ゼロ年代の男性向けノベルは、いうなれば大事なところに力を入れず、大事でないところにばかり力を入れてきたわけでして。
これでは本末転倒ですし、私には的外れな、明後日の方向へ向かっていったようにしか見えないのです。
それゆえ、一枚絵に演出を加えるなど、一枚絵のクオリティアップを優先させる女性向けノベルは、私からすれば、これこそ正常な進化の方向性だと思うわけです。

<評価>

十分に面白い作品だと思います。
ただ、松竹梅さんの作品としては、もっと他にも面白い作品があるだろと思いますし、それらよりは優先度が少し劣るのかなと。
したがって、総合では良作とします。

いずれにしてもファンならまず楽しめるでしょう。
他方でこのブランドの作品を未プレイの人なら、本作より先に別の作品から入った方が良いかと思いますし、もしそれで気に入ったならば、本作にも手を出してみるのが良いと思います。

ランク:B-(良作)


ステラセット

Last Updated on 2024-09-07 by katan

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