『ブロークン・ソード 眠れる竜の伝説』は2004年にPS2用として、マーベラスインタラクティブから販売されました。
オリジナルの『Broken Sword 3 The Sleeping Dragon』は2003年の発売で、開発はイギリスのRevolution Sonftwareとなります。
<概要>
『Broken Sword』と呼ばれるシリーズがあります。
海外では非常に高い評価を得たシリーズで、ベストADVの企画を行ったとしても、本命の一角に絶対に名を挙げるであろう作品でした。
初代に関しては、私も以前に非常に高い評価をしました。
もっとも、シリーズとは言っても初代は1996年で2は1997年の発売。
その後は、まるっきり途絶えていました。
その『Broken Sword』シリーズの続編が久しぶりに発売されたのは、何と2003年のことです。
実に6年ぶりですからね、速報を聞いた時には驚きを隠せませんでした。
かように、あの名作の続編を遊べるというだけでも興奮ものですが、それだけじゃなかったわけでして。
どうやら制作したRevolution Sonftwareの社長さんが、発表の場で大口を叩いたみたいなんですね。
4gamerさんの記事によりますと、「ポイント&クリックのアドベンチャーゲームは死んだ。アドベンチャーゲーム万歳!」と言ったとのこと。
これはこれまでのP&C式は古臭く、3D世界で自由に動き回れる操作性を追及することが、絶滅危惧種に指定され始めたADVを救うという意味らしいです。
ここまで聞くと、とっくに「トゥームレイダー」や「バイオハザード」のようなゲームがあるじゃないかと思う人もいるでしょう。
しかし、社長さんは、「アドベンチャーゲーム」と「アクションアドベンチャー」は、全く異なるゲームプレイや性質を備えていると主張し、「ほかのゲームはアクションゲームにストーリーを盛り込んだものだけど、真のアドベンチャーゲームはその世界とストーリーが最重要だからです」と語っていたそうです。
実際にどういうゲームが出来上がるかはさておき、この社長さんの言葉には同意出来ることがとても多いなと思ったわけでして。
それでこのゲームに期待したわけです。
その後、本作は2003年にPC用で発売されたわけですが、案の定、日本語版はありませんでした。
しかも悔しいことに、海外での評価は大絶賛ばかり。
2003年のPCゲーでは間違いなく、世界中で最も高い評価を得たADVでしょう。
これは英語版を買ってやるしかないかな~って思ってた矢先、耳に入ってきたのがこの『ブロークン・ソード 眠れる竜の伝説』でした。
つまり、PS2用の日本語版の話だったのです。
これは少し待ってでも日本語版を買わねば、そう期待して待ったものでした。
<感想>
さて、具体的な内容を見てみますと、ストーリーはインディ・ジョーンズばりの大冒険もので、しかも1作品で世界中のいろんな都市を舞台に動き回る作品です。
ADVでここまで「距離的に」壮大な作品も珍しいし、かつ冒険ものってことで終始盛り上がりましたね。
こうした傾向は初代から続くもので、シリーズの持つ魅力を本作でも、きちんと踏襲していると言えるでしょう。
まぁ、若干繋がりが雑というか唐突な感もありますが、昔のADVでは割とよくみられた光景で特に問題もないでしょう。
グラフィックは、本作が従来のP&C系と差別を図ったところでして、全てが3Dで構成されています。
ただ、及第点ではあるけど長所と言い切るほど良くもないような・・・
世界中を冒険するために、土地が変われば景色も変わります。
各地の全然異なる風景を堪能できたのですから、そういう意味ではグラフィックは良かったとは言えるのでしょう。
しかし、そうではなくて、それ以外の部分、つまり3Dの作りこみや画質とかは平均レベルだと思いました。
もっとも、今回の私は日本語版でのプレイであり、PS2版のプレイになります。
高い評価を受けたオリジナルはPC版ですので、これはPC版でプレイしたらまた違う印象になるかもしれませんね。
画質等が普通だなって感じたのは、あくまでもPS2版での話ですから。
そして肝心のゲーム部分です。
確かに、P&C式ADVの持つ面白さを3D・ADVでも再現しています。
従来の非アクション系の3D・ADVは、ゲーム性の点で大きくP&C式に劣っていました。
というのもプレイヤーの介入できる範囲が、主人公の行動可能範囲に限られてしまっているケースが多く、その分だけ自由度が減ってしまっていたからです。
それを考えると、本作は実に良く出来ています。
しかし裏を返せば、見た目が変わっただけにすぎず、プレイ感覚はまんまP&C式ADVのそれなんですよ。
もちろん、これはこれで十分良くは出来ているのだけれど、社長さんが大口を叩いたほど何かが変わったかと言うと、驚くほどに何も変わってないんですよね。
古いADVから脱却して新しいADVの時代へというのが、本作の目指したものだったはずです。
これには古いADVファンは不安を感じたでしょうし、逆に新しいものを望んだ人は期待したことでしょう。
しかし結果的には、古いADVファンでも安心して楽しめる反面、新しいものを望んだ人には何か物足りない内容になったかと思います。
これは何とも皮肉な結果でしたね。
ところで、本作は残念ながら、国内では全く評判になりませんでした。
ゲームのコンセプトを理解してもらえなかったからというのもありますが、もっと大きなことが1つあります。
というのも、本作はロード時間が無茶苦茶長いのです。
遊んでいる時間とロード待ちの時間、一体どっちが多いものやら・・・
ひたすらロードで待たされますからね、これではゲームの魅力も半減してしまうし人にも勧められません。
こういう冒険ものはテンポが命なのだから、ここは何とかしてもらいたかったですね。
なお、このロード時間が長いっていうのも、PS2版ならではの現象です。
評価の高いPC版は画面も綺麗でテンポも良いけど、英語のみ。
PS2版は日本語で楽しめるけど、他がいろいろ駄目になっている。
どっちを選ぶかはその人の環境次第でしょうが、なかなか上手くいかないものですね。
<評価>
海外の名作ADVを久しぶりに家庭用ゲーム機で遊べたという点は、私は素直に喜びたいと思います。
それと、思ったほど凄くなかったのは確かだとしても、それでも従来のP&C式の良さを損なわずに3D化できたことは、十分に長所と言えるでしょう。
他の非アクション系3D・ADVのゲーム性が劣っているだけに、従来のP&C式レベルの内容を維持した本作は、相対的に3D・ADVの中では高いゲーム性を有するとも言えますし。
こうした点から個人的にはギリギリ名作と判断しましたが、操作性の悪さをどう評価するかで、大きく満足度の分かれるタイプのゲームだと思います。
私は何とか堪えられたから総合でも満足度が上回りましたが、許容範囲を超えて駄目だしする人も十分に予想できますし。
今回は日本語版の評価ということでギリギリの名作扱いとなりましたが、英語のPC版ならもっと評価が上がっていたかもしれません。
普通は日本語のPS2版をプレイすれば良いのでしょうが、もし快適性を重視する人で英語を苦にしないのであれば、PC版を検討してみるのが良いと思いますね。
以上がプレイ後の感じた感想なのですが、最近になって思うこともありまして。
最近はsteamなどでインディーズのADVが増えていますが、その多くが3Dで世界観を堪能することが主目的の作品ばかりでして。
本作の内容はさておき、現在のADV市場は、Revolution Sonftwareの社長が予想した通りの方向性になったわけで、その意味では正しかったのだなと思いますね。
ランク:A-(名作)

Last Updated on 2025-11-16 by katan


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