『美少女ギャラリー』は1991年にPC98用として、スタジオみるくから発売されました。
和製マンホールって感じの作品でしたね。
<概要>
ゲームジャンルはポイント&クリック式ADVないし、インタラクティブムービーになります。
本作は無人島や潜水艦の中などを探索しながら、美少女の描かれたCGのギャラリーを探すことが目的となります。
この例えで分る人がいれば手っ取り早いのですが、世界的名作『マンホール』のアダルトゲーム版みたいな作品ですね。
なお、本作には特典として「パンティ」が付いていました。
<スタジオみるく>
PC88時代のPCゲーに詳しい人ならば、スタークラフト社の名前は当然知っていると思います。
超有名どころは後回しってことと、私はADVは全般的に好きなのだけれど、コマンド入力式はそれ程好きではなかったこともあり、そのためこのブログでは扱う機会は少ないのですが、それでも自分が名作と思ったスタークラフト作品は何度か扱っていますしね。
スタークラフトは、PC88時代には主に海外の名作を移植していたのですが(だから、スタークラフトのゲームを買っておけばはずれなかったわけで)、次第にオリジナルの作品も作るようになりました。
その中でも、アダルトゲーム専門レーベルとして作られたのが、「スタジオみるく」でした。
ちなみに、スタジオみるくは一時期、ゲームの特典にパンティを付ける習慣があり、本作にパンティが付いているのも、その一環と言えるのでしょうw
<感想>
さて、本作は画面内をクリックして進めていくタイプのADVになります。
具体的には、テキストはほとんど廃し、主に映像とサウンドで世界観を感じさせる作品でした。
目的としては、美少女の描かれたCGが展示されている幾つかのギャラリーを探しだし、そのCGを見ることになるのでしょう。
とは言うものの、CGギャラリーは最後の到達点であり、クリアのための目安程度なのかもしれません。
エロテキストもないので、ぶっちゃけ、あまり実用性が高いとも思えないですしね。
むしろ、そのCGギャラリーに辿り着くまでに、不条理な世界を探索して回ることこそが、本作の醍醐味なのであり、最大の魅力なのでしょう。
たとえば、ゲーム開始時には暗い丘の上のような場所にいるところ、空をクリックするとUFOが飛んでいきます。
画面左脇に木があるので、その木にある穴をクリックすると、穴の中に飛ばされます。
飛ばされた先には案内役のお姉ちゃんがいて、そのお姉ちゃんの胸をクリックすると胸を見せてくれますし、下半身をクリックするとスカートをまくってパンティを見せてくれます。
先に進むと、今度はPCの画面のようなものが登場し、その画面に表示されている海に浮かぶ小島をクリックすると、今度はその小島へと飛ばされます。
そのまま島に上陸しても良く、上陸する場合には、地面をクリックすれば何かが生えてきたり、島にある建物の中にはCGギャラリーの一つがあります。
上陸せずに島の周囲の海をクリックすると、画面が下方向にスクロールしていき、海の中に潜水艦が登場します。
もちろん、潜水艦や周囲の海などもクリックすれば、いろいろアニメーションで動きがあります。
後は、ずっとこういうことが続くわけですね。
画面のあちこちをクリックすれば、アニメーションで様々な反応が見られますし、小島から潜水艦に移動したと思えば、また無人島に飛ばされたり、或いは宇宙船の中に飛ばされたりもします。
クリックすることで、次々に異なる場所に飛ばされていくわけですね。
そのクリックすると見られる反応や、不思議な世界を探索すること自体がとにかく楽しい作品なのです。
そもそもADVというのは、入力するデバイスと密接に関係しているジャンルです。
最初期のコマンド入力式なんてのも、キーボードが主な入力手段だったからという側面が強いでしょう。
そこから新しいデバイスが登場することで、ADVも新しい可能性を広げていったわけです。
たとえば数年前だと、携帯機のDSのタッチペンなどもありますし、最近ではiPhoneなどタッチスクリーンを用いた機種が増え、そこではフリックなどの新しい入力方法が生まれ、新しい楽しみや可能性を生み出していっていますよね。
昔のことなんか知らないよって人でも、初めてDSに触れた時のことや、初めてタッチスクリーンを触れた時のことならば、想像しやすいのではないでしょうか。
こうして、その時々で新しい出会いがあるわけですが、ある意味PCの入力方法で一番画期的だったのがマウスなのでしょう。
最近のノートパソコンとかにはマウスが付属しなくなりましたが、90年代以降は、マウスはPCに最初から絶対に付属していますので、それだけ当り前の存在だったといえるでしょう。
しかし、PC88の頃は、マウスは標準ではなかったのです。
マウス自体は存在したかもだけど、標準装備ではなかったので、我が家のPC88にはなかったですしね。。。
PC98が主流になっていくことで、マウスも標準化されたのです。
だからPCゲーの主流がPC98に移行することで、もちろん解像度や色数などが増えたことも大きいですが、それだけでなくマウス操作も標準化された点は非常に大きかったと思います。
実際、細かい年代は忘れてきているのですが、90年代初頭のゲームとかだと、フルマウスオペレーションがウリとされた作品が幾つもありましたからね。
