『ペンションストーリー 花の清里』は1988年にPC88用として、アダルティンから発売されました。
アダルティンというと馴染みがないかもしれませんが、後のD.O.のことですね。
<概要>
ゲームジャンルはコマンド選択式ADVになります。
あらすじとしては、主人公の神崎葉一は、叔父に招待されて清里のペンションに向かうことになります。
もっとも、その叔父さんが何者かによって殺されており、主人公は事件の謎を解明することになります。
容疑者はペンションの7人の住人なので、舞台もこのペンションの内部となります。
<感想>
設定的には館モノとも言えなくはないですが、いわゆる館モノとして望まれるような要素はほとんどなかったので、あまりそういう見方はしない方が良いのでしょう。
普通に殺人事件を解く推理系の、コマンド選択式ADVと考えた方が良いでしょうね。
このゲーム、狙い自体は良かったのだと思います。
80年代には推理系のADVが一杯ありましたが、80年代初期のアダルトゲームは野球拳とかナンパモノが多かったです。
そんな状況下で、推理系にアダルトな要素を加味した、『殺しのドレス』(1987)が登場するわけですね。
これは凄いことだったと個人的には思っておりますが、アダルトな大人の雰囲気を取り入れることと、可愛い美少女の要素を取り入れることは、似ているようで違うんですよね。
一方で、『殺しのドレス』のような大人な雰囲気を漂わせたゲームがあるのならば、他方で、もっと美少女ゲームとしての推理物系いう方向性もありえたわけで、本作はその道を進んだわけですね。
ちなみに、同じような方向性を歩んだ作品として、同じ年に『リップスティックアドベンチャー』(LSA)があります。
そちらは一般的な知名度もありますし、私の評価も非常に高いです。
しかしLSAは、CG自体は一部ではありますが流用なわけで、完全な新作である本作は、その点ではもっと評価されるべきでしょう。
となると、LSA以上の評価を本作が得ることも、可能性としては十分にあったと思います。
でも、実際にはそうではなかったわけでして。
つまり目の付け所は良かったものの、中身自体はいたって普通だったんですよね。
その辺は、今にしてみればもったいなかったのかもしれませんね。
なお、上記のとおり、本作のシステムは普通のコマンド選択式ADVです。
コマンドの数もたくさんあるので、結構大変です。
普段80年代はコマンド選択式ばかりではないということで、変化球的なノベルゲーを紹介することが多いです。
だからこのブログだけを見ていると、逆にだったら80年代もノベルばっかなの?と思えてしまいかねないですが、本作のようなコマンド数の多い選択式が主流で、少数派としてノベルとか紙芝居っぽいのもあったということですね。
単に私がオーソドックスなADVを紹介しないだけですから。
<評価>
総合では佳作といえるでしょう。
十分楽しめる作品ではありますが、目の付け所は良かっただけに、惜しい作品でもありましたね。
Last Updated on 2026-05-02 by katan



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