ときどき片付けをして、おもいきってゲーム関連の物をまとめて捨ててしまうことがあるのだけれど、なかなか捨てられない物もあるわけでして。
その中に昔のアリスソフトの会誌があって、結構な量になるからどうしようかと思うのだけれど、これはいつも捨てきれずにいるのです。
私はアダルトゲームの売上ランキングに対し、あまり興味がないのですが、それはアリスソフトのファンだからなのだと思います。
今はそもそもファンクラブがあるのかすら知らないのだけれど、昔は確か年会費1500円で2か月に一度会誌が届きました。
そこで通販もやっていたのですが、これがとにかくお得だったんですね。
上の画像は『鬼畜王ランス』の時のものですが、定価8500円の初回版が送料込みで5800円でした。
しかも発売日の3日前に届いたのです。
まぁ、こんな破格の条件は滅多にないのですが、
それでも市販のどこよりも安かったし、発売日の1日前には届いたのです。
だから発売日に買うお金を工面できたときは、100%通販で購入していたのです。
あの頃のアリスファンって、そういう人が多かったと思うんですよね。
まだ店独自の特典とかそんなになかった時代だし、どう考えてもユーザークラブ通販の方がお得ですから。
ぶっちゃけ、店頭で買う奴アホだろと。
まぁ、そうは言っても、お金のない時期ってのはありますので、遅れて買うときは私も店頭で買ったんですけどね。
また、安くて早く来るだけでなく、特典が付いたものもありました。
『王道勇者』のメタル製しおりは、今でも持っていますね。
売上ランキングって、店頭での売上を集計しているので、こういう通販って含まれないんですよね。
もし私がランキングに興味があったら、間違いなく店頭で買うでしょう。
でも、お得な条件で早くプレイしたいから通販を利用したし、そうであるが故に、ランキングにも興味がなかったのです。
ブランドの懐的にも、直接購入の方が良かったでしょうしね。
そういうわけで、ずっとそういうものにも興味がなかったのですが、
ランキングって当時の情勢を振り返って懐かしむ手がかりに適しているんですよね。
あぁ~そういやこんなのあったよなって。
で、大分前に徘徊して見つけたのですが、「どきどきへあばんらんど」さんというサイトの中に、「美少女ゲーム年間販売本数ベスト10」って記事があったのです。
ここのサイト様はもうかなり前に更新が止まっているのですが、有益な情報が一杯ある貴重なサイトです。
そして97年以降に関しては、売上の本数はともかくとして、ラインナップ自体はまぁそんなものだろうなと思えます。
例えば『YU-NO』とか、そのサイトでは5万に届いていないですが、97年のコンプティークでは10万目前って話もあったみたいですし。
まぁ、本数はいつの時代も当事者しかわからないので、何本だろうと別に構わないのですけどね。
掲載タイトルに凄く違和感があったのが96年でした。
そこによる96年内での売り上げランキングは以下の通り。
97年にも鬼畜王があるので、あくまでも96年内とのこと。
1.鬼畜王ランス アリスソフト
2.この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO elf
3.虜 D.O.
4.放課後恋愛クラブ-恋のエチュード- libido
5.きゃんきゃんバニープルミエール2 初回限定版 カクテルソフト
6.拘束~淫爛授業~ 解かれたリボン ペルシャソフト
7.さおりんといっしょ Leaf
8.下級生 elf
9.同窓会 フェアリーテール
10.拘束~淫爛授業~ メイド達の仕事 ペルシャソフト
いや、私は鬼畜王もYU-NOも虜もこよなく愛していますから、大好きなソフトが123だぜって言うのは決して気分は悪くないし、一見すると非常に都合が良い材料ではあるんですよね。
そして、どうやらあちこちで、この表が利用されているみたいです。
でもなあ・・・当時を知らない人はこのランキングに違和感がないかもだけど、当時を知っている人でこのデータを疑いなく使える人はいないでしょ。
いたら間違いなく変ですよ。
少なくとも、私は良心が痛んで使えません。
だって、上半期発売のゲームがことごとく抜け落ちています。
ロングヒットしたであろう6月発売の下級生が1本あるだけですしね。
96年は上半期にゲームがなかったのかよって思ってしまう。
よくこのサイトを見てみると、「ソフトハウス別推定販売本数」から判断するに、下半期くらいしか集計していないのではないでしょうか。
「犀の目工房」さんのサイトに、当時の電撃姫のVOL1に掲載された、ヒットチャートがあります。
この本は私も持っていますので、掲載されたデータに違いはありません。
それによると、以下の通りです。
1 下級生 (22159pts) elf
2 Piaキャロットへようこそ!! (15337pts) カクテルソフト
3 同窓会 (13417pts) フェアリーテール
4 悪夢~青い果実の散花~ (12358pts) スタジオメビウス
5 鬼畜王ランス (11865pts) アリスソフト
6 脅迫 (9392pts) アイル
7 きゃんきゃんバニープルミエール2 (9351pts) カクテルソフト
8 虜(とりこ) (9274pts) D.O.