マウス操作を前提としたゲーム作りというのが最先端で、かつ可能性を感じさせてくれた時期っていうのが昔にあったということです。
画面クリックが主となるポイント&クリック式は、理論的にはPC88時代から存在したのだけれど、このジャンルはマウス操作を前提としてゲームが作られることで、ようやくジャンルとして形になったのだと思います。
その、「次々画面をクリックする楽しみ」を追求したのが、世界で最も有名なADV『MYST』の先祖である、『マンホール』でした。
本作の楽しさというのは、まさに『マンホール』の楽しさと同じでして。
だから『マンホール』のアダルトゲーム版であるとか、和製マンホールという表現が相応しいように思うのです。
『マンホール』の日本語版が発売されたのは90年で、本作は91年の発売です。
これより遅くなると、ジャンルとしての新鮮さは失われてしまいますし、ある意味この時期に発売したってことが一番重要とも言えるのでしょう。
また、この時期にこういう作品を発売できたというのも、世界中の名作に精通していたスタークラフトだからこそとも言えるし、スタジオみるくにしか作ることは無理だったのかもしれませんね。
まぁP&C式の面白さにいち早く着目したという点では、エルフと蛭田さんの存在を忘れることはできず、つくづく蛭田さんは凄かったなとか思ってしまうのだけれど、エルフの作品の場合は、P&Cを用いたストーリー性のあるADVであり、海外で言えばルーカスアーツの流れに属すると言えるのでしょう。
したがって、蛭田作品の場合、もっと純粋にクリックの楽しみを追求しテキストを廃した絵と音の世界の構築するという、マンホール系の流れとは異なると言えます。
マンホール系の流れに属するアダルトゲームとなると、明らかに妥当すると言えるのは本作くらいなものでしょう。
その点で本作は、アダルトゲームの中でも異質な存在だったのです。
<評価>
この作品、まずタイトルが悪いですよね。
「美少女ギャラリー」、サブタイトルを含めても「ちょっとHな美少女ギャラリー」ですから、普通はCG集か、その亜種くらいにしか思われないでしょ。
スタジオみるくだから、きっと何かあるに違いないと考えた人でないと、ちょっと手を出しにくいです。
ちなみに、この記事も目玉の一つとして私にしては長く頑張って書いたのですが、タイトル見てつまんなそうだから読まなくていいやって人もいそうだし・・・
元より古い作品は記事の需要が低いのだけれど、この作品なんて特に関心が持たれなそうですからね。
だからこそ、この作品のことは全く知らないのに、それでもこの記事を読んでみようって思った人は、普段からゲーム探しも上手いんじゃないかなって思います。
閑話休題。
90年と91年って、アダルトゲームの歴史の中でも、最もRPGの占める割合の高い時期でした。
多くのユーザーの視線は、RPGなどに向いていた時期といえるでしょう。
また、ADVはADVでストーリー重視の作品が増えていましたので、本作のような作品は注目されにくかったと思います。
洋ゲー好きには本作は好まれそうだけれど、当時のその手のユーザーだと、MACの『スペースシップワーロック』とか『ALICE』とか、そっちに行っているでしょうからね。
今で例えるなら、steamでインディーズのADVにはまっている層であるとか、iOS用のADVを楽しんでいる層の中で、WIN用の商業アダルトゲームを隅々までチェックしている人がどれだけいるのかと。
もしWIN用エロゲにインディーズの洋ゲーっぽいADVが出てきても、その手のゲームを好むユーザーには気付かれないだろうし、エロゲの主流ユーザーにはそっぽを向かれるだけでしょう。
同じADVと表現される作品であっても、エロゲと洋ゲーの方向性は全然異なりますし、そのためにユーザー層も違ってきているでしょうからね。
それと同じで本作の場合、そもそも好きそうな人に知れ渡らなかったのがマイナーな要因なのかなと。
というわけで、アダルトゲームとしては非常にレアなジャンルの作品ですが、自分の場合はアダルトゲームだからとの理由では特別視しません。
それでも『マンホール』とかの洋ゲーほどの完成度はないにしても、結構面白かったんですよね。
したがって、総合では良作としておきます。
あちこちクリックすると反応があることの楽しみを知っている人なら、まず本作の楽しみ方も分ると思うのですが、それだけに知名度が低すぎるのは勿体なく思ってしまいますね。
最後に余談になってしまうのだけれど、このブログ、5月に止めるつもりでいたんですよね。
それを続ける気になったというのは、そういやまだ本作を紹介していない、こういう作品を紹介するところがあっても良いのではないかと思ったものですから。
これを書いているうちに、あれもこれもまだだなとなったので、もう思い残すことはない・・・とまではいかないけれど、それでも一区切りついた気分ですね。
ランク:B(良作)
Last Updated on 2024-08-22 by katan



コメント
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ずっと辞めないで下さい!
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ありがとうございます。
投稿間隔は、どうしても長くなっていくと思いますが、
時間の取れる間は、続けたいように思います。