WORLD END ECONOMiCA Episode.1

2011

『WORLD END ECONOMiCA Episode.1』は2011年にWIN用として、Spicy Tailsから発売されました。

「狼と香辛料」シリーズで有名な支倉凍砂さんがシナリオを担当し、話題になった同人ノベルですね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

商品紹介・・・
人類のフロンティア、月面都市を埋め尽くす摩天楼で、多くの人々が見果てぬ夢を追いかけている時代――。
月生まれ、月育ちの家出少年ハルは、”前人未踏の地に立つこと”を夢見ていた。
そのために必要なのは、圧倒的な資金。
少年ハルが足を踏み入れたのは、百年の昔から人類の欲望を呑み込み、時には叶え、時には無慈悲に打ち砕いてきた場所「株式市場」だった。
そんなハルが月面都市の片隅にある寂れた教会で出会ったのは、黒尽くめの美しき天才少女、ハガナ。
その瞬間、夢を追う少年の未来は、大きく動き始める。
月生まれの少年ハルの見果てぬ夢を描く、金融冒険青春活劇。

<感想>

感想というか、今回は紹介になりますかね。
まともな感想にすらなっていないと思うので。

支倉凍砂さんというと狼と香辛料シリーズが有名であり、今ではラノベを読む人だけでなく、アニメを見る人でも知っている人が多いでしょう。
少なくともゲーマーよりは、そっち方面に寄っている人の方が、馴染み深いように思います。
その支倉さんがシナリオを担当し、2011年から2013年にかけて全3作が発売されたのが、このWORLD END ECONOMiCAシリーズでした。

2011年というと、ノベルゲームのワイド化が広まり始めた年であり、本作のタイトル画面がワイド画面にピッタリでね。
タイトル画面を初めて見た時には、これこそ新時代のノベルゲーなのではと勝手に期待したものでした。

もっとも、実際にプレイしてみると、予想とは違っていたわけでして。
ストーリーはね、確かに面白いのですよ。
如何せんこのライターでしか現在は書けないと思えるジャンルですし、根強いファンがいるのも十分納得できます。

しかしながら、演出というか見せる観点が致命的に弱いのです。
ノベルゲーではグラフィックやサウンドやゲームシステムにより、テキストを何倍にも盛り上げることもできます。
しかし本作のグラフィックは貧弱であり、ストーリーを盛り上げることに全く貢献していません。
ゲームらしさというのも皆無ですし、音声もないですしね。
これなら最初から小説で読ませてくれよと思ってしまう。
そう感じてしまうと、私の場合は評価が一気に下がってしまいます。
だからシナリオが面白いのかと聞かれればイエスと答えるのだけれど、一つのゲーム作品として良いのかと聞かれれば、私の視点からはノーとしか言えないのです。

ちなみに、演出面の弱さなどはEP3では改善されるのですが、EP3は1と2を同梱する代わりに価格が倍になるという、新規優遇のシリーズファンには不可解な販売方法でして。
これはこれで文句を言いたくなるような仕様でしたね。
そういう点も踏まえると、どうしても企画そのものに、何とも解せないところがある作品でした。

なお、現在は小説版が発売されています。
私は未読なので、正確なところは言えないのですけどね。
ゲームライターが小説を書いた場合、ゲームシナリオとしては良くても、小説としては酷いケースも多々あります。
しかし本作は、確かにゲームが先にあるものの、ライターは本職が小説家ですからね。
むしろ小説の方が上手く書けるでしょう。
本作がゲームとしてのプラスアルファに乏しい作品であるだけに、個人的には興味のある人は小説版で構わないのかなと思います。

ランク:C-(佳作)


1と2も含まれているEP3
WORLD END ECONOMiCA Episode.3
小説版1巻
WORLD END ECONOMiCA (1)

Last Updated on 2024-12-22 by katan

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