9 カスタムメイト3 (8193pts) カクテルソフト
10 バーチャコール2 (8187pts) フェアリーテール
雑誌特有のポイント制なので本数が分かりませんが、並んだタイトル的にはこっちの方がしっくりきます。
電撃姫のは集計期間が96年の1月から12月までなので、12月26日発売のYU-NOは14位と伸びきっていません。
萌え絵で初日にほとんど売るタイプのゲームではないですし、そろそろWINDOWS機にメインを移し出した時期でもあり、エルフファン以外は噂を聞いて年明けに購入したのでしょう。
実際、97年の上半期では5位に入っており、96年分と合算すればかなりの数になります。
鬼畜王ランスは97年上半期の2位にも入っていますが、これも12月発売ですからね。
97年での売上分も多かったのでしょう。
下級生はゲームの評価は皆が大絶賛というわけではなかったですが、95年に『同級生2』が一年間通じて売れ続けましたし、広告の門井さんの絵がとても衝撃的でしたので、話題性は断トツだったように記憶しています。
96年内という範囲では、これが年間で一番売れたと思うんですよね。
PIAキャロやきゃんバニはカクテルソフトの新旧の看板シリーズですし、当時は話題性も高く、売上も高かったはず。
同窓会もWIN専用の恋愛ゲームということで、発売当時にはPC-98の環境がない人はこれを買うしかないって感じでしたし。
96年辺りから恋愛と陵辱という構造が少しずつ出始めていますし、とにかく陵辱特化と呼べるゲームが登場したことで、悪夢はとても話題性が高かったのです。
まぁ、やるだけなんで、プレイしてつまんね~って言う人も多かったですが、数だけ見ればかなり売れたはずです。
悪夢や脅迫はとにかく売れたという印象が強く残っていますし、SMっぽい上にSLGである虜ほどのマニアック性もないことから、幅広い層が購入できたことも売上増につながったはず。
バーチャコール2とカスタムメイト3もかなりの話題作でしたが、95年の12月の発売でしたので、YU-NOや鬼畜王が97年にも大量に売れたのと同じで、これらも96年に多く売れたということなのでしょう。
放課後恋愛クラブはかなり売れた記憶がありますが、12月中旬の発売なので、96年だけでは上位に食い込めてないのでしょう。
実際、97年の上半期ランキングでは顔を出しています。
恋愛ゲームブームに陵辱ゲームの登場、御三家であるエルフ・アリス・アイデス(カクテルソフトとフェアリーテール)の持つ強さと、電撃姫のデータの方が情勢を表しているでしょう。
一部で受けたり名作として語られやすいタイトルとなると、また違った名前が挙がってくるとは思うんですけどね。
売上という観点からは、電撃姫のデータの方が正しいのではないかなと思いますね。
少なくとも、95年末発売や96年上半期のタイトルがないデータは、やっぱりちょっとおかしいよなって思ってしまいます。
まぁ、ほとんどの人にはどうでも良い話ですけどね。
ただ、通販専用の『only you』ってどれくらい売れたのかなと、今更になってそれだけは気になってしまいますけれど。
Last Updated on 2025-09-03 by katan
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